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SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える
著者:ドナルド・サル, キャスリーン・アイゼンハート
出版社:三笠書房
本書の要約
「シンプルなルール」を採用することで、人は柔軟性を手に入れ、自由に動けるようになります。スティーブ・ジョブズがシンプルにこだわりアップルを成功させたことを見習いましょう。自分の目標を明確にして、ルールをシンプルなものにするのです。私たちは無駄を削ぎ落とすことで、創造性を発揮できるようになります。
シンプル・ルールがアップルを再生させた?
シンプルであることは、複雑であることよりも難しい。物事をシンプルにするためには、必死に努力して思考をクリアにしなければならないからだ。だが、それだけの価値は絶対にある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるのだ。(スティーブ・ジョブズ)
ドナルド・サルとキャスリーン・アイゼンハートは、スティーブ・ジョブズが復帰時に、シンプルなルールを採用したことで、アップルを復活させたと指摘します。「アップル」の取締役会から追い出され、倒産の危機にあった同社に復帰したときに、ジョブズは複雑なルールで運用されていたアップル社のルールをシンプルなものに変えていきます。組織やプロダクトの数を整理し、機能を減らし、デザインをシンプルなものに変えていったのです。このシンプルさが、アップルの成功を生んだ武器のひとつだったのです。
なにをしないのかを決めるのは、なにをするのかを決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ。(スティーブ・ジョブズ)
ムダを省き、不要なものを徹底的に削ぎ落とすためには、勇気が必要です。組織は年々肥大化し、製品やサービスは、放っておくとどんどん増加していきます。ラインナップが増えるたびに業務が複雑になり、生産性が下がり、利益も落ちていきます。これを避けるためには、本当に大切なことは何かを見極め、重要なことに集中していくべきです。
私は14年前に断酒する際に、やらないことリストを作り、日々の生活での悩みを減らすようにしました。
・酒をやめる
・不健康な食事をしない
・夜更かしをしない
・二次会には参加しない
・愚痴をやめる
・TVを見ない
・服をシンプルなものにするなど
やらないことを決めることで、優先すべきタスクに時間を使えるようになりました。雑事に悩まなくなることで、目の前の重要なことに時間を使えるようになったのです。
シンプルなルールで、創造性を発揮しよう!
しかし、これだけシンプルなルールがよいと言われているにも関わらず、「シンプルなルール」はなかなか浸透していません。多くの人たちは、ルールは複雑であるべきだと考えていて、シンプルなものより複雑なルールを優先しています。
例えば、企業の就業規則が複雑になるのは、社内の信頼関係が築けていないことに起因すると著者たちは指摘します。会社に不利益をもたらすかもしれない社員を見つけだし、対策を万全にしようとするあまり、どんどんルールが増えて、多くの情報が盛り込まれます。
組織内に潜む”腐ったリンゴ”は、ほんのひと握りでしかありません。97%の社員を信頼し、彼らが行動しやすい環境を作るべきです。ネットフリックスは、多くの社員を信じることを決め、就業規則ををシンプルなもに変えました。その結果、ネットフリックスの社員は、社内のルールに惑わされず、クリエイティブなことに時間を使えるようになったのです。(ネットフリックスの参考記事)
ルールを作る際には、現場の人間が参加するとよいと言います。自らの経験を活かすことで、初めて使い勝手のよいルールが作れます。これにより、ルールが現実的になり、仕事の妨げになるような無意味なルールをなくせます。現場が加わることで専門用語に頼ることがなくなり、使う人々に響くような言葉でルールが作れます。
シンプルなルールを作ることで、実践しようというモチベーションも高まり、社員の行動が変わるのです。
「シンプルなルール」を採用することで、人は柔軟性を手に入れ、自由に動けるようになります。スティーブ・ジョブズがシンプルにこだわりアップルを成功させたことを見習いましょう。自分の目標を明確にして、ルールをシンプルなものにするのです。私たちは無駄を削ぎ落とすことで、創造性を発揮できるようになります。
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