THE ART OF Significance 至高の領域 (ダン・クラーク)の書評

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THE ART OF Significance 至高の領域
ダン・クラーク
フローラル出版

本書の要約

服従を実践するということは、自分が学ぶべきことを学ぶことです。いくつになっても学びを続け、正しい行動を続けることで、やがて光り輝く存在になれます。諦めずに自らやり続けることで、至高の領域への道を歩めるようになります。

シグニフィカントな12の原理

成功思考の強い会社では、従業員に「何のために仕事をしているのか?」と尋ねると、毎日のタスクについて語り出す。至高の領域を重視する会社では、従業員に同じ質問をすると、エネルギッシュに会社の目的を語り出す。(ダン・クラーク)

ただ単に成功を目指すのではなく、感情的にも知的にも、人生でより高貴な道を歩むことが重要だと「モチベーターの巨匠」と称賛されるダン・クラークは述べています。意義のあるシグニフィカント(至高な領域)な人生を送ることで、私たちはより充実感を得られるようになります。

リーダーがパーパスのある組織を作ることで、社員は会社の目標について理解し、世の中に貢献するために努力を重ねます。パーパスによってパッションある社員が集まり、それを実現することで、その企業は類稀な成長を果たします。

著者は、ビジネス、スポーツ、軍隊、家庭生活の領域でいろいろ経験した結果、人生や組織を成功からシグニフィカントに変えることができる、人生を変えるリーダーシップの12の原理を体系化しました。  

シグニフィカントな12の原理
原理1 「自由に選ぶ」よりも「服従すること」でうまくいく
原理2 「我慢」ではなく、「未来への忍耐力」で乗り越える
原理3 「変化」よりも「前向きな拡張」を
原理4 「希望や信仰」よりも「予測可能性」を信頼せよ
原理5 「思い込み」を捨て、「本当の真実」を知る
原理6 「チームの形」よりも「勝利」にこだわれ
原理7 「一番」を求めなくていい、「正しいこと」をしよう
原理8 「無理にバランスを取る」よりも「調和」を大切に
原理9 「人を裁く」のではなく、「受け入れる」こと
原理10 「ロマンスの相手」ではなく、「必要な存在」になる
原理11 「コミットメント」ではなく、「誓約」を立てる
原理12 「謝る」よりも「許す」こと

私たちは「服従」や「辛抱」という言葉の解釈を変えることで、より高みを目指せます。変化するだけでなく、自分を拡張させることを意識することで、さらなる成長を目指せます。また、信頼と良心がなければ、よい人間関係は築けません。絶えず成長するチームをつくりたければ、周りの人との信頼関係の構築が欠かせないのです。

メンバーへのフィードバックには3つの形があります。
1、事実によるフィードバック
2、モチベーションを高めるフィードバック
3、教育的なフィードバック

この3つのフィードバックを受ける回数を増やせば、自分の行動が変わるだけでなく、タスクやイベント、ゲームの結果にプラスの影響を与えるようになります。メンバー全員がビジョン実現のために正しい行動を行い、自分を鍛えることで、結果を出せるようになるのです。

チームが結果を出すためには、次の2つの「i」が欠かせないと著者は指摘します。
1つ目の「i」👉「個人的準備」(independent individual preperation)
2つ目の「i」👉「相互依存の協力」(interdependent collaboration)
メンバー1人ひとりが個人の能力を高め、メンバーが互いに協力しあう組織をつくることが、リーダーの重要な役割なのです。

服従の5つの要素

至高の領域に辿り着くためには、自分自身を超えて、より大きな人生の目的のために賢明に選択を行使しなければならない。簡単に言えば、「服従する」ことを選ばなければならないのである。

謙虚さ、誠実さ、自己規律、犠牲、秩序という5つの最も重要な形で「服従」の概念を理解すると、自分の思考と行動をよりよく変えられます。謙虚さ、誠実さ、自己規律、犠牲、秩序という5つの基本的な服従な要素が私たちには必要であり、よりよい選択をするためには、これらの要素を意識し、行動しなければなりません。
①謙虚・・・教えを素直に受け、従順であるべき。他者への強い愛情を持ち、他者の幸せを考え、自分よりも大きなもののために無我夢中で尽くすことができる。

②誠実・・・人が見ている時も見ていない時も正しいことをする。

③自己規律・・・自分自身の思考と感情、意思決定をコントロールする。

④犠牲・・・より大きなものを手に入れるために貴重なものを手放すこと。自己の利己的な欲望に打ち勝つこと。

⑤秩序・・・目標を達成するためには多くのパターンが存在します。そのパターンを知り尽くし、プロセスを簡略化することで、結果を出せるようになります。

私たちは自由意志と服従を相反するものとして捉えがちですが、自由意志は準備の原理であり、服従は自由意志を必要としています。服従心を持つことで、私たちは至高の領域へと導かれ、結果を出せるようになるのです。

服従を学ぶためには以下の4つのアクションステップがあります。
①個人のビジョン・ミッション・バリューステートメントを作成する。
②自分が得意になりたい分野を思い浮かべ。正しい行動をする。
③プライベートでも仕事でも、誰もしていないところで立派なことをしている人に毎日に気づく。その人を褒めることを習慣にする。
④自らのクレドを書き、それを実践する。

服従を実践するということは、自分が学ぶべきことを学ぶことです。いくつになっても学びを続け、正しい行動を続けることで光り輝く存在になれます。諦めずに自らやり続けることで、至高の領域への道を歩めるようになります。

私たちは「我慢」ではなく、「辛抱」すべきだという著者のアドバイスも参考になります。
・辛抱・・・より高い目標や目的のために、積極的に努力を続けること。自分のためや人のために自ら志したものを実現するための努力をする辛さ。
・我慢・・・自分がしたくないことや嫌なことを堪えること

辛抱とは、「今ここ」に集中して一つのことをやり遂げることです。未来を考えず、過去を忘れて、重要な今、この瞬間に集中することで、確実にゴールに近づけます。 至高の領域にいる人は困難に直面した際に、より高い目標に向かって自分を見つめ直す良い機会だと考えます。辛抱を身につけることで、理想の自分を実現できるようになります。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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