ジェフ・ベゾスの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実 (ヘレナ・ハント )の書評

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ジェフ・ベゾスの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
ヘレナ・ハント
文響社

本書の要約

ジェフ・ベゾスはやらなっかたことを後悔する人生を送りたくなかったと言います。理想の未来からバックキャスティングし、その未来が自分の納得いくものに計画を練り、実践すべきです。インターネット時代の成功を確信したベゾスは、Amazonの起業を決意し、順序立ててリスクを排除することで成功を掴みます。

ベゾスの生声を聞き、顧客第一主義を実践しよう!

株価が下落した際、ベゾスはアマゾンの使命 地球一顧客に寄り添った企業になることに固執した。専門家たちの警告や予測に構うことなく、ベゾスは長期的視点で顧客に必要なサービスを提供し続けたのだが、そこにはビジネスを続けるということも含まれていた。ベゾスは、客の需要を先回りする顧客第一のビジネスモデルこそ、革新を後押しすると信じていた。この哲学がアマゾンを導いたのは言うまでもない。(ヘレナ・ハント)

本書はAmazonの創業者で、今なお顧客体験を高めることに情熱を注ぐジェフ・ベゾスが自ら語った【生声】だけを編集者のヘレナ・ハントが一冊の本にまとめてくれました。時系列に並んだベゾスの発言を読むことで、カリスマ経営者の成長を確認できます。また、彼の本音を知ることでベゾスを身近な存在に変えられます。特に、スタートアップ経営者にとっては、ベゾスの創業時のメッセージは参考になるはずです。

先日、「顧客愛」というパーパス<NPS3.0>(フレッド・ライクヘルド)書評ブログでも紹介しましたが、NPSを経営の指標にすることで、顧客との関係が変わります。リーダーと従業員が顧客体験をアップさせることを目指すことで、顧客をファンにできます。実際、NPSの評価が高いAmazonは偉大な会社に成長しており、ライクヘルドの書籍でも評価されています。

資本主義を突き詰め、短期投資家を喜ばす経営をしていると顧客よりも株主に軸足をおきます。ベゾスは短期投資家を喜ばせるのは非常に難しく、それは間違いだと述べています。短期投資家を喜ばせるために、経営者は顧客の利益にならないことを行いがちで、これにより顧客離れが進みます。逆に長期投資家は、企業が顧客を喜ばせる方法を実践することを望んでいます。

Amazonは顧客第一主義を徹底します。顧客に耳を傾け、考え、顧客一人一人に見合ったサービスを提供することが、経営者と従業員には求められています。

多くの会社では顧客の幸せを考えずに、自分本位にサービスやプロダクトを開発します。しかし、このような顧客視点を欠いた経営では、成長は長続きしません。顧客体験が悪ければ、あっという間に顧客がSNSにその事実を書き込み、顧客離れが起こります。

顧客がインターネット上で不快な思いをしたら、5人の友人に伝えるどころではないだろう。おそらく5000人の友人に言うはずだ。当然、逆もまた然りで、顧客が期待どおり、あるいはそれ以上に満足すれば、5000人に熱心にそれを伝えてくれるだろう。彼らはインターネットをメガホンのように使うことが可能で……そのパワーバランスはいまや、企業から消費者へと移行している。(ジェフ・ベゾス)

ジェフ・ベゾスは、顧客にとって大切なものが3つあると述べています。
・品揃え
・使いやすさと利便性
・値段
Amazonでは顧客を喜ばせるために、この3つの要素をどこよりも重視し、日々経営者と従業員が研鑽を重ねています。Amazonがネガティブなレビューを掲載することにも意味があります。ネガティブなレビューこそが顧客にとって重要な情報なのです。都合のよいレビューよりも自社にとって嫌な情報を載せることで、Amazonは顧客からの信頼を獲得し、より多くの商品を売ることができるのです。

顧客の利益を第一に考えるAmazonは、短期的に利益にとらわれず、サービスの改善や新規事業を次々立ち上げます。当初はこのベゾスの経営がファンドや投資家に否定されましたが、今ではそれが正しかったことが明らかになっています。

Amazonのイノベーションが人生にもよい影響を及ぼす!

決断における適切なフレームワークとは(少なくとも私にとっては)、後悔を最小限にすることだ。例えば80歳の自分を想像し、そこから人生をふり返ってみる。その時どうありたいか?できるかぎり悔いは残したくない。

ベゾスはやらなかったことを後悔する人生を送りたくなかったと言います。理想の未来からバックキャスティングし、その未来が自分の納得いくものに計画を練り、実践すべきです。インターネット時代の成功を確信したベゾスは、Amazonの起業を決意し、順序立ててリスクを排除することで成功を掴みます。

真剣にやること、目の前の課題を楽しむことで、ベゾスは結果を出せると言います。「顧客にとって何が得か?」と考えることで、正しい解決策が見つかります。大きな問題に直面したら、みんなで集まって笑い飛ばすという楽観主義がAmazonの文化となり、顧客を喜ばすことにつながっています。

我々は、失敗するたびに自問する。「まだ最初のビジョンを信じているか」と。答えがイエスなら、気持ちを奮い立たせ「別の」アプローチを試みる。

ビジョンを実現すること、顧客第一主義を実践するために、Amazonの社員は日々さまざまなアプローチを試します。顧客を喜ばすためには、うまくいっていることでも改善も厭いません。顧客のニーズから今後の展開を予想し、テクノロジーの力でイノベーションを起こすことで、顧客体験を日々変えています。

Amazonが本をオンラインで販売することで、読書好きの人たちのライフスタイルが激変しました。物理的に本屋を回らなくともAmazonに行けば、新たな書籍との出会いをデザインできます。Amazonを使えば、見つけにくい本が検索で簡単に見つけられます。

本屋に行くたび、1000分の1の確率で人生を変える本に巡り合えるとしよう。我々はそれを500分の1にし、5年後には200分の1、そのまた5年後には100分の1にしたいと思っている。

私は日々、Kindleで読書をし、このブログで紹介しています。以前は紙の本を書店で買い、カバンの中に何冊もの本を入れ、持ち運んでいました。kindleというイノベーションによって、私はカバンの重さというペインから解放されるだけでなく、いつでもどこでも読書を楽しめるようになりました。

実際、Kindleを購入した人は、Kindleを購入する前より4倍も本を読むことが明らかになっています。私も kindleのおかげで読書量が間違いなく増えており、良書と出会える確率が高まっています。

日々、Amazonのおかげで人生を変えるきっかけをもらっています。Amazonが起こした数々のイノベーションが私の人生によい影響を及ぼしていることをベゾスの生声から再確認できました。




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