古代ユダヤ賢人の言葉(石井希尚)の書評

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古代ユダヤ賢人の言葉
石井希尚
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

悪い情報に触れる頻度が増えれば、自分をダメにする確率を高めてしまいます。逆によい情報に触れる時間を増やせば、自分をより成長させられます。未来の自分のために、お金と時間を何に使うのかを決めることが、とても大事なことなのです。よりよい選択のために、知恵を身につけるべきです。

国家と言葉を現代に復活させたユダヤ人とは?

国を待たない流浪の民が、1900年間の長きにわたって、言語を保持し、民族のアイデンティティーを維持し続けたのは驚くべきことだ。 ユダヤ人とは、正に奇跡の民族である。(石井希尚)

現代の政治・経済・IT・バイオなど様々な影響を与えるユダヤ人は、不幸な歴史を歩んできました。彼らは紀元70年に国を失った後、流浪の民として世界中に離散したにもかかわらず、1948年、自分たちの祖国イスラエルを、同じ場所に再興させたのです。 一度滅んだ国を復興させたのは唯一ユダヤ人だけで、 彼らは古代に話していた同じ言語を復活させることにも成功します。

ユダヤ人は古代のヘブライ語を1900年の長きに渡り保持し続け、それを元に、古代にはなかったさまざまな単語の発音を定め、基本的に、古代人が話していたのとほぼ同じ言葉を話しています。

そんな彼らの原動力、国を失っても失せることがなかった民族意識と団結心、そして現代社会に与える影響力、これらの源泉は、彼らが共有してきた独特の信仰と思想にある。その信仰とは、ヤーウェと呼ばれる「天地万物の創造主」なる唯一の神を信じる信仰であり、思想とは、他でもない聖書のことである。

聖書というと、多くの日本人は、キリスト教の教典だと考えますが、ユダヤ教の旧約聖書は、キリスト教徒のみならず、そしてイスラム教徒までもが認める聖典なのです。そのユダヤ教の教えをアップデートしたのがイエス・キリストで、それを広めたのが有名な聖人パウロだったのです。

本書はユダヤの歴史を変えたイスラエルの2代目の王のダビデ王、彼の子供のソロモン王、パウロの言葉から構成されています。どの言葉も2000年以上前に書かれた古いものですが、私たち現代人もここから多くのことを学べます。時代が変わっても、人間の本質は変わらず、人の悩みは古代人と同じであることがわかります。

古代ユダヤ人の箴言から学べること

自分の生きる態度によくよく注意し、賢く生きているかどうか常に吟味しなさい。道徳の低下が著しい昨今、誘惑をはねのけ、正しく生きるのが難しい時代だ。意識せず普通に生活していれば、耳に入ってくる情報、目にすることに影響され、知らず知らずのうちに悪に染まってしまつのは簡単なことだ。だから、愚かにならず、あらゆる機会を十分に生かして、ただ欲に生きるのとは違う生き方を示しなさい。(エペソ人への手紙5章)

古代人より遥かに多くの誘惑がある現代人は、正しく生きるために、情報の選択に注意を払う必要があります。情報が大爆発する時代に、SNSやWEBにはネガティブ情報が氾濫しています。そういった情報からは距離を置き、悪影響を受けないようにすべきです。

悪い情報に触れる頻度が増えれば、自分をダメにする確率を高めてしまいます。逆によい情報に触れる時間を増やせば、自分をより成長させられます。未来の自分のために、お金と時間を何に使うのかを決めることが、とても大事なことなのです。

人生を台無しにするような致命的な過ちから身をさけ、どんなときも安定した歩みを望むなら、心の命じるままに生きてはいけない。そうではなくて知恵を身につけろ。分別をわきまえた者となるために学び、よりよい人生のための賢い選択とは何かを理解している者となるのだ。 人生には心の命じることをやるべきでないとき、逆のことをしたほうがよいときがある。 賢い選択ができるものは、心によらず、知恵によって生きるものなのだ。(箴言28章)

人生には様々な選択肢があることを周りの人や書籍が教えてくれます。より多くの経験を積むことで、新たな出会いがデザインできます。自分の知らない知識を教えてくれる人との時間を大切にしましょう。閉じた世界に籠るのではなく、新しいチャレンジを続けたり、多様な書籍に触れることが、自分の選択肢を増やしてくれるのです。

良書に出会うことで、自分の心の状態をよくできます。今年の正月には、普段読まない歴史小説や宗教系の本を読んだことで、パワーを得ることができました。いつも忙しくするのではなく、余裕のある時間を持つことで、新たな書籍と出会えたり、過去に読んだ良書と再会できます。

実際には、やるべきことと、やるべきではないこととがある。 それをすると自分の心に悪影響が及び、心の状態が健全ではなくなってしまうという類いのことは、やらないほうがいいのだ。(箴言16章)

自分の心に悪影響を及ぼすことがわかれば、それに時間を使わないことです。何かをする際に、よい選択をできるよう、よい知識と経験を積み上げていきましょう。正しい選択ができるよう、他者からのアドバイスを真摯に受け入れるだけでなく、それに感謝の気持ちを持つことで、人生をよりよくできるのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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