生涯学習者(lifelong learner)になる能力が重要な理由。

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未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来
トーマス・フリードマン
PHP研究所

本書の要約

人生100年時代、テクノロジーが進化することで、過去に学んだことがあっという間に古臭いものになります。時代に取り残されないためには変化に適応し、学び続ける必要があります。今後は、生涯学習者(lifelong learner)になる能力がもっとも重要になるのです。

生涯学習者(lifelong learner)の時代が到来

世界はひっくり返りました。3世代分のテクノロジーを1世代で使い切るようになったのです。私はいまのキャリアをタイプライターで始めましたが、これまでに恐らく十種類は新しいテクノロジーを経験しています。この動きが、今後はさらに加速化します。これから競争に勝ち残るためには、生涯学習者(lifelong learner)になる能力がもっとも重要になります。(トーマス・フリードマン )

時代が変化し、過去の知識だけでは生きられなくなってきました。つねにテクノロジーが進化することで、現代人が学ぶことも増えています。

私たちは変化に適応するために、いくつになっても学び続ける必要があり、学習ツールを得る力が欠かせなくなっています。個人だけでなく企業、政府も生涯学習者(lifelong learner)になることが、今後はもっとも重要になるとピューリッツァー賞を3度受賞したジャーナリストのトーマス・フリードマンは指摘します。

IT化が進むとブルーカラーやホワイトカラーの働き方は変わります。自動改札や自動運転が、鉄道会社の仕事激変させました。今後あらゆる領域で、ITがビジネスパーソンの働き方を変えていきます。また、ITはAI技術者やデータサイエンティストなどの新しい仕事も生み出していきます。

高収入を生み出す新しい仕事というのは、より高度な教育を必要とするものです。より頭脳を使い、心を込める仕事です。平均的なだけの人にはできません。

また、仕事はどんどんクリエイティブになっています。自分で考え、行動することで顧客との関係を変えられます。私たちは心を込めれば、よりクリエイティブになれます。

たとえば、民泊を経営しているのなら、宿泊のほかに3時間の寿司教室も提供する(新たな価値を創造する)ことで、新たな顧客を獲得したり、リピーターを得られます。

今後は、自分が情熱を傾けられることを収益化するようになると著者は指摘します。仕事をよりクリエイティブにするためには、思考する時間や他者とのコミュニケーションが欠かせません。また、ITなどの新しい仕事に就くためには、さらなるスキルと生涯学習が欠かせません。

「平均は終わった(Average is Over)」という事態がすでに起き、平均を求める人は負け組になります。生涯学習者(lifelong learner)にならなければ、時代に取り残されてしまうのです。

ユニバーサル・ベーシックインカムが不要な理由

私はよくいわれ るユニバーサル・ベーシックインカムには懐疑的ですが、勤労所得税額控除を増加させることには賛成です。労働者の収入が足りなければその分を補うという制度です。すべてのアメリ力国民に未就学児(4歳)の教育機会を与えるため、増税するべきだと思っていますし、より多くの人に生涯学習者になるツールを与えるような方法で、パイを再配分するように、増税するべきだと思っています。最貧困層の救済にも、もちろん取り組むべきです。

新型コロナウイルス感染症対策が引き続き模索される中で、世界各国でユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)に対する関心が高まっています。

UBI・・・全ての個人を対象に、キャッシュを無条件に支給する制度。誰もが一定の経済的な保障により自由と安全を得られるようにすることを目指します。

ユニバーサル・ベーシックインカムのように無償でお金やものを配っても、うまくかないとフリードマンは指摘しまあす。人は無料でもらえるものをありがたがることはなく、また、勤労意欲や労働市場に及ぼす影響も明らかではありません。

トップ1%に富が集中するような社会は、持続困難であることは間違いありません。社会的弱者を救う何かしらの対策を講じなければ、格差は開くばかりです。

人々がより付加価値のある仕事を獲得することができるように、自分たちの潜在能力をもっと発揮できるようなツールとしてお金を提供するという考えはありだと思います。

今日アメリカで伸びている町や都市には、3つの重要な要素がありまあす。
①開放的であること
アメリカでは移民と高齢化を通して、マイノリティーがマジョリティになりつつあります。つまり、国のマジョリティがヒスパニック系、アジア系などの非白人になりつつあります。

白人労働者に依存しているだけでは、今 日のコミュニティは繁栄しません。白人だけでは十分な労働者を確保できないからです。

②権力をもたないリーダーがたくさんいること

コミュニティのリーダーが「自分たちの町は、コミュニティは、他のところに後れをとらないぞ」という気概をもっていること。ビジネス、フィランソロピー(社会奉仕事業)、教育者、社会起業家、地方自治体、それらすべての人が、私がいうところの複雑な適応連合(complex adap tive coalitions)をつくり上げ、変化のすべてに対処するようなネットワークを築こうと思っていること。

③伸びているコミュニティには特別な政治信条がない
彼らの政治哲学は、民主党的とか共和党的とかというものではなく、「what works(とにかく機すればいいもの)」と呼ばれています。

世界がフラット化する中で、多様性のある開放的な組織が成長します。マイクロソフトが復活したのは、サティア・ナデラがリーダーとして活躍したからですし、ADOBEやGoogleの経営者もインド出身者になるなど海外出身者をCEOに起用することで、成長を持続させています。

アメリカのベンチャー・スタートアップの経営者にさまざまな国籍の出身者を引き込み、彼らのエネルギーを活用することで、イノベーションが起こしているのです。

市井の人々、特に若者たちに正しい学習ツールや規制、政治システムを与えて彼らの潜在能力を発揮させることができれば、そうした国は繁栄し、問題もなくなると思います。

個人はテクノロジーの進化に適応できるよう学び続ける必要があります。その上で、企業や国家は個人の力を引き出すために、開放的かつダイバシティな環境を築くべきです。アメリカの成長企業や活力のある都市から私たちは多くのことを学べます。


この記事を書いた人

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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