定年後のお金の不安を解消するならこの1冊!定年ひとり起業 マネー編(大杉潤)の書評

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定年後のお金の不安を解消するならこの1冊!定年ひとり起業 マネー編
大杉潤
自由国民社

本書の要約

老後を明るくしたければ、年金に頼るのではなく、自分のスキルを磨き、他者に貢献することに時間を使いましょう。結果、収入をアップでき、老後のマネー問題を解決できます。その際、人を採用せずに、オフィスも開かず、ひとりで起業することが重要です。固定費をかけずにリスクを抑える起業を選択肢の一つにしましょう。

ひとり起業を目指すためなら、自分をオンリーワンの存在にしよう!

経済的な独立を果たして早期リタイアするFIRE(Financial Independence, Retire Early)が若い人たちの憧れになっているそうですが、私は早期リタイアが必ずしも幸せではないのではと感じています。理想的なのは、経済的独立を果たしながら、いやな仕事は一切せず、好きな仕事で生涯現役、生涯貢献をしていく人生なのではないか。(大杉潤)

若い世代の間でFIRE(早期リタイア)が憧れになっていると言います。私の周りにはベンチャーで成功し、一旦FIREした成功者が何人もいますが、彼らは自分のパーパスを見つけ、再度起業しています。経済的に成功した彼らは、世の中に貢献する道を選んでいます。

私は今年59歳になりますが、普通のサラリーマンであれば、定年や老後のマネー問題について悩んでいたはずです。著者の大杉潤氏と同じように私は40代で自分の人生の後半戦のライフプランを描き、「ひとり起業」を目指すことで、私はその不安を解消しました。夢リストを書き出し、その中から著者になることを選択し、書籍の出版に成功します。その後、執筆や講演などの復業を行いながら、独立の道を探しました。

本書にも紹介されていますが、私は「藤原和博メソッド」を活用し、自分のパーソナルブランディングを行いました。
■情報編集力を磨く
■自分のブランドを希少性から整理する
■100万分の1の存在になる(1/100に1/100、そしてさらに1/100を掛ける)
■1万時間の法則で自分をプロ化させる

広告会社で培ったマーケティングスキル、ビジネス書からの大量インプット、書評ブログでの発信力を掛け合わせ、経営コンサルタントとしてのポジションを徐々に獲得していきました。社外取締役、アドバイザリーボードとして経営に参画することで、経営者の思考法がわかるようになりました。

彼らの課題を解決するための書籍を読み、その解決策を発信することで、経営者や士業、コンサルタントとのつながりを強化できました。著者の大杉氏との出会いが実現したのも、この書評ブログを書いていたおかげです。経営者のサポートを意識し、それに自分の時間を活用することで、ワクワクなご縁が生まれるようになったのです。

「ひとり起業」を目指すなら、まずは、自分の強みを書き出しましょう。自分の中のいくつもの強みを掛け合わせ、他者に貢献できることを明らかにするのです。自分の価値を言語化し、発信することで、人から見つけてもらえるようになります。オンリーワンの存在になり、やりたいことを仕事にすることで、定年後も楽しく働けるようになります。

定年後もお金に困らないために!

金融庁レポートで示された試算では、毎月の年金収入が夫婦で約20万9000円、支出が約26万4000円で、差引5万5000円が不足すると言います。
毎月5万5000円不足→年間66万円不足
老後30年の年金不足額→1980万円の不足

この「老後の2000万円問題」が、多くの人を不安に陥れました。会社員だった家庭の場合、平均的には月5万円程度は不足すると見られるため、多くの人がNISAなどで投信の積み立てを開始しました。

大杉氏は老後も働いて、この5万円を確実に稼ぐべきだと言います。定年後に年金生活者になっても、「ひとり起業」によって、「老後2000万円問題」から解放されるのです。ここでものを言うのが健康寿命とキャリアプランになります。

働く期間を3つに分ける「トリプルキャリア」で、最後のサード.キャリアから逆算して(バックキャスティングで)働き方をチェンジしていくのです。

50代から遅くても60代半ばまでにセカンド・キャリアである「雇われない働き方」にシフトすることで、人生後半戦に備えましょう。自分のスキルを使って、稼ぐことをスタートするのです。著者の「定年ひとり起業5原則」を踏まえた起業を早めからスタートすれば、誰でもリスクを負わず無理なくひとり起業ができます。

1.50代または60代で会社員の経験を活かして起業する
2.人を雇わずに、1人で起業する
3.お金を使わないで起業する(事務所を借りない、人を雇わない、初期投資ゼロ)
4.年金プラスアルファの収入(月5~10万円)を目指す
5.長く働くことを最優先にする

月5~10万円くらいの収入を目指すレベルであれば、2~5年以内には経営が軌道に乗り、安定して収入が得られるようになります。年金に頼るのではなく、自分のスキルを磨き、他者に貢献することに時間を使いましょう。結果、収入をアップでき、老後のマネー問題を解決できるのです。

ひとり起業で成功するためには、以下の4つの原則を取り入れ、情報発信を続けるべきだと著者は言います。
◆好きなことを仕事にすること(長く働くためには、好きなことを優先すべき)
◆専門性を3つ以上組み合わせてオンーワンの存在になること
◆専門家としての情報発信を継続すること
◆世の中の変化に合わて、自らの専門性を磨き続けること

私は稼いだお金を読書と旅行、人との出会いのために使っています。毎月、大量の書籍を購入し、自分のスキルを高めるようにしています。ビジネス書評を毎朝、欠かさずアップすることで書評家としてのブランドを確立すると同時に、多くの人とのご縁をいただきました。

歳をとると変化を嫌いますが、私は若いベンチャー経営者のアドバイザーになることで、彼らから日々、多くの学びを得ています。勉強会や視察旅行があれば、積極的に参加し、自分に刺激を与えるようにしています。

また、昨年からは大学の客員教授になり、定期的にキャンパスに通い、10代、20代の若者との時間を増やしています。彼らの発想力や行動力から刺激を受けることで、新たなビジネスのヒントを得ています。

「ひとり起業家」は稼いだお金を貯蓄・運用するだけでなく、自己投資に使いましょう。人とのご縁を深めること、変化に適応することで、チャンスに巡り会えるようになります。

大杉潤氏の前作の定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業書評



この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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