運気を磨く~心を浄化する三つの技法~(田坂広志)の書評

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運気を磨く~心を浄化する三つの技法~
田坂広志
光文社

本書の要約

自分の中のネガティブな想念を消し去ることで、運気を高められます。「大いなる何かが、自分を育てようとしている」「逆境を越える叡智は、すべて、与えられる」という覚悟を持つことで、成長が加速します。習慣と解釈を変え、覚悟を定めることでよりよい人生を生きられるようになるのです。

自分の運気を上げる3つの方法

本当に「良い運気」を引き寄せたいと思うならば、心の中をポジティブな想念で満たす前に、何よりも、心の中に数多く存在するネガティブな想念を消していかなければならないのである。 そして、心の中をポジティブな想念で満たそうとするとき、心の奥深くにネガティブな想念が生まれない、賢明な方法を採らなければならないのである。 (田坂広志)

成功者には運が良いという共通点があります。運気を高めら人々は、いわゆる「引き寄せの法則」を活用していますが、彼らは心の中のネガティブな想念を消すことで、よいことを引き寄せているのです。

どうすれば、私たちは心の中をポジティブな想念で満たすことができるのでしょうか?工学博士で経営コンサルタントとして活躍する田坂広志氏は、以下の3つのことを実践することで、運気を高められると述べています。・人生の習慣を改める。
・人生の解釈を変える。
・人生の覚悟を定める。

「直観」「予感」「好機」「シンクロニシティ」「コンステレーション」などの形で現れる「運気」を引き寄せるためには、自らの思考と行動、そして習慣を変えていく必要があります。世の中の成功者と呼ばれる人々は、人生と仕事の様々な場面で、無意識に「運気」を感じ、「良い運気」を引き寄せ、その好機を掴む力を持っていたのです。

「良い運気」を引き寄せるためには、究極、ただ一つのこと、「ポジティブな想念」を持つことが求められる。 すなわち、「ポジティブな想念」=「良い想念」を持つと、「ポジティブな出来事」=「良い出来事」や「良い出会い」を引き寄せ、「良い運気」を引き寄せるのである。

工学博士の著者は引き寄せの法則を「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」から説明します。この仮説は次の3つの柱から成り立ちます。
①この宇宙のすべての場所には、「ゼロ・ポイント・フィールド」呼ばれるエネルギー場が遍在している。

②そして、この「ゼロ・ポイント・フィールド」には、我々の生きるこの宇宙の過去、現在、未来のすべての情報が記録されている。

③従って、我々の心が、この「ゼロ・ポイント・フィールド」に何らかの形で繋がったとき、我々は、過去、現在の出来事はもとより、未来に起こる出来事をも、予感、予見することができる。

私たちの心の世界には、この「ゼロ・ポイント・フィールド」とつながる第5の世界(超時空的な無意識)があります。このフィールドには時空を超えたすべての情報が集まっているため、この「超時空的無意識」の心の状態になると、「空間を超えたシンクロニシティ」だけでなく、「時間を超えたシンクロニシティ」が起こると言うのです。

私たちの心が、ポジティブな想念を持ち、この「ゼロ・ポイント・フィールド」に深いレベルでつながるとき、様々な「引き寄せ」が起こります。結果「直観」「予感」「好機」「シンクロニシティ」「コンステレーション」といったことが現れ、「良い運気」を引き寄せてくれるのです。

そして、この不思議な力は、「心の世界を変える技法」を修得することによって、後天的に身につけられるのです。心の世界を変えるためには、無意識の世界からネガティブな想念を消し去ればよいのです。

失敗体験を成功体験に変えよう!

表面意識の世界で、どれほどポジティブな想念を抱こうとしても、必ず、無意識の世界には、その逆のネガティブな想念が生まれてしまうというジレンマがあります。私たちはその壁をどう乗り越えれば、よいのでしょうか?

その解決策が、「人生の習慣を改める」「人生の解釈を変える」「人生の覚悟を定める」という3つの技法になります。
①人生の習慣を改める
「無意識のネガティブな想念」を浄化していく技法

②人生の解釈を変える
「人生でのネガティブな体験」を陽転していく技法

③人生の覚悟を定める
「究極のポジティブな人生観」を体得していく技法

人生の習慣を改めるためには、自然の偉大な浄化力に委ねる方法と言葉の密かな浄化力を活かす方法があります。ネガティブな日常言葉を使わずに、ポジティブな日常言葉を日頃から使うようにしましょう。「感嘆」の言葉、「感謝」の言葉、「感動」の言葉の3つの「感の言葉」を使うことで、運が拓けるようになりまう。

また、和解の想念の浄化力を用いることも効果があります。私たちの心の中のネガティブな想念の多くが、「人間関係」での摩擦や葛藤、反目や衝突に起因しています。それらを解消するために、心の中で他者に感謝の言葉を伝えるようにするとよいと言います。

私もこの感謝の言葉を心の中で伝えることによって、ネガティブな体験を陽転させることで、運がよくなりました。過去を引きずるのをやめ、その原因になっている人たちに、心の中で感謝の言葉を伝えることで、心が落ち着きます。

起こったことに良い解釈を与える「解釈力」こそが、ネガティブな体験をポジティブな体験へと変え、心の中のネガティブな想念をポジティブな想念に変えてくれるのです。

過去の「失敗体験」を振り返り、それが、実は「成功体験」であったことに、気がつくことである。すなわち、過去の「失敗体験」を振り返り、そこで「失われたもの」「与えられなかったもの」を考えるかぎり、その「失敗体験」はネガティブな体験にとどまってしまう。しかし、どのような「失敗体験」にも、必ず、「失われなかったもの」があり、「与えられたもの」がある。

人生において、どのような「不運に見える出来事」が与えられても、解釈を変えることで、その「不運に見える出来事」も、実は、「幸運な出来事」であることに気づけます。いかなる過去の「失敗体験」も、それを自身の成長の糧とすることによって「成功体験」に変えることができるのです。

そのために以下の5つの覚悟を持つようにしましょう。
①自分の人生は、大いなる何かに導かれている、と信じる
②人生で起こること、すべて、深い意味がある、と考える
③人生における問題、すべて、自分に原因がある、と引き受ける
④大いなる何かが、自分を育てようとしている、と受け止める
⑤逆境を越える叡智は、すべて、与えられる、と思い定める

「大いなる何かが、自分を育てようとしている」「逆境を越える叡智は、すべて、与えられる」
という「5つの覚悟」を持つことでに、自分らしい人生を生きられるようになります。失敗体験を成功体験に変えることで、自分の運気を高められるようになるのです。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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