アルコールと睡眠不足の共通点は、道路に出たときにも現れる。(ショーン・スティーブンソン)
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ショーン・スティーブンソンの
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術の書評を続けます。
実は睡眠不足はアルコール摂取と同程度の影響を脳に及ぼすことがわかっています。
ノースショア・スリ ープ・メディスン・クリニックのリサ・シ ーヴスによると
車の運転中に眠気に襲われると、飲酒したとき並みに
運転能力が低下するとのことです。
たとえば、20時間寝ていない状態で車を運転すれば
アルコールの血中濃度が0.08パ ーセントの人と同等のレベルまで
運転技術が下がってしまうのです。
この血中濃度は、アメリカ全土で飲酒運転とみなされる数値で
事故を引き起こすリスクが高くなります。
アメリカ運輸省道路交通安全局は
警察に毎年報告される交通事故のうちの10万件は
疲労や眠気が直接的な原因だと考えています。
ドライバーに対する飲酒運転禁止の啓蒙や罰則強化が進んでいますが
睡眠不足には罰則がないため、見落とされがちです。
日本でもバスやトラック運転手の寝不足での運転で事故が多発しています。
特に長距離のドライバーの勤務時間は長く
慢性的な睡眠不足の中で彼らは働いています。
この問題を放置することは、酔っ払い運転を推奨しているのと同じなのです。
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術 [ ショーン・スティーブンソン ] |
飲酒運転の懸念は世界的に広がっています。
あまりにも多くの命がその犠牲になっているために、飲酒運転の問題は理解されています。
この日本でも法改正や取り締まりが強化され、「飲んだら飲むな!」が徹底されています。
しかし 、睡眠不足についてのリスクの認識はまだまだのようです。
アメリカ睡眠財団が行った調査によると
車を運転中に眠気を感じたことがあると認めたドライバ ーは60パーセントで
運転中に居眠りしたことがあると答えたドライバーは
37パーセントに達しています。
日本でも多くの人が睡眠不足の運転でひやっとしています。
車を運転していて、危うく起こしそうになった事故の場面について
ソニー損保が調査したところ「居眠り運転による事故」が
35.9%と最も高くなっています。
いかに睡眠不足が危険かがわかります。
もしも、運転中に眠気に襲われたら、短時間でもよいので仮眠をとりましょう。
15分の短い睡眠でも脳は回復します。
事故を越しそうになる程眠くなっているのなら、無理は禁物です。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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