アテンション―「注目」で人を動かす7つの新戦略(ベン・パー著)の書評

スタートアップが本当に必要としているのは、報道に対応し、販促キャンペーンの計画を立て、口コミで販路を広げ、もっとも効率よく顧客を獲得し、ハリウッドのビジネスと連携するといったノウハウだということに気づいた。言い換えれば、彼らがベンチャーキャピタルに求めるのは、“注目されるための支援”なのだ。(ベン・パー)

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アテンション―「注目」で人を動かす7つの新戦略
ベン・パー著)の書評を
ずっと書こうと思っていたましたが、ようやく頭が整理でき書く気になれました。
良い記事を書こうと思って、気持ちが入りすぎたために、遅くなってしまいました。
良書の書評は、さっさと書かないといけないと反省しています。
本書は「strategy+business」誌の「ベストビジネスブック賞」を受賞しました。
あの小林弘人さんが解説を書くなど、売れる要素満載の一冊です。

アテンション [ ベン・パー ]
価格:1749円(税込、送料無料) 

なぜ、Amazonの「1-Clickで今すぐ買う」ボタンは
グレーでなく、オレンジ色なのでしょうか?
この選択にも、ちゃんと意味があるのです。

色の対比は、人の脳が刺激を見つけて注目するきっかけとなる。野生のなかで命をつないでくれる赤い果実は、緑の草や森の背景から浮き出して見える。もし自然の葉の色が緑ではなく紫だったら、赤はとうてい注目を得られない。そこから、ウェブサイトの赤や黄色やオレンジのボタンが目立つ理由もわかる。サイトの背景の大多数を占める白や灰色との対比がはっきりしているのだ。確かめたければ、すぐれた最適化のテクニックで知られるアマゾン・ドットコムの商品ページを見てみるといい。黄色の「カートに入れる」ボタンと、オレンジの「1-Clickで今すぐ買う」ボタンがすぐ目につくだろう。

アマゾンはUI UXを徹底的に研究し、場所、サイズ、カラーなどを決めています。
情報が爆発するスマホ時代に人々の「アテンション」を奪うのは極めて難しく
クリックさせるためには、色を上手に使って、目立たせることが必要なのです。

女性のヒッチハイクには、赤い服が効果的
襲われたら「助けて!」ではなく「火事!」と叫ぶなど
注目されるためには、人間の行動パターンを認識しないといけないのです。
人を集中させるためには、人の意識にしっかりと入りこまなければなりません。
即時、短期、そして長期の注目を得られるように
私たちはアイデアやメッセージを開発すべきなのです。

注目を本当に得て、維持し、育てるためには、人の「意識」に入りこまなければならない。即時の注目から反応を引き出すだけでなく、それを短期の注目にして、あなたや、あなたのアイデア、あなたのメッセージに集中させるのだ。

注目を長い間継続できれば、私たちはビジネスを成功させられます。

そして、注目を得るためには、以下の7つのトリガーが必要になります。

■自動トリガー  色やシンボルや音などの感覚的刺激を与え、無意識的な反応を引き起こして注目させる。
■フレーミング・トリガー  相手の世界観にしたがうか、それを覆すことによって注目させる。
■破壊トリガー  人々の期待をあえて裏切り、注目するものを変えさせる。
■報酬トリガー  内外からの報酬で人々のモチベーションを向上させる。
■評判トリガー  専門家、権威者、大衆の評価を用いて信頼性を高め、相手を魅了する。
■ミステリ!トリガー  謎や不確実性やサスペンスを作り出して、最後まで関心をつなぎとめる
■承認トリガー  自分を承認し、理解してくれる人には注目するものだ.。そうして深い結びつきを育てる。

何かを伝えたい相手の判断基準を理解することは、注目を得るうえで欠かせません。
様々なトリガーを活用することで、私たちは注目を得られます。
この7つのトリガーを上手に使えば、ビジネスで成功できるのです。

(観客の)歴史を知ること、そして彼らがどういう人たちかを知ること。注目してもらいたい重要なに観客の意識を導くときには、そういう知識を使うことが重要です。 (デイビッド カッパーフィールド)

パタゴニアの「このジャケットを買わないでください」など
アテンションを集めるためのケーススタディの数々も面白く
マーケティング担当の方には、ぜひ読んでいただいたい一冊が
このアテンション―「注目」で人を動かす7つの新戦略です。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

   

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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