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Z世代~若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?~
著者:原田曜平
出版社:光文社
本書の要約
①消費者ターゲットしてのZ世代②人材としてのZ世代③ソーシャルメディアなどPRの起点としてのZ世代という3つの理由から、企業は25歳以下のZ世代をもっと理解すべきです。Z世代が社会の中心になる近未来には、彼らの感性や感覚、発信力が世の中を変えていると考え、彼らに権限を移譲した方がよさそうです。
マーケターがZ世代を意識すべき理由
Z世代が社会の中心となる近未来には、彼らの感性や感覚が、世界及び日本を支配することになるでしょう。すなわち、彼らを理解することは、近未来の日本及び世界を知ること、そして、あなた自身が近未来を知り、近未来に適応できるようになることを意味していると言っても過言ではありません。(原田曜平)
マーケティングアナリストの原田曜平氏は、マーケターはZ世代をもっと理解すべきだと指摘します。いくらマーケットが巨大だからと言って、いつまでも団塊世代が消費を続けるわけではありません。高齢者ばかりを相手にすることは、未来の顧客を捨てることと同義です。仮に現状の顧客がいなくなったとしたら(高齢化による消費者からの離脱や死亡など)、売り上げが一気に激減してしまいます。
「令和」は「平成」に続く高齢化の時代になりますが、そのマーケットは大きく異なります。平成の高齢化は、人口の多い団塊世代がまだ消費者である前期高齢者(65~74歳)になることを意味していましたが、令和の高齢化は、人口の多い団塊世代が後期高齢者になり、様々な市場の消費者から離脱していくことを意味しています。
2040年には85歳以上の人口が高齢人口の3割近くになり、高齢者の高齢化が進みます(2040年問題)。平成に比べると消費者としての高齢者の魅力が確実に減っていきます。
そこで、現在25歳以下くらいのZ世代をマーケターは意識すべきだというのが著者のアイデアです。Z世代を理解することが以下の3つの理由で企業には必要となるのです。
①消費者ターゲットしてのZ世代
②人材としてのZ世代
③ソーシャルメディアなどPRの起点としてのZ世代
スマホ第一世代であるZ世代を理解するキーワードは「チル(まったり)&ミー(自己承認欲求、発信欲求)」だと著者の原田氏は言います。Z世代はインスタやTikTokを使いこなし、自己承認欲求や発信欲求をみたしています。彼らは「ミー(私を見て)」と考え、行動(消費者)します。チル&ミーという価値観が、Z世代の全ての消費トレンドの前提にあると捉え、マーケティング施策を考えるようにしましょう。
Z世代のソーシャルメディア活用法
Z世代はスマホ第一世代で、ソーシャルメディアの使い方もゆとり世代やミドル世代とも異なります。
①ツイッターは圧倒的SNSの王様
②インスタグラムは若年層女子の問でSNSの王様
③フェイスブックはゆとり世代以上のSNS
④TikTokは中高生女子のもの
SNS、YouTubeやLineを使いこなし、既存メディアをあまり見ず、不要な情報を寄せ付けないことがZ世代の特徴になっています。
私の子供たちが正にこのZ世代にあたりますが、日頃から彼らの行動を見ていると企業のマーケティングと彼らには大きなギャップがあることを感じます。彼らは企業SNSや芸能人のSNSよりも、自分たちに近い一般人のSNSを重視しています。実際Z世代白書2020でも、このような傾向が見て取れます。
ツイッターもインスタグラムもYouTubeも若者に根付き、企業もこぞってマーケティングにインフルエンサーを活用するようになり、インフルエンサーたちもいわゆる企業案件の投稿が増えたことで、Z世代の間でインフルエンサーに対する信頼感が以前ほど強くなくなってきていることは確かです。そうした中、今後キーワードになるのが「インフルエンサー未満」です。これは、世に出始めたばかりのインフルエンサーのことで、フォロワー数もまだものすごくは多くなっておらず、スレていない人たちのことです。
Z世代は共感を求めています。TVのタレントよりも身近なインフルエンサーに共感を感じています。お金や手間はかかりますが、企業は商品やサービスを拡散するために、自分が絶対に共感するような投稿をするインフルエンサー未満との関係をつくる必要があります。
Z世代はTVなどの既存メディアを見る時間が減っていますから、自分たちが関心のある情報やニュース、広告しか見ていません。彼らの感性にフィットしない広告をいくら既存メディアやSNSで流しても無駄になるだけです。
Z世代に共感する情報を発信するためには、おじさんの権限を減らし、若者に権限を移譲することが求められます。企業はZ世代と協働し、マーケティングを行った方がよさそうです。Z世代に活躍の場を与えることが日本を元気にすることにつながります。
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