インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式 (羽田康祐k_bird)の書評

boy wearing gray vest and pink dress shirt holding book

インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式
羽田康祐k_bird
フォレスト出版


インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式の要約

10倍読書により得た知識を「視点・法則リスト」としてまとめることで、単なる情報収集を超えた深い学びが可能になります。様々なカテゴリーの著者の視点や法則に触れ、それらを整理・活用する能力が向上します。この習慣は個人の成長だけでなく、ビジネスにも好い影響を与えます。

視点と法則を増やすことが、ビジネス書を読む目的!

ビジネス書を読む目的=自分の中に「視点」と「法則」を増やしていくこと。 (羽田康祐)

著者の羽田康祐氏は、本書で読書の本質的な価値を再定義し、従来の読書法から脱却することで、ビジネスで結果を出せるようになると述べています。著者のアプローチは、単なる知識の蓄積や速読術とは異なり、読書から得た知見を実際のビジネスシーンで活用することに焦点を当てています。

羽田氏が提唱する「視点読書」と「法則読書」という2つの読書スタイルは、読者に新たな視座を提供し、本の内容をより深く理解し、実践に移すための具体的な手法を示しています。これらの方法は、ビジネス書の読解に特化していますが、その本質は幅広い分野に適用可能です。 

著者は、単に本を読むだけでなく、その内容の抽象度を上げることで理解度を深め、実生活やビジネスに活かすことが真の読書の目的であると主張しています。

「視点読書」の第1ステップでは、ビジネス書から著者独自の「視点」を発見することに重点を置きます。これは単なる情報の収集ではなく、著者の思考プロセスや問題へのアプローチを理解することを意味します。第2ステップでは、発見した視点を抽象化してとらえ直します。これにより、特定の状況に限定されない、より汎用的な洞察を得ることができます。

一方、「法則読書」の第1ステップでは、ビジネス書から普遍的な「法則」を発見することを目指します。これは、著者が提示する成功のパターンやビジネスの原理原則を見出すプロセスです。第2ステップでは、これらの法則を抽象化してとらえ直します。抽象化することで、異なる文脈や状況にも適用可能な、より柔軟な知識として使い倒せるようになります。

特に「視点・法則リスト」を作成しながら読書を進める「10倍読書」の手法は、その効果をさらに高めます。10倍読書を通じて「視点・法則リスト」を育てていくプロセスは、継続的な学習の強力な動機づけとなります。確かに、深い思考を伴う10倍読書は負荷が高いものですが、その分だけ目に見える成果が得られます。リストが充実していく様子は、自己成長の具体的な証となり、さらなる学習意欲を喚起します。

「視点・法則リスト」の有用性は、読書の枠を超えて広がります。日常生活やビジネスの場面においても、新たな視点や法則を見出す感覚が磨かれていきます。10倍読書で培った洞察力は、会議での発言や問題解決の場面など、あらゆるコミュニケーションや思考プロセスに活かされるようになります。

時間の経過とともに、「視点・法則リスト」は新たな価値を生み出します。過去に得た知見を振り返ることで、現在の状況に適用できる新しいアイデアが浮かぶこともあるでしょう。

実務においても、この「視点・法則リスト」は強力なツールとなります。常にリストを参照し、日々の仕事に新しい視点や方法論を取り入れることで、10倍読書で得た知見を実践に移すことができます。この実践を通じて、知識は確実に自分のものとなっていきます。

読書に効果をもたらす4つのステップ

羽田氏は、この「10倍読書」から得た学びを効果的にアウトプットするための4つのステップを提案しています。1、手書きのメモをメモアプリに転記する。
これは単なる転記作業ではなく、学んだ内容を再度整理し、デジタル化することで検索や参照を容易にする重要なプロセスです。私は読書メモをこのブログにストックし、そこから記事を書くようにしています。

2、イメージトレーニングを行いながら日々の仕事に活かす。
学んだ視点や法則を実際の業務シーンに当てはめ、どのように適用できるかをシミュレーションします。

3、個人の学びを組織の力に変える。
得た知識や洞察を同僚や部下と共有し、組織全体の知的資産として活用することを意味します。ここでは、学んだ内容を他者にわかりやすく説明する能力が求められ、それによって自身の理解もさらに深まります。

4、社会に共有する
ブログや SNS、講演などを通じて、自身の学びや インサイトを広く発信します。社会に共有することで、自身の考えに対するフィードバックを得られ、さらなる学びにつながる循環を生み出します。

羽田氏のこのアプローチは、読書を単なる個人的な知識獲得の手段から、社会的な価値創造のツールへと昇華させるものです。彼の方法論は、個人の成長だけでなく、組織や社会全体の知的レベルの向上にも貢献する可能性を秘めています。

私も日々、この書評ブログを執筆していますが、そのアウトプットの過程で多くの恩恵を実感しています。まず、自分の頭を整理する機会を持つことで、著者の視点を深く取り入れることができます。また、過去のブログを読み返すことで、読書によって得た知識の点と点がつながり、新たなアイデアが生まれることもあります。

さらに、ブログを通じて著者や編集者との新たな出会いが生まれ、読者からは感想や読むべき本についての貴重なフィードバックをいただけます。そして、この日々の更新が、書評家・ビジネスコンサルタントとしての自身のブランド構築にもつながっています。

読書の真の価値は、単に本を読む量を増やすことにあるのではありません。それは私たちの思考や行動に大きな変化をもたらすことにあります。

私自身、定期的に過去の書評ブログを読み返していますが、そこから課題解決のヒントを得て、ビジネスで具体的な成果を上げることができました。また、時間をおいて「視点・法則リスト」を見直すことで、自分自身の成長や変化を客観的に捉えることができます。

読書は、知識を得るだけでなく、思考を深め、行動を変え、そして社会に価値をもたらす力を持っています。10倍読書と「視点・法則リスト」の活用は、その力を最大限に引き出す効果的な方法といえるでしょう。この手法を通じて、私たちは個人としての成長を遂げながら、同時に社会全体の知的レベルの向上に貢献することができるのです。

重要なのは、本を読んで良いと思ったことをすぐにアウトプットし、行動に移すことです。この「行動する読書」によって、著者の知見を抽象化し、さまざまな場面で活用できるようになります。具体的な行動を通じて、知識は生きた経験となり、より深い理解と応用力が培われるのです。

10倍読書により得た知識を「視点・法則リスト」としてまとめることで、単なる情報収集を超えた深い学びが可能になります。様々なカテゴリーの著者の視点や法則に触れ、それらを整理・活用する能力が向上します。この習慣は個人の成長だけでなく、ビジネスにも好い影響を与えます。

 

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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