山本康正氏の2025年を制覇する破壊的企業の書評


Logo photo created by freepik – www.freepik.com

2025年を制覇する破壊的企業
著者:山本康正
出版社:SBクリエイティブ

本書の要約

2025の世界に大きな影響力を持つGAFAMなどの世界最先端11社を分析することで、5年後の世の中の変化を予測できます。著者は① 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来 ② ハードでもソフトでもなく〝体験〟が軸になる ③ データを制するものが未来を制すという3つのメガトレンドを提示します。

世の中を変える3つのトレンド

ハード、ソフト、サービス。これら3つの領域すべてを押さえることに意味があるからです。逆の言い方をすれば、どれか一つの領域しか手がけていない企業は、GAFAのようなコングロマリット企業に飲み込まれていきます。(山本康正)

2025年の世界はどのような社会になっているのでしょうか?「元・米ニューヨーク金融機関×ハーバード大学院理学修士×元グーグル×ベンチャー投資家」という肩書きを持つ山本康正氏は、GAFAなどの強力な勢力が台頭する中で、今後、業種業態と言うくくりは意味がなくなると指摘します。

GAFAM、Netflix、テスラ、クラウドストライク、ロビンフッド、インポッシブル・フーズ、ショッピファイという2025年の世界に大きな影響力を持つ世界最先端11社を分析することで、5年後の世界がどうなるかをある程度把握できます。

アマゾンは、ハードウェア、ソフトウェアだけでなく物流など全ての領域を押さえた上で、顧客体験を高めることで、加速度的に成長しています。彼らにはもはや業態という考え方はなく、ビジョンを実現するために、様々なプロダクトやサービスを次々に開発しています。アマゾンのビジネスに領域はなく、顧客体験を高めるために、以下のようなプロダクトやサービスを開発しています。
■アマゾンエコーというハードウェア
■アレクサというソフトウェアを開発
■AWSというクラウドサービスの提供
■運送を自ら手がけ、アマゾンプライムのようなシステム
アマゾンは顧客体験を高めるというビジョンを実現するために、業種業態の壁を破壊しています。その結果、多くの企業がアマゾンとの戦いに破れ、負け組になっています。

著者は今後起こりうる3つのメガトレンドを私たちに提示します。
① 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来 
② ハードでもソフトでもなく〝体験〟が軸になる 
③ データを制するものが未来を制す

顧客体験をアップする会社が勝ち組に!

メガトレンド① 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
まず、「業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来」を見ていきます。これは、昔の日本の財閥のようにーつの企業が業種を超えた多種類の事業を営み巨大化していくという現象です。GAFAなどの巨大企業は、1つの事業で得たデータや知見を別の新しい事業にも活かし、シナジーを生み出しています。

著者が今回取り上げている11社が行っているコングロマリットは、すべての事業がデータ連携しています。多種多様な業種を手がけてはいますが、それぞれがデータという共通項で密接につながっているのです。現代のコングロマリットはソフトウェアカンパニーが主導し、ハードウェアビジネスに進出していることが特徴に挙げられます。ソフトウェアがハードウェアを主導する時代には、ハードウェアの役割が後退しています。

良質なソフトウェアさえ開発していれば、インターネット環境が整ってさえいれば、ありとあらゆる業界に参入できる時代になったのです。

最近のクラウドならびにサブスクリプションサービスの台頭によって、よりそれが加速します。クラウドが登場したことで、パソコンやスマートフォンなどのいわゆるエッジ端末は、自ら重い動作をする必要がなくなりました。ハードウェアの目的は、データをクラウドに飛ばすことに変わったため、安価なものでよくなったのです。

ソフトウェアカンパニーが今後も業種の壁を越えていき、コングロマリット化していくトレンドは、この先ますます進むでしょう。つまり特定の事業に特化し続ける企業は今回の11社に駆逐されるか、あるいは飲み込まれる可能性が高くなっています。結果として今回の11社がこれから先の未来では各主要産業で、トップクラスの実績ならびに存在感を示すと共に、コングロマリット・巨大化することで、優位性はさらに高まっていくと著者は指摘します。

メガトレンド②ハードでもソフトでもなく “体験”が軸になる
GAFAのような成長している会社が大切にしているのは、ミッション、ビジョンです。 今後は顧客体験が軸になることで、サービスの質が変わっていきます。顧客体験の履歴をデータ化し、ほどよく心地よい、まさに個人に最適化された体験を提供することで、顧客から支持されるようになります。データの活用を顧客ファーストで考え、不快にさせないことが大切です。データは蓄積されればされるほど、提供されるサービスのおもてなしレベルが上がり、顧客満足が高まります。

メガトレンド③データを制するものが未来を制す

業態がコングロマリット化していくことが未来のトレンドですから、データはどのようなものでも必要とされます。ぱっと見は役に立たなそうな、事業に直接的に影響を及ぼなそうなものでも、何でも構いません。

テクノロジーが進化し、クラウドや優秀なデータサイエンティストの登場により、データ活用の世界が激変しました。顧客体験を高めるためのデータ活用をやらない、あるいは、できない企業は、今後、生き残れなくなるはずです。

最後に2025年に必要な5つのスキルを紹介して、今日のブログを終えたいと思います。
■英語
■ファイナンス
■データサイエンス
■プログラミング
■ビジネスモデルが読めること
ビッグデータ時代の変化に適応するためには、英語やファイナンス、テクノロジーの知識だけでなく、ビジネスモデルをしっかりと読めるようにすることも重要なスキルになってきます。

あらゆる業種業態の垣根がなくなる中、巨大な自動車メーカーですら、GAFAやテスラに飲み込まれていく可能性が高いのです。本書の未来予測をただの妄想と捉えるか?リアルな現実と考え、対応を変えるかで、経営者の未来が決まります。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました