世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣
堀田秀吾
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
本書の要約
ペンシルベニア大学のボルコヴェックらの研究によると、心配事の79%は実際には起こらないことが明らかになりました。心配事が現実化するのはたった5%程度でしかないと考えることで、心が軽くなります。その悩む時間を別のことに時間を使うことで、結果を出せるようになります。
心配事の9割以上は起こらない?
ペンシルバニア大学のボルコヴェックらの研究によると、心配事の79%は実際には起こらないことが明らかになっています。しかも、残りの21%のうち、16%の出来事は、事前に準備をしていれば対処が可能ともボルコヴェックは説明しています。つまり、心配事が現実化するのは、たった5%程度ということです。(堀田秀吾)
堀田秀吾氏の世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣の書評を続けます。人間には心配性という特性があり、未来のことについて必要以上に悩みがちです。情報量の多い現代社会において,先のわからない未来やSNSでの他人の言動、ニュースなどのネガティブな情報などに接することで、私たちは不安な気持ちに陥ります。
しかし、実際、ペンシルベニア大学のボルコヴェックらの研究(1999年)によると、心配事の79%は実際には起こらないことが明らかになっています。
私たちには必要以上に心配する特性があると捉えるようにすることで、気持ちが落ち着きます。心配事が現実化するのはたった5%程度でしかないと考えることで、心が軽くなります。たった5%のことに悩むのはとても勿体無いことです。その悩む時間を別のことに時間を使うことで、結果を出せるようになります。
以前の私も心配性でしたが、この研究結果を知ってから、事前準備に時間を費やすようになりました。自分はきちんと心配事を認識できていると捉えることで、自分の思考と行動を変えられます。不安があるからこそ、事前に対策することで、未来を変えられます。不安を怖がるのでがなく、不安とうまく付き合っていこうと考えてみることで、結果をよくできるのです。
考えすぎたときには、「ぼんやり」しよう!
考えすぎとまではいかないものの、頭がオーバーヒート気味になっていると感じたなら、適度に休憩をとることを心がけてください。リラックスすることは、人が考える葦である以上、貴重な「水分供給」の機会です。
イリノイ大学アーバナシャンペイン校のキムらが80人以上の韓国人を対象に行った調査結果で、効果的なリラックス方法が明らかになりました。この実験では、休憩時間に行ったリラックス法が、昼食後、終業後にどのような影響があるかを10日間にわたって記録しました。
◎ポーッとする、ストレッチをするなど「リラックス系」の活動、 もしくは、同僚とのおしゃべりなどの「社交系」のリラックス法をした場合・・・仕事の大変さを軽減させることに役立つことが判明しました。
◎新聞を読む、メールをチエックするなど「認知活動系」のリラックス法をした場合・・・昼食後の仕事を大変だと感じやすくなり、終業後の疲労感が高まることが判明しました。
◎お菓子を食べる、飲み物を飲むなど「おやつ・飲料系」のリラックス法をした場合・・・基本的には無効果。ただ、カフェインの摂取は、仕事の大変さを軽減させることに役立つことが判明しました。
ぼーっとする、ストレッチをすることがもたらすリラックス効果は、ストレスの軽減に大きく関与することが明らかになったのです。
著者は「手浴」がリラックス効果をもたらすと述べています。 北海道大学の矢野理香氏らが、脳血管障害の患者を対象にした研究は、「手浴」の驚くべき効果を明らかになりました。
実験では、38度の温水に10~15分ほど手首まで浸けて手を温めてもらったのですが、たったそれだけで患者さんの痛みが緩和したり、爽快感が増加したり、ポジティブな言葉を発するようになったり、病気の回復に対する「やる気」が向上したといったことが報告されました。
手の血管には、交感神経支配が集中しています。手を温めることでこれらの神経が作用して、さまざまな効果を生見ます。手浴の効果は、温泉に負けないといわれているほどで、医療現場でも導入されている効果的な方法です。脳が疲れているときは、手軽にできる手浴もしくは全身シャワーを取り入れるようにしましょう。
以前、この研究結果を知った私は自宅でオンライン会議をする際には、手浴をして気分転換をしています。手浴を習慣化することでやる気をアップできるのです。
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