エンゲージメント指数は、会社への関与の度合いや仕事との感情的なつながりを評価する基準です。エンゲージメントの強い社員は仕事に対してポジティブで、会社に忠誠心を持っています。エンゲージメントが低いと、仕事にネガティブで会社を憎んでいるということになります。当然、社員のエンゲージメントが高い会社ほど生産性は高くなります。(橘玲)
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世界の働き方が進化する中、追いつけていない日本人!
勤勉でよく働くと言われている日本人のエンゲージメント指数が極端に低いことがわかっています。欧米やアジアのビジネスマンに比べ、日本のサラリーマンの生産性も低く、これが給料が上がらない原因になっています。
エーオンヒューイットによる「2014年アジア太平洋地域の社員エンゲージメントの動向」では、日本でエンゲージメントレベルが非常に高い社員は8%(22%)、ある程度高い社員は26%(39%)、低い社員は32%(23%)、非常に低い社員は34%(16%)となっています。(※カッコ内は世界平均)
ロバートハーフが5力国3556人の金融専門家を対象に行なった調査では、仕事に対する満足度で日本は47%で最低を記録しています。OECD(経済協力開発機構)によると、日本で自分の仕事に(ある程度)満足している社員の割合は72.4%でした。他の調査でも同じような傾向で、数々のデータから日本の会社はエンゲージメントレベルの高い社員がものすごく少なく、低い社員がものすごく多いことが明らかになっています。
橘玲氏は働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれるの中で、安倍政権の働き方改革の矛盾を指摘します。著者の橘氏は働き方の変化を以下の5段階に分類しています。
働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア
安倍政権が進める「働き方改革」とは、働き方1.0を強引に2.0にヴァージョンアップしようとしています。安倍首相は「雇用破壊」に邁進し、日本のサラリーマンの不安を高めています。 グローバル化、知識社会化・リベラル化する世界のなかで、働き方1.0は完全に機能不全を起こしているのです。
一方、海外では働き方3.0や4.0が主流になり、日本人は全くそれに追いついていけない状態が続いてます。組織や人間関係の煩わしさに悩む日本人は多いのですが、多くの人たちは変化を嫌います。ネガティブ思考のまま、終身雇用にこだわり、新しい働き方を模索するのをやめています。自分には変化は無理とあきらめている人が多いのが実態です。
不安感が大きいというのは日本社会に深く根づいた「病理」で、その結果、会社に「安心」を求めて終身雇用にこだわり、自分たちでタコツボをつくって苦しんでいるわけですが、これは逆にいうと、まわりがみんなネガティブなのだから、ポジティブな選択をするとものすごく有利になるということでもあります。
周りがネガティブな選択をする中で、ポジティブに考え、失敗を恐れず行動すれば、成功を引き寄せられます。実際、定年した後でも、スペシャリスト(価値を持った存在)になっていれば、その価値を提供することでいくつになっても稼げるようになります。定年退職としたスペシャリストとベンチャー企業がコラボする事例などを読むと、元気をもらえるはずです!
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新しい働き方に適応しよう!
日本ではサラリーマンの職場うつや過労自殺が社会問題になってお
り、長時間労働の是正が叫ばれていますが、 こころの病は長く働くことが原因ではありません。「いやなこと」 をえんえんとやらされるから苦しいのであって、好きなこと、 楽しいことであればどれほど長時間労働でもまったく苦になりませ ん。
40代の頃の私は未来に漠然と不安を感じ、ネガティブな選択ばかりをしていました。これでは、結果が出るわけがなく、どんどんマイナス思考になっていきました。しかし、マインドセットを変え、40代の後半に本を出版したあたりから、自分の人生がよい方向に変わり始めました。自分の価値を高め、仕事を楽しむ、好きな人と働くと決め、50代で独立したら、よいことが次々と起こるようになったのです。人的ネットワークを強化し、周りの人に価値を提供すること(ギバーになること)で、仕事のオファーが増えていったのです。
仕事でいやなことは次の3つに分類されます。
「いやなこと」は、
大きく3つに分けられるでしょう。1つは、 なんの意味があるのかわからない仕事。 すなわちブルシットジョブです。2つめは人間関係。「 今日もまた怒られるのか」と思いながら会社に通ったり、「 顔も見たくない」 同僚が隣の机に座っているのは苦痛以外のなにものでもないでしょ う。3つめは、 自分の能力を超える仕事の責任を負わされること。
最近では課題が複雑になり、「ゼネラリスト」だけでは、ビジネスがうまくいかなくなっています。「ゼネラリスト」としての経験しかないサラリーマンが、
逆に、スペシャリストは活躍の場を広げています。フリーエージェント的に働く人も増え、人生をエンジョイしています。BOBOS(ブルジョア・ボヘミンン)という新しいライフスタイルも話題になるなど、働き方が多様になっています。ノートパソコンと提供できる価値があれば、働きながら世界中を旅できます。テクノロジーのおかげで、これまでの働き方の常識にとらわれずに働くことが可能になってきました。
私も最近では月1程度海外に出かけていますが、iPhoneとパソコンさえあれば、どこでも働けます。スカイプやZoomでクライアントとのコミュニケーションを取りながら、新たなビジネスの種を探すことで自分の価値を高めるようにしてます。
働き方はこれからもどんどん変化するはずです。その変化に適応できる人たちのみが生き残っていくはずです。どこでも誰とでも働けるの中で、尾原和啓氏はこれから起こる3つの変化を予測します。
変化1 社会やビジネスがいっそうインターネット化する個人の働き
方は、多くのひとや会社と対等(フラット)な関係でつながり( リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)ようになる。
変化2 これから仕事で活躍できるのは、プロフェッショナルだけになる自分が何者であるか、 なにができてなにができないかを、自分の責任で「プロフェス( 公言)」し、相手がそれを評価し、信頼してくれる「プロ」 になれば、「どこでも誰とでも」働くことができるようになる。
変化3 会社と個人の関係が根底から変わるずっと学び、 ずっと働きながら、自分の趣味をまっとうする。 しかも変化する時代のなかで、 常に自分も変化しつづけることが求められるようになる。(尾原和啓)
自分の価値を高め、それを宣言し、自分の知識や人脈を惜しげもなくギブすることで、周りに良い人(ギバー)が集まってきます。ギバーに囲まれて働いていれば、良い仕事が紹介されるようになります。仕事と人生を楽しむ人、変化する人に良い情報が集まってくると考え、自分の価値を高めるためにポジティブに働くようにしましょう。
まとめ
日本人の働き方は旧態依然で、新しい働き方に追いついていません。好きなこと、やりたいことを選択し、そのスペシャリストになることで、よいことが起こるようになります。自分の価値を高め、それを宣言し、自分の知識や人脈を惜しげもなくギブすることで、周りに良い人(ギバー)が集まり、仕事のオファーが届くようになるのです。
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