武井則夫氏の選ばれる理由:どうしても売上と利益が増えてしまう心理マーケティングの書評


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選ばれる理由:どうしても売上と利益が増えてしまう心理マーケティング
著者:武井則夫 
出版社:パンローリング株式会社

本書の要約

顧客には他社の製品やサービスと「比較する本能」があることを知り、それを利用して「選ばれる理由」「買われる理由」を用意することで、顧客との関係を強化できます。顧客に選ばれる理由をストーリーにまとめ、顧客に伝えることで、無意味な価格競争に巻き込まれずにすみます。

顧客に選ばれる4つの切り口

しかし、間違えないでいただきたいのは、「人は安い買い物がしたい」わけではないのです。「いい買い物がしたい」だけなのです。品質・機能・性能、形・デザイン、サービス、納期・スピード、感じがいい接客、実績、イメージなど、たくさんの「いい買い物」の基準のひとつに「より安い」という項目があるだけです。武井則夫

このコロナ禍で人々の消費行動が激変し、売り上げを下げる会社が増えています。しかし、こんな時代でも売り上げを伸ばしている会社もあります。成功者は、コロナ禍でも顧客は買い物をしたいと言う気持ちを持っていると考え、適切なメッセージを届けています。

顧客の買いたいと言う気持ちに刺さる、「買う理由」を用意することで、コロナ禍でもビジネスがうまくいくのです。たとえば、インバウンドで来日できない海外の人たちが、日本のオンラインショップを訪れ、買い物をしています。HPに少しだけ工夫を施すこと、彼らに買いやすい仕掛けを作ることで、売り上げアップをはかれます。日本の商品を欲しい顧客が世界中に存在し、彼らはネットサーフィンで買い物をしています。その事実に目を向け、HPを改良することで、海外からのニーズを掘り起こせます。自社の強みを写真やシンプルなメッセージ表現できれば、世界中の人たちを顧客にできるのです。

経営コンサルタントとして活躍する著者の武井則夫氏は、自社の「ウリ」を伝えることで、顧客行動を変えられると言います。お客様が価値を感じる「ウリ」に気付き、その「ウリ」をお客様が選ぶ理由となるように伝えることで、顧客の態度は変容します。

私たち人間は、「絶対的な基準で決定することはほとんどない」と武井氏は言います。

商品やサービスの絶対的な価値を計る尺度など、生まれながらに備わってはいないのです。あくまで何かと相対的に比較をして、価値を判断するのが人間です。だからこそ、あなたの会社の商品やサービスを買っていただきたいのであれば、「比較する本能」を知り、それを利用して「選ばれる理由」「買われる理由」を用意していきましょう。

選ばれる理由を見つけるためには、切り口を探す必要があります。著者は以下の4つの切り口を意識し、それをメッセージにすることで、無意味な価格競争を避けられると述べています。

切りロ1 どこにも負けない「商品」「サービス」「技術」を見つける
自社の優位性を見つけて、「他社と比べてどうか」を示すことで、顧客は会社の価値に気づいてくれます。「第三者からの評価」「数字の裏付け」があると、信頼性が一気に増します。
例、毎日1万個が売れています。
累積販売台数10万台を突破した商品
業界平均より3割も多い含有量などを提示し、顧客に自社の「ウリ」を伝えましょう。

切りロ2 どの会社にもない「No1」「オンリーワン」「日本初」「世界初」を見つける
さまざまな条件を洗い出すことで、あなたの会社がNo1になっていることが見つかります。あるカテゴリーに限定すると1番になっていることもよくありますから、頭を捻り、No1リストを書き出しましょう。たとえ、No1が見つからなくとも、あきらめないことです。他の会社にない「オンリーワン」が見つかれば、顧客の心を開けるようになります。

切りロ3 心が惹かれる感動的な「ストーリー」「人」を見つける
苦労を乗り越えた、顧客に良い体験を与えられたなどのストーリーに人は心を動かします。感動的なエピソードを用意し、それをストーリーに仕立てましょう。ストーリーは過去だけでなく、現在進行形で作ることで、顧客との関係を強化できます。創業者やベテランの技術者といった「人」にフォーカスを当てることで、ブランドへの信頼感を高められます。

切りロ4 社内に浸透している独特の「理念・哲学」を見つける
経営理念、哲学、会社のポリシーをしっかりと打ち出すことで、他社との差別化を図れます。スペック競争では差が出ない時代には、共感を活用すべきです。その会社の考え方・思想に共感できるところから買いたいと言う顧客心理に刺さるビジョンやミッション、行動指針が選ばれる理由になるのです。

お客様に価値を感じてもらわなければ、企業は存在しないのと同じです。アウトプットがあって、はじめて製品やサービスが認知されるようになります。お客様のご利益につながることをリスト化し、ストーリーにまとめましょう。

自社の価値を見つける8つの質問

そうは言っても自社の価値を見つけるのは、そう簡単ではありません。著者は経営者のための8つの質問を用意しています。これに答えるだけで、自社の価値を短いメッセージにまとめられます。
①自社紹介をする時に必ず触れていることは?
②世界一、日本一、業界一、世界初、日本初、業界初はあるか?
③いくつかの条件を重ね合わせると、No1になることはあるか?
④これまでの輝かしい実績・業績は?
⑤事業のコンセプト、目的、将来の夢は?
⑥経営、商品製品・サービスに対するポリシーにだわり)は?
⑦お客様や周囲からいただくほめ言葉は?
⑧著名人にまつわるエピソードは?

答えをまとめる際には、理想の顧客をイメージし、以下の4つのポイントを意識し、14文字前後のメッセージにまとめましょう。
①短い言葉にまとめ、類義語を集める
②数字で表す
③効果を「具体的にイメージできる表現」で探す
④常日頃から他社の売り文句を気にしている

また、「○○力」「○○性」「高い(低い)」「多い(少ない)」「速い」「細かい」などありふれた言葉を書き換えるようにすると独自色を出せます。たとえば、「技術力が高い」は「他社よりひと桁下の精度で加工する」など数字を入れ込み、表現するのです。

また、表現にひと工夫し、さらに際立たせることで、顧客の印象に残ります。
①逆説的表現…………例)「美味しいのに太らない」「ぽっちゃり体型でも似合うワンピース」
②予定調和を壊す……例)「もしドラ」

最後に、完成したメッセージが、自社の経営理念・哲学・思想・目的からずれていないか確認します。

武井氏のフレームワークで、自社の価値を短いメッセージにできれば、良質な顧客との出会いをデザインできるようになります。本書を活用し、自社の強みをストーリー化し、ウイズ・コロナ時代の勝ち組を目指しましょう。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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