不安への正しい対処の仕方。メンタルマネジメント大全(ジュリー・スミス)の書評

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一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全
ジュリー・スミス
河出書房新社

メンタルマネジメント大全(ジュリー・スミス)の要約

不安は私たちの人生につきものですが、それを避けていると不安に脳を支配されてしまいます。呼吸や運動、書き出すことで不安を軽減できます。不安に対する注意の向け方を変え、セルフコンパッションを実践し、状況をリフレーミングすることで、私たちは不安とうまく付き合えるようになり、充実した人生を送ることができます。

不安を和らげたければ、呼吸が効果的

脳に何かを確信させるには、その行動をできるだけ多く繰り返さなければならない。最も頻繁に行うことはコンフォート・ゾーンに入る。そのため、何かについて不安を感じたくなければ、できるだけ頻繁にそれを行えばよいのだ。そうすれば、不安と共存できるようになり、やがて不安は減っていくだろう。(ジュリー・スミス)

不安は私たちの人生につきものですが、それを避けるのではなく、向き合うことで成長の機会を得られます。日々少しずつ不安に立ち向かうことで、徐々に自信がつき、変化を実感できるようになります。

まずは、これからの5年間を想像してみましょう。恐れではなく、自分の望む人生に基づいて決断をしたら、どのような未来が待っているでしょうか。この想像力を働かせることで、不安に立ち向かう勇気が湧いてくるかもしれません。 不安に悩んでいる方は、すぐに効果のある対処法を知りたいと思うでしょう。

多くの人がセラピーを始める時、即効性のある技術を求めていると著者のジュリー・スミスは述べています。彼女のおすすめは呼吸です。呼吸はわずか数分で不安を和らげ、パニックへのエスカレートを防ぐことができる素晴らしいツールです。

不安が高まると、体は闘争・逃走反応のために酸素を多く取り込もうとし、呼吸が浅く速くなります。しかし、意識的に呼吸をコントロールすることで、この反応を抑えることができるのです。

ゆっくりとした呼吸法を練習するのは、素晴らしい投資だ。それは即効性のある不安解消法で、いつでもどこでも、誰にも知られることなく実行できる。

呼吸法の素晴らしい点は、いつでもどこでも、他人に気づかれずに実践できることです。電車の中や仕事中、人混みの中でも、こっそりと行うことができます。 日々の練習を通じて、この呼吸法を習慣化することで、不安に対処する力が自然と身についていきます。最初は難しく感じるかもしれませんが、継続することで必ず効果を実感できるはずです。

私も呼吸を習慣化することで、不安を和らげています。この方法はいつでもどこでもできますし、お金を不要なのでおすすめです。

「スクエア・ブリージング」も効果が有ると著者は言います。
①近くの窓、ドア、額縁、コンピュータのスクリーンなど、四角い物を見る。
②左下の角を注視し、4秒かけて息を吸いながら、視線を左上の角まで上げる。
③4秒間、息を止めたまま、視線を右上の角まで動かす。
④4秒かけて息を吐きながら、視線を右下の角まで下げる。
⑤4秒間、息を止めたまま、視線を左下の角まで動かす。
⑥以上を繰り返す。

4秒かけて息を吸い、4秒間息を止め、4秒かけて息を吐き、4秒間息を止めることを繰り返すことで、気持ちが落ち着きます。四角い物を注視すると、気が散るのを防ぎ、呼吸に意識を集中させらます。

運動は不安解消の優れた方法です。これは、私たちの体が不安を感じたときに自然と動く準備をしているからです。この生理的な反応を活かし、実際に体を動かすことで、ストレスホルモンやエネルギーを消費し、心身のバランスを取り戻すことができます。

ストレスの多い日には、外でジョギングをしたり、サンドバッグを叩いたりするのが効果的です。このような運動は体の緊張を解き、運動後にはリラックスした状態になります。その結果、睡眠の質が向上し、心身の回復も促進されます。 運動は不安の予防にも役立ちます。

日々の運動習慣を身につけることで、翌日のストレス耐性が高まり、より良い1日を過ごせる可能性が高まります。定期的な運動は、私たちの心と体に良い影響を与え続けるのです。 不安を感じたときだけでなく、調子の良い日も運動を心がけましょう。そうすることで、心身の健康が維持され、不安への抵抗力が高まります。運動は私たちの心と体にとって、感謝すべき大切な活動なのです。

書き出すことで不安を軽減できる?

不安なときに生じがちな思考バイアスに気づくことも有益だ。ある思考にバイアスがかかっていることに気づき、ラベル付けできれば、その思考と距離を取ることができる。

不安に対処する効果的な方法の1つは、自分の思考パターンに注目することです。不安なときには、思考にバイアスがかかりやすくなります。このバイアスに気づき、ラベルをつけることで、その思考から少し距離を置くことができます。

例えば、「このスピーチで笑われる」と思う代わりに、「自分が笑われると考えている。この考えが不安を引き起こしているな」と客観的に捉えてみましょう。最初は慣れないかもしれませんが、この方法で思考を1つの経験として見ることができるようになります。

また、思考を書き出すのも効果的です。不安だけでなく、様々な感情や状況に対しても使える方法です。考えていることや感じていることをすべて書き出すことで、新しい視点から自分の経験を見つめ直すことができます。 これらの方法を使うことで、不安な思考に振り回されずに、より冷静に状況を分析し、対処することができるようになります。思考と適度な距離を保つことで、不安をコントロールする力が身につくのです。

私は不安な思いが頭に浮かんだら、すぐにそれを書き出すようにしています。不安の原因を具体的に列挙し、それぞれが本当に事実なのか、それとも単なる推測や思い込みなのかを確認します。この過程で、多くの場合、自分の不安が必ずしも現実に基づいたものではないことに気づきます。

また、書き出す作業を進めるうちに、それまで気づかなかった解決策が見つかることもあります。「こうすれば対処できるかもしれない」という具体的なアイデアが浮かぶことで、積極的に行動できるようになります。このブログを書くという習慣も私の不安撃退法になっています。

不安に過度に注目すると、身体にも悪影響が出ます。心拍数の上昇、発汗、筋肉の緊張などの身体症状が現れ、これがさらなる不安を引き起こす悪循環に陥ることがあります。また、最悪のシナリオを繰り返し考えることで、脳はそのネガティブな情報を基に世界を理解しようとします。その結果、現実よりもはるかに悲観的な世界観が形成されてしまいます。 しかし、私たちには注意の向け方を変える力があります。

ネガティブな思考が絶え間ない注意を要求する場合でも、注意のスポットライトはコントロールできる。

この力を活用することで、不安の悪循環を断ち切り、より健康的な思考パターンを築くことができるのです。 セルフコンパッション(自己への思いやり)は、不安に対処する効果的な方法の1つです。これは、自分自身に対して優しく、理解ある態度を取ることを意味します。自己批判を認識し、共通の人間性を思い出し、自分に優しく語りかけることが重要です。

また、マインドフルネスを実践し、現在の瞬間に意識を向け、判断せずに自分の感情を観察することも効果的です。十分な睡眠、健康的な食事、適度な運動など、自己ケアを行うことも、セルフコンパッションの一部です。これらの実践を通じて、不安反応を和らげ、より穏やかな心の状態を維持することができます。

「リフレーミング」は、状況の捉え方を変えることで、困難に対する私たちの反応を変える強力な技法です。例えば、重要なプロジェクトを任されたとき、「失敗したらどうしよう」と考えるのではなく、「これは自分の能力を伸ばす良い機会だ」と捉え直すことができます。

このように困難を「挑戦」としてリフレーミングすることで、逃げ出したい気持ちを前向きな行動エネルギーに変えられます。その結果、状況をよりコントロールしやすくなり、目標に向かって進むことができるのです。 脅威を挑戦としてリフレーミングすることで、私たちは勇気を持つことができます。

そして、恐怖ではなく、自分にとって本当に大切なことに基づいて決断し、行動することが可能になります。例えば、プレゼンの前に、「失敗したらどうしよう」という恐怖に基づいて行動するのではなく、「これは自分を成長させる機会だ」という価値観に基づいてチャレンジすることで、自分をアップデートできます。

不安は私たちの人生の一部ですが、それに支配されることはありません。注意の向け方を変え、セルフコンパッションを実践し、状況をリフレーミングすることで、私たちは不安とうまく付き合い、より充実した人生を送ることができます。

これらのメソッドを日々の生活に取り入れ、実践することで、不安に対する耐性が徐々に高まっていきます。そして、困難な状況に直面したときも、より落ち着いて対処できるようになるでしょう。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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