能力開発のための5つのステップ。青木仁志氏の目標達成の技術の書評

目標達成の技術
青木仁志
アチーブメント出版

本書の要約

知識、理解、実践・習得、貢献の5つのステップを実践することで、自分の能力を高められます。学びから得た知識と技術を総合して、人にも貢献していける「人格のレベル」での実践によって、成長スピードが加速します。 他者への貢献を考えることで、ビジネスがうまくいくようになります。 

能力開発に重要なポイントは何か?

真の目標達成技術とは、成功からの逆算と、土台に則った一貫性のある生き方をするということなのです。つまり、目的・目標志向型の人生へと脱皮することです。いつ死んでも悔いがないよう人生の目的から逆算して行動する。思考を現実化する技術を体得するとも言えます。(青木仁志)

今から15年前に私は大好きだったお酒をやめることにしました。広告会社の同僚や取引先の人が何人か、アルコールが原因で亡くなり、次は自分が死ぬ番だと考えるようになったのがその理由です。その頃の私には人生の目標がなく、このまま死ぬと後悔が残ると考え、ドクターのアドバイスに従い、断酒を決断しました。

青木仁志氏の目標達成の技術を再読していますが、その中に大酒飲みの父親を持った双子の兄弟の話が紹介されています。アルコール依存の父を持った子どもたちのうち、1人は禁酒家になり、優秀な弁護士になりました。もう1人は父親と同じように大酒飲みになったのです。

「なぜ、あなたはこういう生き方をしたのですか?」と言う質問に対し、「あの親をもって、これ以上の生き方ができますか?」と2人は答えたと言います。現実をどう解釈していくかによって、人生の選択が左右されてしまうのです。

人生の目的がお酒を飲むことになっていた私は、断酒をしてから、何で他者に貢献するかを考えるようになりました。自分の価値を磨くために、朝早く起き、読書を習慣にしました。理想の自分をイメージし、そのために思考と行動を変えたのです。アルコール中毒というマイナスなブランドを捨て、優秀なビジネスパーソンになると決め、その目標に向かって、思考と行動を変えました。

私は朝の早起きを習慣化し、大量に本を読むことを自分に課しました。ビジネス書を1日に何冊も読み、それをSNSで発信することを日課にしました。本を読むことで、自分の知識が増え、話にも説得力が増しました。ソーシャルメディアのおかげで、ネットワークも広がり、そこからさまざまな学びを得られるようになったのです。

大量インプットと大量アウトプットを続けるうちに、書籍を出版するチャンスが舞い込んできました。何冊かの出版や講演を通じ、私の自己重要度は一気にアップしました。自分に自信を持てるようになり、ビジネスもうまく行くようになったのです。

能力開発の重要なポイントは、思考と行動を一致させる技術を学ぶことだたと青木氏は述べていますが、理想の自分をイメージし、そのためのアクションを続ければ、自分を変えられます。健康であり続けるためには、酒に溺れるのではなく、節制をしたほうがよいに決まっています。

もし、100歳まで生きると決めれば、自分の健康に留意し、食事のコントロールや運動が自ずとできるようになります。目的を明確にし、自分の理想をイメージすることで、意思決定が変わります。意思決定のスキルを高めるとは、願望を実現するために、効果的な行動を取り、それを習慣化させることなのです。

能力開発のための5つのステップ

成功は自分から始まり、ほかの人々への貢献で完結します。

能力開発には次の5段階があると著者の青木氏は言います。
レベル1:知識──知っただけで知ったつもりになって満足しない

レベル2:理解──わからないことをわからないままにしない

レベル3、4:実践・習得──できないことをできないままにしないで、できるようになるまでおこなう

レベル5:貢献──自分ができるようになったら、自分だけのものにせず周りの人に分かち合う 

第1段階の「知る」、第2段階の「分かる」は、本を読んだり、各種セミナーや講演会に参加したりして、知識を得て理解したレベルです。  第3段階の「行う」、第4段階の「出来る」は、知識として得たことを実践していくための技術を習得していく段階です。  

第5段階の「分かち合う」は、知識と技術を総合して、人にも貢献していける「人格のレベル」での実践になります。  

知識のレベルから技術のレベルへと移行するとき、ひとつの大きな壁が立ちはだかります。これを「習慣の壁」と呼んでいます。

私は毎朝4時に起きて、その時間を読書とブログ記事の執筆に当てることにしました。毎日、ブログを書き続けることで、私の中に強い鎖が築かれました。今では朝ブログをアップできないと、気持ちが落ち着かなくなるほどです。悪い習慣(お酒)を良い習慣(インプット&アウトプット)に置き換えることで、自分を変えることができたのです。

読書から得た知識をアウトプットすることで、知識を自分ごと化できます。その知識を実際のビジネスに使うことで、結果を出せるようになりました。知識や体験を伝えることも他者への貢献になります。私はさまざまな企業のケーススタディを研究し、アドバイスに活かすことで、クライアントからの信頼を得られるようになったのです。

目標達成の秘訣は毎日の習慣形成にあります。本書の5つのステップを実践すれば、自己実現の可能性が高まります。

青木仁志氏の関連記事


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
イノベーションDX投資習慣化書評生産性向上アイデアクリエイティビティマーケティングライフハック断酒
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました