ニロファー・マーチャントのONLYNESS~組織も肩書もいらない人生をつくるの書評


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ONLYNESS~組織も肩書もいらない人生をつくる
著者:ニロファー・マーチャント
出版社:大和書房

本書の要約

マイノリティでも自分の価値を発信し、つながりをつくることで、力を発揮できます。以前は大組織でしか、世の中を変えられませんでしたが、ソーシャルメディアが普及した現代では、ヒエラルキー型組織はもはや必要ありません。勇気を持って、行動することで、マイノリティもチャンスをつかめるようになりました。

マイノリティでも力を発揮できる?

自分の判断で選択し、道を切り拓き、自力でチャンスをもぎとれば、大きな力を得ることができる。(ニロファー・マーチャント)

経営思想家のニロファー・マーチャントは、マイノリティでも自分の価値を発信し、つながりをつくることで、世の中を変えられると指摘します。若者、病人、弱者の意見は往々にして無視されがちですが、著者が発見したルールを活用すれば、自分のアイディアを実現できます。なんの後ろ盾も知名度もない人たちでも、自分の意見を表明することで、現状を変えることが可能です。

自分の価値である「オンリーネス」を発信し、それを広げることで世の中を変えられる時代を私たちは生きています。

いまの時代、あなたはネットワークを通じてそうしたアイディアを育み、広めていくことができるのだ。あなたの手には、世界を動かす新たなレバーが握られている。一人ひとりの「オンリー」こそが強みなのだというアイディアを世界に広げていこう。この突然のひらめきと同時に、「オンリーネス」(onlyness)という造語が思い浮かんだ。

インターネットがこの世に出現する前、大半の人は大きな組織の一員にならなければ、世の中を変えることはできませんでした。大組織では「うまく馴染む」ことが求められましたが、前例を見ない斬新で独創的なアイディアは、黙殺されがちです。普通の組織は反逆する者、うまく馴染めない者、異端の者を排除する傾向があり、そこからマイノリティはイノベーションを起こせずにいたのです。

しかし、ネットワークを形成することで、マイノリティにもチャンスが生まれました。どんな人たちの集団であれ、組織的な権威やヒエラルキーの力を借りることなく、協力して理想を追求できるようになったのです。大きな目標を達成するうえで、もはやヒエラルキー型組織は必要ないと著者は言います。

ロンリーネスをやめ、オンリーネスを選択することが成功の鍵

キンバリー・ブライアントは黒人でシングルマザーという困難に打ち勝ちます。対処法を自分で選び、他人の言いなりになるのをやめることで、自分の環境を変えることに成功したのです。内なる声が「ノー」と叫んでいるなら、その声を無視せず、行動を起こしましょう。

変化するタイミングが今だと捉えれば、未来を切り開くビジョンが見えてきます。彼女はマイノリティに新たな職を生みだすために、コーディング教育のプロジェクト「ブラック・ガールズ・コード」を立ち上げ、周りの人を巻き込みます。ダメ元で始めたプロジェクトが、多くの人たちのサポートを受けることで資金調達に成功し、マイノリティにチャンスを与えました。

年齢、性別、肌の色がどうであろうと、かれらはアイディアを試してみた。業界の因襲を打破するために。計画を進めるために。間違いを正すために。新たなものを生みだすために。旧態依然とした諸悪の根源を断ち切るために。ただシンプルに物事を成し遂げるために。こうしたストーリーは私たちに希望を与えるだけではなく、未来への道筋を示している。突拍子もない夢が、最後には社会に大きな変化を生みだす。そうした例は、私たち一人ひとりあかしに同じことをする力が備わっているという証でもある。

マイノリティであっても勇気がある人たちは、自分のアイデアを試す道を選びました。目的を持った、価値ある情報をインターネットやソーシャアルメディアで発信すると、同じ問題を抱えた世界中の人に見つけてもらえます。目的、意義、価値観が明確になることで、「ロンリーネス(孤独)」ではなくなり、「オンリーネス」がパワーを発揮します。力を合わせてアイデアを実現しようとしている人たちと有意義な関係を築くことで、ソーシャルメディア時代には、アイデアが世の中に一気に広がります。

マイノリティを差別するのが世の習いです。彼らは目標や情熱を共有する人が見つかるまで、「不適格者」に分類され、苦しい時間を過ごします。しかし、一旦少数派の割合がグループの30%に達すると、「異質なよそ者」というレッテルを貼られなくなります。グループがパワーを持ち、個人の価値が尊重されるようになるのです。

アイディアを表明した人間がだれであれ、アイディアそのものの価値を十分な数の人たちが認めたときに初めて、最高のアイディアが実現する可能性が見えてくるのだ。

長年、経営学を教えてきたアンドレ・デルベックは、退職前に研究対象をスピリチュアリティに変えることで、別の教授たちから蔑視されます。スピリチュアリティの研究に着手すると、多くの同僚が離れて行ったのです。アンドレは落胆し、大学を辞める寸前までが追い込まれましたが、彼は諦めずにチャレンジを続けました。

そして、ついにビジネスにおけるスピリチュアリティという分野を、米国経営学会に認めさせることに成功しました。彼が成功した理由は3つあります。
1、愚直に徹したから。
2、成功するという根拠がないまま行動を起こしたから。
3、数人の重鎮に賛同してもらい、支持を得たから。

自分にとって大切なことがわかったら、力になってくれそうな人を見つけ、その人と会うべきです。そうすれば、新たな道に進み、成功する基盤を築くことができるのですから!(アンドレ・デルベック)

自分のアイデアが見つかったら、さっさと行動すべきです。マイノリティだからと言って、悩むばかりでは、チャンスを手に入れられません。研究によれば、影響力をもつ人は、あまり影響力をもたない人よりも、実際にさまざまな行動を起こしていることがわかっています。

自分の目的を明確にし、価値を発信することで、悪い状況を打破できます。力になってくれる仲間を見つけるために、大量行動することで、よいことが起こります。成功するという保証がいっさいなくても行動を起こせる能力があれば、自分の世界を変えることができるのです。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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