一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略 世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」(角谷リョウ)の書評

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一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略 世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」
角谷リョウ
PHP研究所

一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略  (角谷リョウ)の書評

睡眠をコントロールすることは、自分自身の健康や幸福を守るために必要不可欠な行動です。自分の生活環境や習慣を見直し、睡眠に対する意識を高めることで、より充実した日々を送ることができるでしょう。幸せになるためには、良質な睡眠が欠かせないのです。著者の7つの睡眠戦略でる質の高い睡眠が確保できるようになります。

7つの睡眠戦略で良質な睡眠を確保しよう!

長眠、短眠、二分割睡眠…… これら「7つの武器」を戦略的に使い分け、 狙った通りに最高のパフォーマンスを 発揮する。 この全く新しいアプローチこそが、 最高の睡眠なのです。(角谷リョウ)

上級睡眠健康指導士の角谷リョウ氏は、14万人以上の睡眠を改善してきた超回復コーチとして知られており、睡眠に関する専門知識を持っています。本書は、忙しいビジネスパーソンや働く人々にとって、睡眠を通じて日々の成果を最大限に引き出すためのヒントを提供しています。(角谷氏の関連記事

著者は7つの睡眠戦略を紹介しています。
・戦略1 「短眠戦略」 
・戦略2 「快眠戦略」 
・戦略3 「長眠戦略」 
・戦略4 「二分割睡眠戦略」 
・戦略5 「多分割睡眠戦略」 
・戦略6 「フレックス睡眠戦略」 
・戦略7 「チーム睡眠戦略」
自分にあった睡眠戦略を見つけることで、睡眠の質が高まり、自分の人生をコントロールできるようになります。結果、パフォーマンスが高まり、幸せな時間を増やせるようになるのです。

・戦略1 超絶回復力で猪突猛進 ザッカーバーグの「短眠戦略」 
睡眠時間を1日5時間前後に抑え、活動時間を増やす短眠戦略です。 私はこの短眠戦略を実践しています。夜は早く眠り早朝に集中時間を設け、その日のタスクを朝に終了させ、クライアントである経営者とのミーティングに備えます。

超朝型にシフトすることで、朝のやる気を最大限に活用し、心身ともに仕事モードに入ることで、驚くほど高いテンションと集中力で大量の仕事をこなせるようになります。
1. 活動時間の増加
超朝型生活の最大のメリットは、活動できる時間が増えることです。早朝の時間を活用することで、通常の仕事時間外に多くのタスクを片付けることができます。これにより、仕事の負担が軽減されるだけでなく、プライベートの時間も増え、バランスの取れた生活を送ることが可能になります。

2. 高い集中力と生産性
朝は脳がリフレッシュされているため、集中力が高まりやすい時間帯です。この時間を有効に活用することで、複雑なタスクや創造的な作業に取り組むのに最適です。多くの研究が、朝の時間帯における集中力と生産性の高さを証明しており、早朝に仕事を始めることで効率的に業務を進めることができます。

3. ポジティブなマインドでスタート
朝早く起きて活動することで、一日のスタートをポジティブに切ることができます。朝の時間を有効に使うことで、達成感を感じ、モチベーションが高まります。このポジティブな感情は一日を通じて持続し、仕事に対する意欲も高まるでしょう。

4. 静かな環境でスタートダッシュ 
早朝は一般的に周囲が静かで、外部からの干渉が少ない時間帯です。この環境を利用することで、集中して作業に取り組むことで、スターチダッシュを切れます。また、静かな環境はストレスを軽減し、リラックスした状態で仕事に取り組むことができるため、質の高い成果を生み出すことができます。

5. 健康への好影響
早起きは健康にも良い影響を与えます。規則正しい生活リズムを保つことで、睡眠の質が向上し、体調が整います。また、朝の時間を利用して運動を取り入れることで、心身ともにリフレッシュし、エネルギッシュに一日をスタートさせることができます。

ただ短眠戦略は長期には向かないと言うことで、ザッカーバーグも最近では睡眠の質と量にこだわっていると言います。私の場合は夜早く寝ることで、睡眠の質を高める努力をしています。

睡眠をコントロールすることは、自分をコントロールすること

・戦略2 幸福とアイデアにあふれる エリザベス女王の「快眠戦略」
快眠戦略は、自分にとって質・量ともに最適な睡眠を取り、心身の状態を整えることを目的にしています。世界の人々に敬愛された故・エリザベス女王、マイクロソフト創業者で今は社会活動家のビル・ゲイツ、賢人と称される伝説の投資家ウォーレン・バフェットら、お金や実績にとどまらないレベルの成功を収めている人たちがこの戦略を活用しています。

睡眠は私たちの健康や生活全般に大きな影響を与えます。質の良い睡眠を得ることは、日中のパフォーマンスや健康状態に直結しており、快眠戦略を確立することは自己管理の重要な一環であり、成功を収めるための基盤とも言えるでしょう。

以下、私の習慣をご紹介します。
・毎朝3時に起きる習慣
私は毎朝3時に起きることを習慣にしています。これにより、静かな早朝の時間を有効に活用でき、高い集中力と生産性を発揮することができます。

・夜のミーティングを避ける
夜のミーティングをできるだけ避けるようにしています。夜遅くの活動は、睡眠リズムを乱し、翌日のパフォーマンスに悪影響を与えるためです。

・会食の早めスタート
会食の際は、早めにスタートし、二次会には行かないようにしています。これにより、就寝時間が遅くならず、質の良い睡眠を確保できます。

・規則正しい生活リズム
毎日同じ時間に寝て起きることで、体内時計が整い、質の良い睡眠を得やすくなります。

・リラックスするルーティン
寝る前にリラックスする時間を持つことが重要です。深呼吸・瞑想を取り入れることで、幸福度がアップします

カフェインの摂取の時間帯に注意を払うことと断酒 
カフェインを遅い時間に取ることが、睡眠の質を低下させることがわかっています。午後のコーヒーを減らすこと胃を意識しています。また、17年前に大好きだったお酒をやめたことで、睡眠の質を劇的に改善できました。

・戦略3 超一流へぐんぐん成長 大谷翔平の「長眠戦略」 
1日10時間の長時間睡眠と昼寝を習慣にすることで、パフォーマンスアップ、これが大谷選手の成功の秘訣だと言います。

・戦略4 深夜に無敵の時間を作る 黒柳徹子の「二分割睡眠戦略」
二分割睡眠は、睡眠を一度にまとめて取るのではなく、2回に分けて取る方法です。具体的には、午後9~10時など夜早い時間に3時間眠り、深夜に一度目覚めてから3時間活動し、再び3時間眠るというサイクルを繰り返すものです。この方法では、最初の睡眠で深いノンレム睡眠に入り、日中の疲れを回復することができます。その後の深夜の3時間は心身ともに完全にリフレッシュし、疲れを解消します。

このようにして、2度目の睡眠でさらに疲れを取り除き、翌朝もすっきりと目覚めることができます。分割睡眠は、効率的に睡眠を取ることができるため、健康やパフォーマンス向上に役立つとされています。睡眠時間が確保しにくい忙しい現代社会において、二分割睡眠は一つの有益な睡眠方法として注目されています。

海外のクライアントとオンラインミーティングをしていたころは、私も二分割睡眠を行なっていました。確かに効果があったことを本書で思い出しました。

・戦略5 細切れでも頭すっきり クリスティアーノ・ロナウドの「多分割睡眠戦略」 
一度に長時間眠るのではなく、短い時間を何度も取る睡眠戦略のことです。この睡眠方法は、夜まとまった睡眠を取るのと同じように、十分な休息を得ることができます。

古くはダ・ヴィンチが4時間ごとに15分ずつ眠る多分割睡眠を実践し、その効果を得ていました。最近では、サッカー界のスーパースターであるロナウド選手も1日5回にわたって90分の睡眠を取ることでパフォーマンスを維持しています。このような成功者たちが実践する分割睡眠は、効率的な休息の取り方として注目されています。

一度に長時間眠ることが難しい人や、夜中に何度も目が覚める人にとっても、この方法は良い選択肢となるかもしれません。睡眠の質を向上させ、日中の生産性や健康状態を改善するために、分割睡眠を取り入れることは一考の価値があります。

・戦略6 自分の時間を生きる マドンナの「フレックス睡眠戦略」 
フレックス睡眠は、「自分自身が何時から何時まで眠るのか」を能動的に決めることで一日を効率よくフル活用する戦略です。自身の勤務時間に合わせて日をデザインすることができますし、たとえば朝たっぷりと練習したい学生スポーツ選手やアマチュアアスリートは朝型、誰にも邪魔されずに趣味を楽しみたい人は夜型、といった使い方も可能です。

世界的アーティストのマドンナは「夜の方がクリエイティブになれる」として、主に夜活動して午前4時に就寝。逆に、アップルCEOのティム・クックは部下たちが仕事を終えた夜間に大量に届くメールに目を通し、的確な指示を出すため、午前4時前に起きていることが知られています。

フレックス睡眠のメリットは、自分の生活リズムや目標に合わせて睡眠時間を調整できることです。例えば、朝型人間は朝早くに目覚めて効率的に仕事や勉強ができるため、仕事や学業に集中することができます。一方、夜型人間は夜遅くまで活動し、夜中に集中力が高まるため、創造性やアイデアの練り上げに適しています。

睡眠は個人によって必要な時間や質が異なるため、フレックス睡眠はその人の生活スタイルや好みに合わせて柔軟に取り入れることができるのが魅力です。私も夜型から朝型にシフトし、パフォーマンスを高めてきたので、このアイデアには共感を覚えました。

自分にとって最適な睡眠パターンを見つけることで、日々のパフォーマンスを向上させることができるでしょう。また、睡眠不足は健康リスクやパフォーマンスの低下につながるため、自分の体調や生活リズムに合った睡眠を確保することが重要です。

・戦略7 みんなで眠って、いいチーム ラリー・ペイジの「チーム睡眠戦略」

もしもメンバーの多くが睡眠不足を解消し、頭がすっきりと冴えた状態で会議に臨むようになったら、リーダーのメッセージは今よりもずっと彼らの頭と心に刻み込まれるはずです。 メンバーの睡眠改善は、一人ひとりのパフォーマンスを向上させるだけにとどまらず、組織の一体感も高めてくれます。個の力と組織力の両方を高め、相乗効果で組織全体の生産性を大きく引き上げてくれるのです。

現代社会において、残業は多くの労働者にとって悩みの種となっています。実際、経済産業省の試算によると、従業員の睡眠不足を解消することで得られる生産性向上の効果は、一人あたり年間32万8644円に達します。これは、運動不足を解消した場合の効果(3万4850円)や肥満を解消した場合の効果(3万1106円)の約10倍に相当します。

そのため、リーダーやマネージャーは部下の残業時間を減らす取り組みが重要です。部下が帰宅できる状況であれば、可能な限り残業を減らすことや、睡眠をしっかりとることを促すことが必要です。

また、仮眠やまとまった睡眠を取る機会を与えることも大切です。睡眠時間の確保や質の向上は、部下の健康やパフォーマンスに直結します。部下の睡眠状態を把握し、適切なサポートを提供することで、生産性の向上やメンバーの健康増進につながるでしょう。

「睡眠をコントロールすることは、自分をコントロールすること」という著者の言葉が響きました。睡眠をコントロールすることは、自分自身の健康や幸福を守るために必要不可欠な行動です。自分の生活環境や習慣を見直し、睡眠に対する意識を高めることで、より充実した日々を送ることができるでしょう。状況に応じて、睡眠戦略を組み合わせるとよいと著者は言います。

自分をコントロールし、睡眠を大切にすることで、心地よい日々を過ごすことができます。言い換えれば、幸せになるためには、良質な睡眠が欠かせないのです。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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