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なぜか好かれる人がやっている100の習慣
藤本梨恵子
明日香出版社
本書の要約
相手との共通点を探す「ペーシング」を行うことで、人間関係をよりよくできます。人間関係を制する人は無意識を意識しています。相手が話した言葉をマネするだけでなく、無意識的な部分、呼吸や相手の仕草、話すスピードなど言葉以外の部分も合わせていくことが信頼関係を築いていく上で重要になります。
よい人間関係を築くための「ぺーシング」とは何か?
「人」に悩まされることも多い人生でしたが、どん底の自分を救ったのもやはり「人」だったのです。(藤本梨恵子)
アメリカ労働科学研究所の調査では、仕事の生産性を上げる要因の第一位が「人間関係の改善」であると公表されています。人とのつながりを強めれば、幸福度がアップすることも様々な調査からわかっています。
では、どうすれば、よりよい人間関係を築けるのでしょうか?著者の藤本梨恵子氏は、人間関係につまずくことがあったら、人の心理について学び、実践する機会がなかっただけだと述べています。著者は人間関係で苦労したからこそ、人付き合いのプロになれたと言います。
人は無意識に自分に似た人から安心感や信頼感を得ています。自分に似た人に共感し、その人とよりよい関係を作ろうとします(類似性の法則)。私たちは服装、表情、行動、価値観など自分と似た人に、安心感や信頼感を抱きます。
私たちの祖先は、自分が見たこともない動物と出くわすと襲われて、死んでしまうリスクを抱えていました。さらに違う部族と出会うと戦になり、身の危険を感じることもあったのです。
自分に似ていない人は危険、似ている人は安全と感じるのは本能的な感覚なのです。相手と信頼関係を築こうとしたら「私とあなたは、似ていますよ」と感じさせることが不可欠です。短時間で相手に安心感や信頼感を与えたいなら、初対面の相手でも共通点を探すことや、相手に合わせていくことが大切です。
心理学では相手の共通点を探すことを「ぺーシング(同調効果)」と言います。これは「ラポール(信頼関係)」を築く上での基本スキルになっています。呼吸や仕草、話すスピードなどを相手に合わすことで、無意識的な部分で深い信頼関係を構築できるようになります。相手から好かれる人は自然にぺーシングをしています。しかし、嫌われる人は悪気なく、ディスペーシング(反同調行動)になりがちです。
ペーシングでは無意識の力を活用しよう!
人間関係を制する人は無意識を制する人なのです。意識は言葉であり、思考です。つまり、相手が話した言葉を自分がマネするのも大切ですが、無意識的な部分、呼吸や相手の仕草、話すスピードなど言葉以外の部分も合わせていくことが信頼関係を築いていく上で重要です。
人は意識する時間と無意識の時間過ごしていますが、意識と無意識の割合は1対9程度になっていて、無意識の時間が人間関係にも影響を及ぼしています。
例えば、カフェに入って、どのカップルが仲が良いかはすぐにわかります。仲の良いカップルはコーヒーを飲むタイミングは同じか、彼氏が飲んだ直後に彼女が飲みはじめたりします。良いカップルは、このようにナチュラルペーシングができているのです。
卓越したコミュニケーション能力のある人は、好き嫌いに限らず、無意識の性質を理解して意図してぺーシングを使っています。だから多くの人に好かれるのです。嫌われる人は無意識の影響力に気づかずに、ディスペーシングしてしまうのです。
つまり無意識を制する人は人間関係で成功し、無意識に振り回される人は失敗に終わるのです。 信頼関係を構築するためにはぺーシングが必要です。
ただ、100%同じぺーシング(金太郎飴ぺーシング)では、相手に悟られてしまい、効果が薄れてしまいます。相手の仕草を60~70%程度マネるのが自然なぺーシング(コンペイトウペーシング)になります。コンペイトウは同じように見えて、実は1粒ずつ微妙に形が違います。相手の行動を意識した微妙な違いがあるコンペイトウペーシングが自然で安心感を生みます。
相手から好かれるために、自然なぺーシングを意識しましょう。ディスペーシングな行動をなくし、相手との同調行動を増やすことで、よりよい人間関係を築けるようになります。
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