超効率耳勉強法(上田渉)の書評

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超効率耳勉強法
上田渉
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

視覚に頼るだけではなく、聴覚を活用することで、脳の働きがよくなり、記憶が定着するようになります。耳の隙間時間は1日8時間あると言われていますが、オーディオブックを習慣化することで、自分の可能性を広げられます。耳学問を今日から始めることで、自分を良い方向に変えられるのです。

耳学問が効果的な理由

記憶は、複数の感覚から何度も情報が入力されると強化されます。ですから視覚だけでなく、聴覚からも何度も情報を入力すれば、記憶力が向上するのは必然です。 言語能力のなかでも、とくにインプットにかかわる能力、すなわち、リーディング能力とリスニング能力は相互関係を持っています。(上田渉)

iPhoneやSpotifyの普及が進む中で、オーディオブックを楽しむ人が増えています。私は15年前に断酒をしたのですが、その際、自分のモチベーションを高めるために、アンソニー・ロビンズのオーディオブックを聴きながら通勤していました。お酒を飲みたくなる気持ちを抑えるために始めた習慣が今も続き、オーディオブックやポッドキャスティグを聞いています。

特にサラリーマンを辞めてから車で移動するようになってから、耳から学ぶ機会が増えています。朝晩の移動時間にはさまざまなオーディオブックやポッドキャスティグを聴くことで、読書の幅を広げています。

本書の著者の上田渉氏は、耳学問を習慣化することで偏差値30から東大に合格します。アメリカに比べ普及の遅れていたオーディオブックマーケットを開拓した業界のトップリーダーです。何度か上田氏とはミーテングを持ちましたが、オーディオブックへのパッションが熱く、私も微力ながら耳学問を応援しています。

現在、上田氏が運営する「audiobook.jp」は、2022年6月時点で会員数250万人を突破しており、日本でも耳から学ぶ人が増えていることがわかります。

人はリスニング能力を鍛えることで、リーディング能力が向上することがわかっています。視覚に頼るだけではなく、聴覚を活用することで、脳の働きがよくなり、記憶が定着するようになります。聴覚に着目することは合理的で、情報を耳からインプットすることはビジネスパーソンにとっても効果的です。

実際、耳学問はiPhoneがあれば、どこでも実践できます。最近ではオーディオブックのタイトルが増えていますし、面白いポッドキャスト番組も増えています。先ほども書いたように、オーディオブックは歩きながら学べるため、移動中の隙間時間を使って多くの学びが得られます。

私は就寝前にオーディオブックで短編小説を楽しむようにしています。眠る前のリラックスタイムにフィットする短めのオーディオブックを選ぶことで、気持ちよく眠れるようになりました。オーディオブックなら今、問題になっているスマホのブルーライトも避けられます。

読書の世界を広げるオーディオブック

アメリカのThe Association for Information Science and Technology(情報科学技術協会)という組織が2019年の発表した、視覚(文字)と聴覚(音声)の読解効果に関する比較実験についての論文では、耳学問の効果が実証されています。

①音声を聴くことによる読解効果は、文字を読むことよりも優れている
②両者を同時に行うことによる読解効果は、それぞれ単体で行うよりも優れている
という2つの事実が明らかになりました。

この論文では、オーディオブックを聴きながら、VR読書やAR読書といった新たな読書形態を取り入れることが、読解効果の点からも推奨されると結論づけています。テクノロジーの進化で五感を活用した読書が今後当たり前になるかもしれません。

耳(聴覚)を鍛えるのは簡単です。耳には鍛えなければならない筋肉はありませんし、聴覚は耳から自動的に入ってくる音を処理する感覚ですので、目とは違い、受動的に情報を得ることができます。 じつは、人間の聴覚は非常に柔軟性が高く、早口な人、ゆっくりしゃべる人、滑舌が悪い人など、相手がどんなタイプの人であっても、言葉を理解しづらいということはほとんどありません。

時間がない忙しいビジネスパーソンにも耳学問はおすすめです。耳学問では速読の技術は必要なく、オーディオブックを2倍速で再生する程度であれば、内容をしっかりと理解できます。

聴覚は言語理解において応用力が高く、聴くスピードをあげても、内容を理解できるのです。目を鍛えて速読をマスターするのは大変ですが、耳を鍛えて速い音声を聴き取ることは簡単に身に付きます。

今まで耳をあまり意識してこなかった方や、オーディオブックを聴いたことがない方でも、耳学問はすぐに始められます。Kindleと併用して、オーディオブックを再生することで、より内容が頭に入ってきます。

また、昔読んだ本を改めて聴き直すことで、新たな発見が得られることがあります。聴覚と視覚は脳の別の部位を使っているので、本の印象が変わることがあります。オーディオブックを活用することで、私たちは書籍から新たな気づきを得られることがあるのです。

耳の隙間時間は1日8時間あると言われていますが、オーディオブックを習慣化することで、自分の可能性を広げられます。耳学問を今日から始めることで、自分をよい方向に変えられるのです。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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