Googleの強いチームは、どんなコミュニケーションを行っていたのか?


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LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
著者:ケイト・マーフィ
出版社:日経BP

本書の要約

Googleのもっとも生産性のあるチームは、メンバーの発言量がだいたい同じくらいだということが明らかになりました。「会話での平等な話者交代」によって、組織のパフォーマンスがアップするのです。能力の高いチームは「社会的感受性の平均値」が高く、仲間の話を傾聴していたのです。

Googleの強いチームは、どんなコミュニケーションを行っていたのか?

もっとも生産性のあるチームは、メンバーの発言量がだいたい同じくらいだということでした。 (ケイト・マーフィ)

ジャーナリストのケイト・マーフィLISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる書評を続けます。著者は聴く能力を強化することで、良好な人間関係を構築でき、人生の可能性を広げられると指摘します。

統計学者、組織心理学者、社会学者、エンジニアからなる、「プロジェクト・アリストテレス」と名づけられたチームが、グーグルの180チームを分析しました。チーム構成員の人柄、バックグラウンド、趣味、生活習慣を細かく見ましたが、チームがうまくいくか否かを予測できるパターンは何も見つかりませんでした。

3年間データ収集をした結果、もっとも生産性のあるチームは、メンバーの発言量がだいたい同じくらいだということが明らかになりました。「会話での平等な話者交代」によって、組織のパフォーマンスがアップするのです。能力の高いチームは「社会的感受性の平均値」が高く、仲間の話を傾聴していたのです。

声のトーンや顔の表情など非言語的な手かがりを活用して、お互いの感情を直感的に読みとる能力に長けていました。 「心理的安全性」は、相手の話を聴くことから始まるのです。

グーグルの調査で明らかになったのは、成功するチームではメンバーの話をお互いに「聴きあって」いたということです。メンバーは交代で発言し、お互いの話を最後まで聞き、言葉にされていない考えや感情を理解するために、非言語の手がかりに注意を払っていたのです。

生産性の高いチームの人たちには、思いやりがあり、その状況に合った反応をしていました。さらに「心理的安全性」と呼ばれる、言葉をさえぎられたり意見を一蹴されたりする心配をせずに、情報やアイデアを交換しやすい雰囲気をつくっていました。恐れのない組織がGoogleの可能性を広げてていたのです。

傾聴研究のスペシャリストのラルフ・ニコルスも、成功するチームではお互いに話をよく聴きあっていたと指摘していました。解決する課題が複雑になっていることで、私たちの仕事の内容も以前とは変わってきました。テクノロジーが進化することで、主に分析的思考や数学的思考(そこからアルゴリズムがつくれるもの)が必要となる仕事は、AIなどに置き換えられています。

最近では、高いレベルでの人間関係を築く力が求められています。最初から最後までひとりが製造する製品や提供するサービスは、現在の企業ではほとんどなくなり、多くの社員はチームで業務を遂行しています。そのため現代のビジネスパーソンは、一日のうち約8割の時間をほかの社員とのコミュニケーションに費やしていると言います。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表されたある研究によると、過去20年の問に「管理職と社員が一緒に働く時間は、50パーセント以上増加した」と言います。企業を成長させたければ、よいコミュニケーションを心がける必要があるのです。

即興コメディがコミュニケーション能力を高めてくれる?

働き方の変化によって、聴くことの重要性が企業でも注目されるようになっています。即興劇が上手な人は、聴くことが上手だと言います。グーグルやシスコ、アメリカン・エキスプレス、フォード、プロクター・アンド・ギャンブル、デロイト、デュポンなど多くの大企業が聴く力を養うために、「即興コメディ」を社内研修に取り入れています。

コメディ作家を輩出した劇団の「セカンド・シティ」の芸術監督マット・ホヴディは、聴くことは即興コメディーに欠かせないスキルだと考えています。

私たちは、舞台上で起きていることへの感度がとても高くなるように稽古を積みます。そのシーンを演じているパートナーが何を言っており、そこにはどんな意味が込められているのかに耳を傾けます。こうした細かいことを聞き逃してしまうと、あまり筋が通らないシーンになり、観客にとってはそれほどわくわくもしなければ、おもしろくないものになってしまうのです。マット・ホヴディ

即興では、シーンを共に演じているパートナーを大切にし、パートナーを引き立てることに集中します。この能力はパートナーの話を聴くことによって鍛えれます。

ベテラン即興パフォーマーのステファニー・アンダーソンは「声をそろえる」と「ミラーリング」というふたつの聞くワークを行っています。前者は、ふたり組になり、まるでひとつの存在であるかのように相手と声を合わせて話すというものです。

ミラーリングは、「声をそろえる」ことに加え、顔の表情や体の動きまで合わせていきます。どちらのワークでも、リード役を相手と交代するときは、目で合図するしかありません。アイコンタクトにより、お互いが相手に意識を集中させること、つまり、心も身体もぴったり合うよう注意深く相手に耳を傾けることができるようになります。

アンダーソンは即興を学ぶうちに、仕事でストレスが溜まる原因のひとつは、人の話を聞く際に、能動的ではなく受動的だったからだと気づきました。 即興コメディを、そして実際の人生という即興をうまくこなせるようになるには、人の話に耳を傾けることがとても大切です。話の流れをコントロールしたり、自分に注目を集めようとしたりでは、一方的な会話になってしまい、他の人との共同作業を台なしにしてしまいます。自分の思い通りに進めるどころか、前進すらできなくなってしまうのです。

『ニューヨーカー』誌の元風刺漫画編集者であり、現在は男性誌『エスクァイア』で漫画・ユーモア編集者を務めるボブ・マンコフは、「デートとは、笑い合えるくらいまで相手をよく知るためのしきたりです」と述べています。お互いがユーモアを使って話せる関係になるためには、じっくり「聴く」という投資が必要になります。

相手の言葉におもしろいひねりを加えて返したり、言ってはいけない一線はどこかを理解したりするには、相手の話をそれなりの時間、よく聴いておく必要があります。ボブ・マンコフ

相手とつながっているという感覚をいちばん実感できるのが、ユーモアをわかち合うことなのです。おもしろさとは、正直さ、親密さ、親しさから生まれる副産物で、ユーモアをわかち合うことで、人は他者とつながれるようになります。

相手との理解を深めるためには、「聴く」ことが欠かせません。 親密な関係、既成概念を乗り越える思考、チームワーク、ユーモアはすべて、自分が話をコントロールしたいという思いから解放され、その話がどこに向かうとしても、チームのメンバーと共に歩む忍耐と自信のある人のところにやってきます。聴く能力を高めることが、組織を強くしてくれますが、成長している企業は聴く力の重要性を理解してます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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