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ライフハック大全 プリンシプルズ
堀正岳
KADOKAWA
本書の要約
ある人為的とされる悪い出来事があった際に、その行いをした当人は悪意を持っていない可能性があります（ハンロンの剃刀）。このハンロンの剃刀を上手に使うことで、メンタルに深いダメージを負わずに、ポジティブに行動できるようになります。
メンタルハックで、自分の状態をよくしよう！
メンタルハックを使って心理的な問題や悩みに能動的に対処できること自体が、負担を楽にする効果は無視できません。（堀正岳）
ライフハック大全 プリンシプルズ（堀正岳著）の書評を続けます。世の中には様々なメンタルハックが溢れていますが、何が自分に合っているかはわかりません。いくつかのメソッドを試して、効果のあることを知ることで、日常のストレスを減らせます。
不快なことは、実は重要な問題や責任に取り組んでいる時に生まれます。不快な部分に取り組むからこそ成長できるのですから、重要なタスクは先延ばしをやめ、小さな一歩を踏み出しましょう。
不快は緊張にともなう自然な反応だと考え、過剰に反応する必要はないと構えるのは有効な「気休め」の一つだと著者は指摘します。私たちは人とのコミュニケーションですれ違いを感じ、ストレスを溜め込むことがあります。価値観が多様化しているいま、自分の意見と合わない考え方に触れる機会も多くなってきました。意見が異なった際に、感情的になると人間関係を破壊することもありますから、自分の思考と行動に注意を払いましょう。
会議で他者の意見が採用された際に、攻撃的な振る舞いに出る人がいますが、マインドセットを変えるだけで、冷静さを保てます。そんな時には、自分の意見にNGが出されただけで、自分自身が否定さたわけではないと考えることで、感情をコントロールできます。
意見が違うのは、どちらかが100％正しく、他方が100％間違っている闘争ではないので、正しさに固執するとかえって間違いをおかすことになってしまいます。
意見が異なるのは当たり前だと捉え、冷静でいることを選択すれば、無駄なストレスを溜め込みずにすみます。
攻撃されていると感じたら、数字を数えたり、深呼吸をし、自分をコントロールするようにしましょう。私は会話が激しさを増すと、大きく深呼吸をし、数秒間合いをとることで、怒りを抑えるようにしています。
ハンロンの剃刀を取り入れよう！
愚かさで十分説明されることに悪意を見出すな。（ロバート・J・ハンロン）
たとえば、きつい文面のメールが届い時に、自分を責めるのではなく、「ハンロンの剃刀」という言葉を思い出すと冷静さを保てます。ある人為的とされる悪い出来事があった際に、その行いをした当人は悪意を持っていない可能性があります。このハンロンの剃刀という考え方は、人間の不完全性に由来することを悪意と受け取って悪意で返すことは避けようという行動指針です。
私たちは「どうしてこの人は私に厳しくあたっているのだろう」と反射的に考えがちですが、相手は別のことで忙しかったり、イライラしているのかもしれません。相手は時間がなくてメールの表現が雑になっているだけかもしれないのです。
オンラインミーティングによって、意志の疎通が難しくなる場面も増えていますが、コミュニケーションがうまくいかなくとも、あまり気にしないようにしましょう。必要以上に自分を責めるのではなく、自分のスキルを高めるために時間を使うべきです。
上司が厳しい言葉を発する人なら、厳しい言動の部分とメッセージの内容を分離して、後者にだけ対応すればよいのです。仕事をうまく進めるためには、相手の状態や特徴を把握して、対策を練ることでストレスを軽減できます。
私の若い頃の上司は昼過ぎまでは不機嫌なことが多く、午前中に重要な相談をするとあまりよい返事をもらえませでした。私は自分の能力を疑い、落ち込みましたが、彼はただ単に二日酔いだったことがわかりました。それ以来、重要な相談は午後にすることで、仕事がうまく回るようになりました。
ハンロンの剃刀を上手に使うことで、メンタルに深いダメージを負わずに行動できるようになります。相手から厳しい反応をされた際に、悪意がないかもしれないと考えられれば、無駄に悩む必要が無くなります。
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