チップ・ハース、ダン・ハースのスイッチ!の書評


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スイッチ!
著者:チップ・ハース、ダン・ハース
出版社:早川書房

本書の要約

①象使い(理性)に方向性を与える②象(感情)にやる気を与える③道筋を定めるという3つの要素を取り入れることで、人生を変えることができます。道筋を定めるとは環境を変えることで、習慣を変えたければ、まずは自分が置かれている環境を見直してみましょう。

環境を変えると習慣が変わる!

自分自身や他人を変えるためには、習慣を変える必要がある。(チップ・ハース、ダン・ハース)

私たちが変化することは難しいと感じていますが、それは「象(感情)」と「象使い(理性)」が、私たちの中で戦っているからです。怠け者で気まぐれですが、エネルギーのみなもとになる「象」という感情と計画的なリーダーですが、頭でっかちで空回りすることもある「象使い」の両者が、協力しあうように仕向けることで驚くほど簡単に変化が起きることを著書たちは発見します。

象(感情)・象使い(理性)・道筋(環境)の3つの要素を取り入れることで、私たちは変化できるようになります。
1.象使いに方向を教える
2.象にやる気を与える
3.道筋を定める

道筋を定めるためには、環境を変えることが重要です。著者たちは環境を変えることで習慣が変わると指摘します。人生で変化を起こそうとしている人々を対象に行なった研究によると、変化に成功したケースの36パーセントは引っ越しと結びついていることがわかりました。新たな環境に身を置くことで、悪い習慣にさよならできます。喫煙者の多くは休暇先のほうが禁煙しやすいと言います。自宅では、環境のあらゆる要素が喫煙を連想させるからです。普段使っている灰皿や馴染みのタバコ屋がないことで、タバコとの距離がおけます。

私は環境の力を活用することで、13年前に断酒に成功しました。家中のお酒を全て捨て、飲み友達や飲み屋に近づくのを一切やめました。自分の生活からお酒をなくすことで、半年後にはお酒を完全にやめることができました。環境を変え、断酒することで変化でき、今の生活の基盤を作れたのです。

アクション・トリガーを活用しよう!

アクション・トリガーは「心を惑わす誘惑、悪い習慣、対立する目標から目的を守りぬく」効果がある。(ペーター・ゴルヴィツァー)

心理から習慣を変えることも可能です。心理的に新たな習慣を築くためには、心理的な計画である「アクション・トリガー(行動の引き金)」を活用するとよいと言います。

ニューヨーク大学の心理学者、ペーター・ゴルヴィツァーとヴェロニカ・ブランドスタッターは、アクション・トリガーが行動を促すうえで、非常に効果的であることを学生に対する調査を通じて発見しました。学生たちは、クリスマス・イブの過ごし方に関するレポートを書くと、講座で追加の単位がもらえるという選択肢を与えられました。単位を取得するためには、レポートを12月26日までに提出すことが求められました。大半の学生にはレポートを書く意志はありましたが、実際に書いて提出したのは33パーセントでした。

一方、別のグループの学生は、アクション・トリガーの設定を課せられました。彼らはあらかじめレポートを書く正確な時間と場所を宣言させられたのです。結果、なんと75パーセントの学生がレポートを書くことができました。何かをする時間と場所をイメージしただけで、実際に実行する確率が高まります。自分がしなければと思っていることに関しては、アクション・トリガーはやる気を生み出す大きなパワーとなるのです。

ゴルヴィツァーは、アクション・トリガーの価値は、意思決定の〝事前装填〟にあると述べています。「意思決定の事前装填」を行なうことで、私たちは象使いのセルフコントロールを温存できるようになります。クリスマスのには、豪華な食事や楽しい会話、プレゼントなどのたくさんの誘惑があります。「意思決定の事前装填」を行なわないまま、この誘惑のバイキングの列に並んだら、人は誘惑に負けてしまいます。しかし、アクション・トリガーを事前に決めることで、人は正しい行動ができるようになります。

さらに、ゴルヴィツァーは、アクション・トリガーは象使いのセルフコントロールを極度に消耗するような困難な状況でこそ効果を発揮することを証明しています。ある研究では、人々が「簡単な」目標と「困難な」目標を達成する度合いを分析しました。簡単な目標の場合、アクション・トリガーを設定しても成功率は78パーセントから84パーセントへとわずかに上がっただけでしたが、困難な目標の場合は、アクション・トリガーによって成功率が3倍になったのです。なんと目標の達成率は22パーセントから62パーセントに急上昇しました。  

物事を成功させたければ、環境を変えることと、計画を実行に移す時間と場所を具体的に指定し、アクション・トリガーを設定することが重要なのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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