ロバート・フェルドマンの盾と矛 2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識の書評


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盾と矛 2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識
著者:ロバート・フェルドマン
出版社:幻冬社

本書の要約

人生100年時代になると、公的年金額は減り、就労年数はさらに延びます。常に学び直す習慣を身につけないと、サバイバルできない世界になるのです。 「学び直し」をすれば、人生の選択肢が増えるだけではなく、状況が悪い方向に転換する時でもそこから「脱出」ができるようになります。

なぜ、今、リカレント教育が必要なのか?

人生100年時代になると、公的年金額は減り、就労年数はさらに延びます。常に学び直す習慣を身につけないと、サバイバルできない世界になるのです。 (ロバート・フェルドマン)

エコノミストで東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻(MOT)教授のロバート・フェルドマン氏は学び直しの重要性を指摘します。

人生100年時代を迎え、私たちが学生の時に学んだ知識や会社で身につけたスキルは、あっという間に古くってしまいます。ITやAIなどのテクノロジーが進歩し、働く環境も日々変化しています。そんな中で、自分の価値や能力を高めなければ、サバイバルできなくなります。

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、2030年までに日本だけでも1600万人が職を失う一方、技術進歩など環境の変化に対応できる1000万~1100万人は新しく生まれる職に就くニーズがあると予測しています。

近未来に自分の会社や仕事がなくなる可能性があある中で、必要な知識やスキルを身につけておけば、新たな職業に就ける可能性が高まります。 事業・雇用環境の変化に対応するためには、必要な知識やスキルのアップデートが不可欠になっています。

著者は、学び直しは万物流転の「盾」でもあり「矛」でもあると指摘します。自分を守る盾がなければ、弱点を晒し、降格・左遷、悪くすれば失職してしまうかもしれません。ライバルなどからの攻撃に耐える十分な強度を持ち、弱みを克服する盾を準備しておく必要があります。

「矛」は、「勝ち残りに必要な知識・スキル」です。技術革新は自分のビジネスを守る盾であり、競争相手の市場シェアを奪う矛にもなります。ITやAIの知識を手に入れ、それをビジネスに活用できるようにしていくことで、自分の競争優位性を高められるのです。

学び直しによって、これまで自分が会ってきた人たちとは異なるタイプの人に出会えるようになります。7年前にサラリーマンをやめ、独立することで私のネットワークは様変わりしました。社外取締役になることで、解決しなければならない課題が大きくなり、そのためには膨大なインプットが欠かせなくなりました。サラリーマンの時とは異なり、私は新たな学びを習慣にしなければ、サバイブできなくなっていたのです。

自己実現に向けて前向きに生きるための4S

ITやAIが私たちの働き方を変えています。第4次産業革命が進行する中、日本的雇用も変わらざるを得ません。人生100年時代には、何度も働き方を変えていく必要があります。仕事のアウトプットを変えたければ、インプットも変えなければなりません。異なる分野のインプットを増やすことで、時代の変化に適応できるようになります。

自身を取り巻く環境の変化をいち早く「感知」(Sense)し、必要な「学び直し」(Study)を行い、努力(Strive)することで、到達(Succeed)、すなわち、自己実現につながると考えられます。

人生100年時代に自分の価値を提供し続けるためには、筆者が指摘する自己実現の4Sを取り入れと良いでしょう。
■感知(Sense)
■学び直し(Study
■努力(Strive
■到達(Succeed)

リカレント教育(学び直し)には、いくつもの選択肢があります。独学、読者会や勉強会への参加、海外でのMBAの取得など、その方法はさまざまです。筆者のロバート・フェルドマン氏は東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻(MOT)の教授なので、ここでの学び直しをレコメンドしています。

私はアルコール依存症から立ち直り、大量読書と大量アウトプットによって、本を出版することができました。そこから会う人の幅が広がり、会社経営者、コンサルタント、士業などの多様なネットワークを手に入れることができました。プロフェッショナルな人たちから、ダイレクトに学ぶ機会を得ることで、学びの質を高めることができました。サラリーマンをやめ、企業の社外取締役やアドバイザーになれたのも、このネットワークのおかげだと感謝しています。

学び直しをするためには、環境を変えることが一番です。自分が目指したいプロフェッショナルな人たちとの関係を構築することです。今年の6月から私は情報経営イノベーション専門職大学【iU】の客員教授を拝命しましたが、これが新たな可能性を広げてくれました。定期的に大学の教授や学生と情報交換することで、多くの刺激を受けられるようになったのです。

コンフォートゾーンを飛び出し、環境を自ら変え得ることで、私は学び直しの機会をつくることができました。ビジネス書を読む→ブログに毎朝アウトプットする→著者・社外取締役・アドバイザーになる→大学の客員教授になると言うステップを踏むことができました。

今までのキャリアアップの常識を捨て、やりたいことをやるうちに、新たな知識を身につけられるようになります。結果、自分の価値が高まり、新しい仕事が見つかるようになります。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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