スティーブ・シュワルツマンのブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべての書評

ブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべて
著者:スティーブ・シュワルツマン
出版社:翔泳社

本書の要約

ブラックストーンを一代で世界屈指の投資ファンドにしたスティーブ・シュワルツマンは、人生にもっとも大きな見返りをもたらしてくれるのは、新しいもの、意外性があるもの、強い影響力があるものを生みだすことだと言います。逆境に陥っても、あきらめずに他社のために行動を続けるうちに、結果を出せるようになります。

ブラックストーンが成功した理由

ブラックストーンがめざましい成功をおさめている理由は企業文化にある。能力主義を信じ、卓越すること、開かれていること、誠実であることを信条としている。そしてこの信条を共有できる人材だけを精力的に雇っている。こだわっているのはリスクを管理して決して損失を出さないことだ。イノベーションと成長を信奉し、状況を先読みするためにたえず疑問をもち、必要に迫られる前に進化し変化できるようにしている。金融業界に特許は存在しない。(スティーブ・シュワルツマン)

大手プライベートエクイティ投資会社ブラックストーン・グループの会長兼CEOであるスティーブ・シュワルツマンは、1985年に師であるピーター・ピーターソンと共に事業をスタートします。あのリーマンブラザーズで一時代を築いた2人が、アントレプレナーとなり苦労しながら、ブラックストーンを成長させていく様が赤裸々に描かれています。

この半世紀のアメリカの金融業界の歴史を本書の様々な案件から学べます。ジャック・ウェルチやルービン元財務長官など登場人物との会話も再現され、大物たちが何を考え、どう行動したかがわかります。

リーマンブラザーズで大成功した2人は、アメリカだけでなく世界中にネットワークを持っていましたが、多くのクライアントは独立した2人を無視します。起業後、MIT大学基金の募集をスタートしますが、最初はアポを取ることもできず、全くお金を集められませんでした。

シュワルツマンとピーターソンの2人は、泥臭い営業を重ねるうちに、偶然を次々に引き寄せていき、ビジネスを軌道に乗せます。

わたしにとってそれぞれべつの世界だったものが、ひとつひとつが大きくなるにつれてどんどん重なりあうようになっている気がする。人の話に耳をかたむけ、関係を築き、自分になにができるか問いつづける人生をすごしてきたおかげで、こちらから探しにいかなくても、最大の課題や最良のアイデアが勝手に舞いこんでくるようになった。政治や慈善活動の分野では、 これからの世代に影響をあたえるだろう多くのすばらしいプロジェクトや機関を企画し実現するための手助けをする機会に恵まれ光栄に思っている。

逆境に直面したときにあきらめずに、顧客への提案を続けた結果ブラックストーンは、世界屈指の投資会社になり、昨年6月末時点で5,640億ドルを運用しています。誰かのために行動することで、著者のネットワークは、金融界や経済だけでなく、歴代のアメリカ大統領や中国の朱鎔基元首相にも広がり、多くの人から信頼されるようになったのです。

他者への貢献を考え、インプットを重ねよう!

知識が増えれば増えるほど、より多くの視点をもてるようになり、競合より先にパターンや異常を発見する可能性が高くなる。新しいインプットに対して常に心を開いておこう。これは人にも経験にも知識にも言える。

知識を増やすことで、様々な視点が持てるようになり、クライアントによい提案ができるようになります。価値を様々な人に提供することで、新たな出会いをデザインできます。知識や経験を重ねることを忘れずに行動を続けるうちに、結果を出せるようになります。

相手が必要としているときなにげなく親切にふるまうことで、人生の流れは変わります。他者に貢献することで、予期しない友情や絆を生みだします。 人生にもっとも大きな見返りをもたらしてくれるのは、新しいもの、意外性があるもの、強い影響力があるものを生みだすことだと著者は言います。

著者は従業員や取引先からの些細な情報を見逃さず、いくつものチャンスをものにします。ネガティブな情報にも敏感で、リーマンショックも事前に察知し、ポジションを解消します。

自分の行動指針に完全に合致することでなくても、新しい経験には常に心を開いておくことで、面白いことが引き寄せられるようになります。著者はケネディ・センターの会長を引き受けたおかげで、ワシントンについての学びを深め、コメディ、演劇、音楽、映画、テレビ、オペラ、ダンスなど、エンターテインメント業界のほぼすべての分野で、あらたにおもしろい関係を築けました。ティナ・ターナーやビヨンセとのライブも実現します。

本書の巻末ににスティーブ・シュワルツマンの「仕事や人生に役立つ25のルール」が紹介されていますが、これを実践することで、人生を面白くできそうです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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