聴く能力を養うことで、私たちが得られるもの


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LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
著者:ケイト・マーフィ
出版社:日経BP

本書の要約

 「よい聞き手」とは、話し手と同じ感情になって聞ける人です。「聴くこと」の核心は、「何が重要か」を探り当てることです。「この人はなぜこの話を私に聞かせているのだろう?」と常に自問しながら聞くことで、相手との距離が近づきます。

よい聞き手になるためには、相手と同じ感情になるべき!

 「よい聞き手」とは、話し手と同じ感情になって聞ける人。(ケイト・マーフィ)

ジャーナリストのケイト・マーフィLISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる書評を続けます。著者は聴く能力を強化することで、良好な人間関係を構築でき、人生の可能性を広げられると指摘します。

ミシシッピ大学のグレアム・ボディ教授が行った研究では、聞き手がうなずいたり、オウム返ししたり、別の言葉に言いかえたりするよりも、意味づけと解釈を伝えた方が話し手は理解してもらえたと感じることがわかりました。「聴くこと」には、解釈する力と、話し手・聞き手の相互の働きかけが必要であることをボディの研究は明らかにしました。 思いやりに満ちた反応こそが、優れた聞き手の条件なのです。

しかし、良い聞き手になることは難しく、ボディらのデータでは、聞き手の反応が話し手の感情と合致しているケースは5パーセント以下でしかありません。

「聴くこと」の核心は、「何が重要か」を探り当てることです。「この人はなぜこの話を私に聞かせているのだろう?」と常に自問しながら聞くことで、相手との距離が近づきます。 話し手は、必ずしも自分で答えをわかっていないことがあります。優れた聞き手は、それを承知の上で質問を投げかけ、もう少し詳しく話すよう働きかけることで、話し手が答えを自分で気づくように手助けします。

心理学者のカール・ロジャーズは、アクティブ・リスニングとは、どうふるまうかよりも「受け入れるモードでいる」ことだと述べています。 会話とはキャッチボールのようなもので、相手の話を聞かなかったり中途半端な聞き方をしたりしていると、ボールがきていることに気づけません。

優れた聞き手なら、声色や非言語的なヒントに気づき、深めたうえで、もっと繊細かつ具体的に反応できます。 ひとつふたつ問いかけをして理解を深めます。

「事実」の奥には、必ず感情がある

人は感情に支配されており、冷静な論理よりも、嫉妬やプライド、恥、欲、恐れ、虚栄心に突き動かされて行動する方が多いということを覚えておくと、世の中は理解しやすくなるでしょう。私たちが行動したり反応したりするのは、何かを感じるからです。これを考慮せずに、うわべだけしか聞かないとか、まったく聞かないのは、生き方として少し損をしているかもしれません。

「聴くこと」は、人の考え方や動機を理解するのに役立ちます。それは、互いに助け合う有意義な人間関係づくりにも、避けるべき人間関係の判断にも絶対に欠かすことはできません。

自分の考えから心を解放して、相手の話に耳を傾けた方が、もっとよい反応ができるようになり、相手とのつながりは強くなり、気持ちが落ち着きます。また、よりたくさんの情報が得られるようになるため、会話がもっとおもしろくなります。結果、相手との関係が良好になります。

誰かと初めて話すとき、相手の最初の言葉や非言語で発せられるものにきちんと耳を傾けられるよう知的資源を集中させれば、会話は非常におもしろく感じられるようになります。さらに、その人が何に不安を抱くのか、何に価値を感じるのかを知る手がかりもすぐに得られます。相手の名前を記憶にとどめる可能性も高くなるでしょう。

「聴く」体験を深めることで、私たちは今という瞬間に没頭できるだけでなく、経験が自分の中に積み重なっていき、私たちの人柄をよりよくしてくれます。先程の心理学者力ール・ロジャーズは、「人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けることだ」と述べています。 

「認知的複雑性」を持っている人は、不安を感じることなく人の話を聞き、あらゆる意見に耳を傾けることができます。認知的複雑性が高い人ほど、情報を蓄え、思い出し、整理し、生み出すのが得意で、そのために何かを結びつけたり、新しいアイデアを思いついたりする器用さがあります。また認知的複雑性のおかげで、より的確な判断や妥当な決断を下せます。

聴くことは経営の強化にもつながります。スティーブ・ジョブズは、社員のアイデアを残忍なほどに押し返していましたが、そに負けずにジョブズのアイテアを押し返してくるような人を採用していたそうです。ジョブズにもっともよく抵抗したアップル社員には、毎年賞が贈られたほどでした。ジョブズはまるで、彼の痛いところをつき、無理やり話を聞かせてくる、そんな社員を探していたかのようでした。

Appleの元最高デザイン責任者ジョニー・アイブは、「無口な人たちの声が聞かれるようにすること」を重視しました。ジョブズとアイブの聞く姿勢は全く異なりましたが、ふたりともその重要性を理解し、Appleを強い会社にすることに成功します。

「聴くこと」は、創意工夫の原動力です。 耳を傾けるとは、誰かに同意するという意味でもなければ、同意を遠回しに要求することですらありません。単に、相手の考え方にはそれなりの理由があり、そこから学べるものがあるかもしれないという可能性を受け入れることです。さらに、真実が複数あるかもしれないこと、そしてそのすべてを理解すればもっと大きな真実へと導かれるかもしれないことを受け入れることでもあります。

優れた聞き手は、理解が決して「理解したか、していないか」という単純なものではないとわかっています。聴く能力を養うことで、相手を理解することができ、コミュニケーションをもっと深められます。相手から様々な情報を引き出すことで、よいアイデアが生まれるようになり、自分の可能性を広げてくれます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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