「バカ?」と言われて大正解―非常識なアイデアを実現する(リッチ・ノートン)の書評

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「バカ?」と言われて大正解―非常識なアイデアを実現する
リッチ・ノートン
パンローリング株式会社

本書の要約

バカげたアイデアにとりかかるとき、自分らしさに火をつけ、本当の自分に自分らしい人生を生きるパワーを持つことで、行動することに対する恐怖を抑えられます。勇気を持って、自分をメディア化することで、人から発見してもらえるようになります。その際、STARTのフレームワークが効果を発揮します。

バカげたアイデアがイノベーションを起こす理由

偉大な成功には共通項がある。それは「バカバカしさ」だ。(リッチ・ノートン)

成功者たちの多くは当初、アイデアを周りの人に話した際に、バカにされるという経験をしています。逆に起業のアイデアがバカバカしくてお話にならないと誰かに言われたら、成功の可能性が高いと考えましょう。

最高にスマートであるためには、バカバカしいと思ったアイデアを検討し、それを実行に移すことが重要になります。

成功する人間は、バカと書かれたラベルの下に優れたアイデアが隠れているのを見破る能力を持っています。彼らはそれを実践するために、事前に十分に検討を重ねるなどの準備を怠りません。

他者がアイデアをバカにし、やる気を萎えさせる中で、成功者は他人の意見に逆らってイノベーションを起こす道を選択します。彼らがアイデアを完成させるまでの長い時間(そして厳しい試練)に耐えられるのは、そのアイデアに強い確信を持っているからなのです。

人から「バカバカしい」とか「今は時期が悪い」と言われたアイデアが、実は千載一遇のチャンスかもしれないのです。アイデアを実行するかどうかは起業家の決断にかかっています。

ツイッターの創業メンバーのビズ・ストーンにはその勇気があり、アイデアを進歩させたから成功できたのです。

大勢の人がバカバカしいと感じたらしい……わが社の技術者のなかにも興味さえ示さない者もいた。 (ビズ・ストーン)

ジェフ・ベゾスがアマゾンを起業する際に、オンラインで書籍を販売することはバカバカしいアイデアだったと述べています。未来の大成功も最初はバカバカしいアイデアに過ぎないのです。

次のステップを踏むことで、バカげたアイデアがどうかがわかります。
・80歳になったときに後悔するアイデアは何か?
・頭から離れないアイデアをリストにし、どの項目をやらなかったから後悔するか?
・後悔しそうなリストをいくつかに絞り、そこから優先順位を明らかにし、最初の一歩を踏み出してみる。

イノベーションを起こすための3つのステップ

「バカげたアイデア」を実行に移し、イノベーションを起こすためにはいくつかの原則があります。そのためには、以下の3つのステップを踏むようにしましょう。
①殻から抜け出す
②本気で乗り出す
③夢を実現する

①殻から抜け出す
●恐怖を克服する
●プライドを克服する
●先延ばし癖を克服する 
●本気で取り組む

②本気で乗り出す――ニュー・スマートになる5つのアクション(STARTのフレームワーク)
●奉仕する(Serve)
●感謝する(Thank)
●求める(Ask)
●受け取る (Receive)
●信頼する (Trust)

奉仕し、感謝し、求め、受け取り、信頼することで、あなたは周囲の人たちとの関係を強化することができる。その結果、いい影響をもっと深く幅広く周囲に与えられるし、目標どおりの意味ある成功に向かう歩みを加速することができる。

STARTの原則にしたがって、人を引き込んでいくと、自分という存在を信頼と尊敬に値するものだと証明できるようになります。

Recieveに関しては受け取ることではなく、受け入れることだと意識しましょう。「受け入れよう、そして受け入れられよう」と考えることで、人との信頼関係を強化できます。与える者と受ける者が、感謝を込め、敬意を払って、互いを同時に受け入れ合うとき、価値のある、長続きする人間関係が生まれます。

STARTの5原則は何かのプロジェクトを始め、取り組み、さらに集中し、最終目標を達成するとき、きわめて有効なフレームワークになります。

③夢を実現する
●今ある資源を活用する。

多くの有望なアイデアが、バカげたアイデアからプロジェクト段階にも進まないうちに失敗するのは、成功に必要な資源が足りないこと(たとえば、時間・教育・資金の不足)にこだわりすぎるからだ。知恵を働かせ、不足しているものに固執するエネルギーを別の方向に向ければ、手元の資源を効果的にレバレッジする方法が見つかる。皮肉にも、その努力をしていると、最初に障害だと思ったものも乗り越えられる。

私たち現代人は、テクノロジーでレバレッジをかけられます。
・自分の番組を放送できる。(ユーチューブやビメオ)
・本の出版も可能(アマゾンキンドル)
・コラムの執筆(プログ)
・世界を相手に商品販売(ウェブサイト)

既存のソーシャルメディアを介して対象の顧客層に自分の製品やアイデアを瞬時に発信することで、ローコストでコミュニケーションができるようになりました。マスメディアや広告会社を使わなくとも、自分をメディアにできるのです。

バカげたアイデアにとりかかるとき、自分らしさに火をつけ、本当の自分に自分らしい人生を生きるパワーを持つことで、行動する恐怖を抑えられます。勇気を持って情報発信し、自分をメディア化することで、人から発見してもらえるようになります。その際、STARTのフレームワークが効果を発揮します。

人の役に立つことをし、そこから何が生まれてくるのかを待ちましょう。バカなアイデアに共感する人が増えることで、フィードバックがもたらされ、やがてはそのプロダクトやサービスがなくてはならないものになるのです。

「すべてのことは、ささやかでバカなアイデアから始まる」と著者は指摘します。最初のバカなアイデアが次につながっていき、自分のやりたい本当のことが見えてきます。STARTの原則を実践し、他者への貢献を続けることで、自分の人生をより豊かにできます。


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