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ONLYNESS~組織も肩書もいらない人生をつくる
著者:ニロファー・マーチャント
出版社:大和書房
本書の要約
本当に自分の好きなこと、自分のオンリーネスを発信することで、良い仲間と出会えるようになります。そのつながなりを強化することで、結果を出せるようになるのです。その際、SNSでの情報発信は欠かせませんが、ルール守り、ギバーの姿勢で活用すべきです。
同じバスに乗る仲間を選ぼう!
仲間を選ぶにあたっては慎重を期すべきだ。ときにはあなたのために反論してくれる人、そしてあなたが奮闘しているときには、寄り添ってくれる人を選ぼう。(ニロファー・マーチャント)
ニロファー・マーチャントのONLYNESS~組織も肩書もいらない人生をつくるの書評を続けます。マイノリティが情報発信することで、自分の「同類」を見つけることが可能になります。同類とは「本物の協力者」で、自分の本当にやりたいことを発信することで得られます。彼らはあなたのためにアドバイスをくれますし、時には反論してくれます。同じバスに乗る人をしっかりと選び、よい結果を出すようにしましょう。
アメリカのフィラデルフィアで、コワーキング・スペースの「インディー・ホール」をつくったアレックス・ヒルマンは、同類と一緒にいることで生産性がアップすることに気づきました。フィラデルフィアでも、新しいビジネスを生み出せると信じたアレックスは、情報発信を通じて、新たなスペースを生み出したのです。互いに協力するグループは、次第に絆を強めていき、結果、最大の成果を上げられるようになることをアレックスと彼のコミュニティは証明しました。
コミュニティをつくる前に、アレックスは当初、自分にとって重要なことを個人的に訴えることから始めました。そして、意欲的にテック系の人たちが集まっていそうな場所を探し、あちこちに顔を出したのです。そして、自分が関心をもっている内容に関する情報を積極的に発信することにしました。
アレックスのアクションによって、大勢のクリエイティブな人たちが、互いの存在に気づき、コワーキングスペースを作ることで、フィラデルフィアが変わり始めました。今では「インディー・ホール」は、300人以上の人が働くコワーキングスペースとなり、メンバー全員が「自分のような人たちのための場所を維持する」ことと、「地元のテック業界に貢献する」ことという2つの目標に真摯に取り組んでいます。
集まったメンバーには以下の共通点がありました。
■全員がある種のギーク
■全員がある種のクリエイター
■全員がある種の行動派
■全員がフィラデルフィアの住民
メンバーは、数々の共通点をもっていたからこそ、共通の目標によって結びついたコミュニティとして団結できました。「インディー・ホール」はニュースサイトのビジネスインサイダーで「アメリカでもつともクールなコワーキング・スペースのひとつであり、知的活動、偶然の発見、人脈づくりをするうえで最高の場所となっている」と評価されるほどになったのです。
「インディー・ホール」では、メンバー全員が価値観、信念、夢を共有しています。この場所は、スタートアップの文化とフィラデルフィアという町の文化が融合した、ひとつの重要な基地になっています。「インディー・ホール」があるおかげで、フィラデルフィアはいまや、若者が去っていく場所ではなく、暮らしつづけたい場所へと変貌を遂げました。フィラデルフィア市は6年連続で成長を続け、〈コード・フォー・アメリカ〔全米の自治体の行政府にITエンジニアを送り込む1年間のプログラム〕〉では、国内で2番目に大きな規模になっています。
SNSで嫌われないために、心がけたい10のルール
人はいつでもなにかを探し、シグナルを発信しているが、やり方次第では、つながりを強めるどころか弱めてしまうこともある。見知らぬ人にスパムメールを送ったところで得るものはない。一緒に動いてほしい人を見つけたからといって、相手にストーカー行為をすれば、仲間になってくれるはずがない。
私たちはだれもが、仕事を成し遂げるうえで力を貸してくれる人とつながり、コミュニケーションをとり、強い信頼関係を築きたいと考えています。そういった同伴者を見つけるためには、ソーシャルメディアは強力な武器になります。しかし、多くの人はその使い方を間違え、スパム的な存在になり、協力を得られずにいます。
著者は、ソーシャルメディアでの失敗を避けるために、SNSでやってはいけない10のルールを紹介しています。
1、プロフィールのアイコンをグレーの人影のままにしておく
まず、信頼を得るために、アイコンを「自分の画像」に変えなければなりません。フェイスブックのプロフィール写真が自分のものでなければ、身を隠していることになります。信頼関係は生身の人間の顔を見るからこそ生じると考え、自分の写真を掲載するようにしましょう!
2、なんでもかんでも発信する
なんでもかんでも発信すると自分を誤解される可能性が高まります。真の仲間を引き寄せるためには、本当に自分の好きなものを発信することが重要です。心から愛するものがなにかを示せば、ほかの人にもあなたがどういう人間かが伝わります。自分のオンリーネスを発信することで、自分が価値をもち、「同類」の人たちとのつながりをつくれます。
3、結局、すべて自分の話にもっていく
自分を売り込むのは、ほどどにして、ギバーとして振舞いましょう。ほかの人のアイディアを広め、みんなの協力に恩返しすると、良いことが起こります。自分のフィードを宣伝の場にするのではなく、自分が大切に思っているアイディアを並べる場所にしましょう。自分のフォロワーが関心をもっていそうなことがあればシェアして、その理由を伝えることで、新たな出会いが生まれ、良い人間関係が築けます。
4、ツールを利用して宣伝する
ツイッターなどのハッシュタグには、そのコンテンツを検索する際に便利な索引の機能がありますが、これを上手に活用しましょう。ハッシュタグを自分の宣伝に使いすぎると自分のブランドが毀損し、やがては人が離れていきます。
5、見て!見て!と懇願する
ひっきりなしにメッセージを送りつけ、拡散してほしい、リツイートしてほしいと要求ばかりしていると、周りの人が嫌がり、逃げていきます。
6、投資もせずに、利益だけを得ようとする
SNSになんの投資もしていない人が、急に利用をはじめたところで利益は得られません。ささやかな規模で、少しの時間を割くだけでかまいませんから、ギバーとして人に役立つ情報をSNSで発信しましょう。
7、ストーカーっぽい行動をする
だれかと連絡をとり、相手についてさまざまなことを知っていると明かせば、「うわ、ストーカーかも」と疑われてしまう危険があります。そうならないように、こちらにどんな意図があるのかをあらかじめ明示しておくべきです。
8、事前調査を軽視する
相手と有意義な関係を築きたいのなら、事前に10分ほどの時間を割き、相手に関しての調査をしておきましょう。このささやかな努力を怠ると、話題がなくなったり、本当は相手に関心がないことが露呈します。これから会う人のフェイスブックやツイッターを事前にチェックしておけば、会話が盛り上がります。
9、チャットを誤用する
チャットを利用する際には、相手の隣に自分が立っているつもりでチャットしましょう。だれかを質問攻めにしたり、勝手に添付ファイルを送りつけたり、ユーチューブのリンクを貼ったりするのは、仲良くなってからやるべきです。そして、その際、チャットではなく、メールを使うべきだと著者は言います。
コミュニケーションのツールにはそれぞれ最適の使い方があるし、向き不向きもある。これに留意し、コミュニケーションをとっている相手に、どんなツールを使つのが好みか、あらかじめ尋ねておくのもいい。
チャットのコミュニケーションを大事にする人には、リンクがスパムに映ることもあるのです。
10、SNSをむやみに怖がる
情報発信を怖がるのをやめ、本物のあなたを見せましょう。自分の価値、オンリーネスのすべてを見せることで、会いたい人が引き寄せられてきます。
オンでもオフでも本当に自分のやりたいことを発信することで、仲間に出会えるようになります。 SNSのルールを守って、良い人とのご縁をつくりましょう!
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