人の成長には、「①読書」「②文章」「③人との交流」が不可欠である。(出口治明)
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人の成長に欠かせない3つのこと
唐の時代の太宗・李世民の言葉をまとめた『貞観政要』に人の成長に欠かせない3つのことが紹介されています。、臣下の劉泊は、「皇太子の教育が行き届いていない」ことを危惧し、太宗に上申しました。
陛下は聡明で、たくさんの官職を経験し、多才多芸で、文武ともに優れていて、皇帝を継ぐに至りました。諸国の秩序は保たれて、天下は治まっています。陛下は今でも十分に立派なのに、それでもなお『自分はまだ立派な君主ではない』と自分を戒めて、より良い政治を行うために腐心しています。それなのに、どうして太子の教育に力を入れないのか、私にはわかりません。
劉泊の上申のポイントは、次の3つでした。 「陛下は、夜がふけるまで読書をし、馬上でも書物を開いているのに、皇太子にはのんびりと遊ばせ、学問をさせていません。これが、私に理解できないひとつ目のことです」 「陛下が紡ぐ文章はとても美しく、繊細で、傑出しているのに、皇太子には、文章の書き方や表現の方法を学ばせていません。これが、私に理解できない2つ目のことです」 「陛下は、天下にひとり秀でているにもかかわらず、顔色をやわらげてさまざまな人の意見に耳を傾けています。そうした姿勢を保っているから、さまざまな情報が入ってくるのです。けれど皇太子は、宮中に入って陛下のそばにいるだけで、正しい人と交わることをしていません。これが、私に理解できない3つ目のことです」
太宗と皇太子の行動を比較し、皇太子を成長させるために、劉泊はあえて太宗に諫言を行ったのです。天下を統一した太宗が努力を続けているのに、一方の皇太子はのんびりした生活を送っています。国を安定させるために、皇太子の教育をもっと重視すべきだと劉泊は上司に伝えたのです。
文章を習慣化することで得られること
出口氏は人の成長には、「①読書」「②文章」「③人との交流」が不可欠であると言います。
①読書
本を読むとは、つまり、歴史から学ぶことです。悲しいことながら人間には過去の出来事以外に十分な教材がないのですから、本を読んで、先人をロールモデルとする必要があります。
②文章
文は人なり、筆は人なりです。文章を書くことで、自分の考えや情報を整理できます。日々、私は本を読み、そこから得たものをこのブログにまとめています。アウトプットを習慣にすることで、考えることが当たり前になりました。脳の中で様々な情報がつながり、よいアイデアは生まれるようにようになったのです。また、知識が定着するというメリットがあります。
文章に書き起こし、一つの文脈として覚えたほうが、記憶に残りやすいのです。日記よりブログなどが優れているのは、誰かに読まれることを想定するので、より文脈が整理されるからです。ひとりで観に行った映画の内容はほとんど覚えていないのに、友だち と観に行き、観終わった後に意見をいい合った映画は、今でもはっきりと覚えています。これは、直後に言語化(文脈化)したことで思考が整理され、知識が定着したからです。
③人との交流
上に立つ人は、裸の王様にならないように、苦言を呈してくれる人をそばに置いておく必要があります。人と交わらずに、自分ひとりで考えたところで、正しい判断はできません。
会社でもよいリーダーは部下をしっかりと働かせています。忙しさは、部下の不平不満を助長すると思われがちですが、むしろその逆だと出口氏は言います。
やることがなく暇な職員ほど、不満を口にします。社内の不安定の種はどこから生まれるかといえば、暇な職員からです。暇な職員は、「オレは信頼されていない」「上司に認められてな い」と思うようになり、やる気をなくします。部下に仕事を与えるのは、上司の愛情です。
部下の状態をしっかりとチェックし、部下の話を聞くようにしましょう。部下の話を傾聴し、相手の力を引き出したり、諫言によって、自分の行動を改善できる人が良いリーダーなのです。
まとめ
人の成長には、「①読書」「②文章」「③人との交流」が不可欠です。この3つを習慣化することで、結果を出せるようになります。特に文章を書くことで、自分の考えや情報を整理できます。知識が定着するだけでなく、新しいアイデアも浮かぶようになります。
参考図書 出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
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