超熟睡トレーニング 15万人の“日本人”のデータを集め、睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」だけが知っている(角谷リョウ)の書評

silver tabby cat sleeping on white blanket

超熟睡トレーニング
角谷リョウ
Gakken

超熟睡トレーニング (角谷リョウ)の要約

質の高い睡眠を得るためには、就寝環境の整備や生活習慣の改善が重要です。適度な運動、規則正しい食事、就寝前のリラックスした時間の確保など、総合的なアプローチが必要となります。睡眠時間の長さだけでなく、各睡眠段階のバランスが取れていることが、心身の健康維持には不可欠なのです。

深いノンレム睡眠、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の3つのバランスが重要

深いノンレム睡眠、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の3つのいずれも必須で、バランスが取れている状態で存在するのが大切だということ。どれも欠かせません。(角谷リョウ)

15万人以上の日本人の睡眠改善をサポートしてきて、医師や学会で最新の知識を集めてきた「上級睡眠健康指導士」角谷リョウ氏は日本人特有の睡眠不調を招く原因があると指摘しています。
①日本人は不安遺伝子が多い
②座っている時間が長い
③スマホ依存
④夜間照明が明るすぎる
⑤寝酒に頼る
⑥自称「ショートスリーパー」が多い
⑦太っていなくと睡眠時無呼吸症候群にになりやすい

睡眠のメカニズムと健康への影響について、最新の研究から興味深い知見が明らかになってきています。人間の睡眠は大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態があり、それぞれが私たちの心身の健康に重要な役割を果たしています。

レム睡眠は、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)を伴う睡眠状態として知られています。この間、脳は覚醒時に近い活発な活動を示し、夢を見ることが多くなります。レム睡眠中は、感情の処理や記憶の整理、創造性の向上に関わる重要な活動が行われています。

最新の研究では、レム睡眠が不足すると情緒不安定になりやすく、ストレス対処能力も低下することが判明しました。 一方、ノンレム睡眠は深さによって異なる段階があります。浅いノンレム睡眠については、新しい神経組織を作ったり、記憶や技術の習得を行うなど、これまで考えられていた以上に重要な役割があることがわかってきました。この段階は学習能力や記憶力の向上に不可欠です。

深いノンレム睡眠では、成長ホルモンの分泌が促進され、身体の修復や免疫機能の強化が行われます。この時期の脳波は徐波と呼ばれるゆっくりとした波形を示し、身体の回復に最も重要な時間帯となります。

これら3つの睡眠状態は、一晩の睡眠の中で周期的に現れます。通常、睡眠の初期には深いノンレム睡眠が多く、夜明け前にかけてレム睡眠の割合が増加します。この自然なリズムが乱れると、様々な健康上の問題が生じる可能性があります。

特に、深いノンレム睡眠が不足し浅い睡眠が続く状態や、入眠直後からレム睡眠が長く続く状態は、うつ病のリスクを高めることが報告されています。

睡眠では夜より、朝が重要な理由

朝、セロトニンというホルモンをしっかり出しておくという方法。なぜかというと、メラトニンは朝に分泌されるセロトニンというホルモンが、変化したものだからです。 つまり朝からセロトニンをきちんと出せていれば、夕方になるとメラトニンに変化させ ることができるのです。

セロトニンとメラトニンの関係を理解することは、質の高い睡眠を手に入れるための重要な鍵となります。朝に分泌される幸せホルモン「セロトニン」は、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」へと変化します。この自然な流れを活用することで、私たちは心地よい眠りを手に入れることができるのです。

朝のセロトニン分泌を促すためには、特別な努力は必要ありません。朝日を浴びることや、軽い運動を取り入れるだけで十分な効果が期待できます。これらの簡単な習慣が、夜の良質な睡眠への第一歩となります。 しかし、せっかく作り出したセロトニンがメラトニンに変化した後、その量を維持することも同様に重要です。

そのためには、日常生活の中でいくつかの工夫が必要となります。 夕食は就寝の3時間前までに済ませるとよいと著者は指摘します。これは、消化活動による体温上昇を抑え、自然な体温低下を促すためです。また、就寝30分前には温かいお茶と控えめな量のスイーツを取ることで、穏やかな気持ちで眠りにつく準備を整えることができます。

夕方以降は、照明を徐々に暗くしていくことも効果的です。明るい光はメラトニンの分泌を抑制してしまうため、環境光を調整することで、体内時計のリズムを整えることができます。 寝室の環境づくりも重要です。遮光カーテンを使用することで、外部からの不要な光を遮断し、良質な睡眠環境を確保することができます。

特に、都市部では街灯やネオンの光が気になることも多いため、遮光カーテンの使用は有効な対策となります。 さらに、寝室からスマートフォンを締め出すことを強くお勧めします。スマートフォンの青色光は、メラトニンの分泌を著しく阻害することが知られています。

これらの習慣を日々の生活に取り入れることで、朝のセロトニン分泌から夜のメラトニン変換まで、ホルモンの自然なリズムを維持することができます。

『感謝日記」を書くのも中途覚醒を防ぐことにつながります。要は夜になるとネガティブ思考に傾きがちなのを、ポジティブ思考に変換して、心配、」とを減らそうというものです。これも紙にペンで書くのを推奨します。 感謝と言つても、そう大がかりなものである必要はありません。「今日、こんなことが あってよかったな」と感じたことを書いていきましょう。長い文章である必要はなく、箇条書きで十分です。

感謝日記とは、その日一日の中で感謝を感じた出来事や気持ちを書き留めていく日記のことです。心の健康を保ち、前向きな思考を育むための効果的な手法として注目されています。(感謝日記の関連記事

感謝日記の特徴は、以下のようなものです。 日々の小さな幸せに気づくきっかけとなります。例えば、「美味しい晩ごはんを家族と食べられた」「クライアントから褒められた」などの日常の出来事に感謝の気持ちを向けることで、日常の喜びを再発見できます。

就寝前に書くことで、一日を前向きな気持ちで締めくくることができます。夜間に生じやすいネガティブな思考を、ポジティブな視点に切り替える効果があります。

感謝日記を書く際のポイントとして、大げさな出来事を探す必要はありません。「今日も元気に過ごせた」「家族と会話を楽しめた」など、普段の生活の中で当たり前に感じていることにも目を向けましょう。 継続することで、日常生活の中での「気づき」が増え、物事を前向きに捉える習慣が身についていきます。

就寝前に感謝の気持ちを書き留めることで、心が穏やかになり、よりスムーズな入眠へとつながります。不安や心配事に悩まされることが少なくなり、質の高い睡眠を得られやすくなるのです。 心の健康面では、ネガティブな感情を和らげる効果があります。

日々の出来事を「感謝」という視点で見つめ直すことで、物事をポジティブに捉えられるようになります。これは心のバランスを整える、優れたセルフケアの方法と言えます。 さらに、感謝日記には「タイムカプセル」のような役割もあります。

気持ちが落ち込んだときに過去の日記を開くと、かつての幸せな瞬間が詰まっています。それを読み返すことで、「あの時も良いことがあった」と思い出し、前を向く勇気をもらえるのです。

このように、感謝日記は私たちの心と体に優しい効果をもたらしてくれます。毎日ほんの少しの時間を使って書くだけで、より健やかで充実した日々を過ごすためのサポートとなってくれるでしょう。私も10年以上感謝日記を続けていますが、効果を実感しています。

著者はこれ以外にもさまざまな熟睡手法を紹介しています。寝る前の排尿体操や胸式&腹式呼吸法、腸活トレーニングなど実践したいと思いました。

質の高い睡眠を得るためには、就寝環境の整備や生活習慣の改善が重要です。適度な運動、規則正しい食事、就寝前のリラックスした時間の確保など、総合的なアプローチが必要となります。睡眠時間の長さだけでなく、各睡眠段階のバランスが取れていることが、心身の健康維持には不可欠なのです。

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