成功の連鎖(マーク・W・シェイファー)の書評

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成功の連鎖
マーク・W・シェイファー
ダイレクト出版

本書の要約

累積的優位性を積み重ねることで、成功確率を高められます。アイデアに従って小さな一歩を踏み出すことで、累積的優位性につながる最初のはずみをつけられます。新しい人々との交流を通じて、自分の知識と体験を他者のそれと掛け合わせることで、アイデアを強化できるようになります。

累積的優位性とは何か?

個人あるいは集団の他に対する優位性は、時とともに大きくなり、したがってこの優位性の不均衡も大きくなっていくというものが最も一般的だ。累積的優位性によって、小さな違いが時とともに拡大し、後れをとっている者は追いつくことが困難になるのである。(マーク・W・シェイファー)

「累積的優位性の原理」をご存知でしょうか?ある人が一度その分野で他者に対して小さな優位性を獲得すると、その優位性は時とともに増大し、次第により大きな優位性になっていくというのが、累積的優位性の原理になります。優位性がさらに優位性を生み出すことは、マタイによる福音書でも紹介されています。累積的優位性が積み重なることで、「金持ちはより金持ちになり、貧乏人はより貧乏になる」のです。

自分の優位性が見つからなくとも大丈です。本書のノウハウを実践することで、成功する確率を高められます。先人の成功事例から学び、小さなアイデアを大きな成功に変える方法を理解することで、人生をよりよくできます。

累積的優位性は、研究でも明らかになっています。
・スタートの時点で優位性を持つ者は、より出世できる職業、財産、社会的地位、教育機会そして健康さえも手に入れることがわかっています。
・マタイ効果は、アカデミー賞受賞者にも関係がある。(受賞がきっかけになり、より大きな果実が手に入ります)
・4つのスポーツリーグの2万人の選手を対象とした調査では、子供のころに良い指導を受けたという優位性を持つ選手は、より長く活躍し、プロとしてより多くの収入を得ています。

著者のマーク・W・シェイファーは、事業に大きな影響を与える要素を5つ紹介しています。
■他人からの助力
■アイデアの独自性
■計画の実行
■周知・広報活動
■チャンス・タイミング

累積的優位性を手に入れるためには、5つの要素を意識し、以下のステップを踏んで行きます。
1、何が最初の優位性になるかを見極める。
2、タイミングの良いチャンスのすき間を見つける。
3、拡散の「ソニックブーム」を通じて、自分のプロジェクトが注目を集めるような状況を作り出す。
4、影響力のある仲間を求めて外または上に向かって手を伸ばすことで、よりレベルの高い軌道へのアクセスを手に入れる。
5、揺るぎない目標と計画の実行を通して勢いを強化させる。

社会的証明を受ける方法

積極的に洞察に従って行動できる6つの方法
①あなたの過去と現在を結びつける
自分らしい洞察によって、新しいアイデアが生まれます。過去の知識や体験を現在の状況に応用しましょう。

②人々を結びつける
人との会話の中からアイデアが生まれます。いつもとは異なる人との出会いをデザインし、彼らとブレストする機会を増やしましょう。

③物事が行われている現場へ行こう
デスクの前にいるだけでは、新しいアイデアは生まれません。現場に行って、アイデアのネタを探しましょう。

④犬は吠えているか?

あなたの生活や事業のなかに何か納得いかないことがあるときは、深く掘り下げてみてほしい。そこには発見されるのを待っているひらめきがある。

⑤危機の中にチャンスを見出す
物事が沈滞したり悪化したりするときは、いつも新しいアイデアが生まれる絶好のチャンスなのです。

⑥新しいものに出会える環境を作る
狭いネットワークに閉じこもるのをやめ、新たな出会いをデザインしましょう。

本当に自分のやるべきことを見つけたければ、以下の4つのことを書き出しましょう。
・あなたとの得意なこと
・世の中が必要としていること
・あなたが対価をもらえること
・そして、もちろんあなたが好きなこと
の4つの特性が全て重なり合った真ん中の部分があなたの生きがい、目標が存在するところなのです。

アイデアに従って小さな一歩を踏み出すことで、累積的優位性につながる最初のはずみをつけられます。新しい人々との交流を通じて、自分の知識と体験を他者のそれと掛け合わせることで、アイデアを強化できるようになります。異なる点と点を結びつけることで、自分らしいプロジェクトが生まれます。

自分のやるべきことが見つかったら、プロジェクトの拡散をはかります。

止められない勢いをつけるには、自分のアイデアを広く認知してもらう必要がある。具体的に言うと、「ソニックブーム」が必要なのだ。

影響力のあるインフルエンサーたちが情報をシェアすることで、メディア連鎖の法則が起こり、多くの人々がそのプロジェクトを認知し、やがては応援してくれるようになります。

私も出版をしたときに多くのインフルエンサーやメディアに紹介され、雑誌やWEBメディアでの連載を手に入れることができました。広告会社のコンサルだったサラリーマンの私が、メディアの力(社会的証明)によって、別人になれたのです。ここから私の働き方が変わり、社外取締役やアドバイザーとして独立できたのです。

あとは自分の価値をひたすら磨き、役立つ情報の発信を続けましょう。他者への貢献によって、ネットワークが強化され、チャンスとサポートが得られるようになります。自分のブランドと価値を明らかにすることで、人への紹介が加速します。

自分自身で累積的優位性を構築するためには、自分のネットワークの外に出ることが欠かせません。自分より優秀な人が集まるコミュニティに参加することで、自分を成長させられるだけでなく、類まれな応援が受けられるようになるのです。私も多くのメンターを持つことで、さまざまな支援を受けられました。多くの人のおかげで、今の自分があることを本書で再認識しました。この場を借りて、皆さんに感謝の言葉を伝えたいと思います。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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