山口周氏の劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのかの書評

意図的に新しい体験をキャリアに盛り込んでいかないと学習は停滞し、成長は止まってしまいます。同じような仕事を同じようなやり方でウン十年続けたとしても、それは「ウン十年の経験」にはならずに、ただ1年の経験から学び、あとは同じことをウン十回繰り返しているに過ぎません。現在の劣化したオッサンたちの多くは、残念なことにこの「1年の経験から学び、あとは同じことをウン十年繰り返した」結果として、現在のような状況に陥っていると考えられます。(山口周)


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劣化するオッサンにならない方法

日本社会の閉塞感は劣化するオッサンたちが原因だと山口周氏は、劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのかの中で指摘します。社会が大きく変化し、テクノロジーが進化する中で、成長しないオッサンが邪魔者になっています。かつては、年長者ほど能力も見識も高く、ゆえに地位も報酬もまた高いという常識がありましたが、多くのオッサンが学ばなくなった今、その常識は崩れ、年長者は若者の収入や出世を妨害する邪魔な存在になっているのです。

環境変化が早く、いわば「知識の旬」がどんどん短縮化するなかで、有効な知能を構築したければ、なるべく「旬の長い」知識、つまりは教養をインプットすることが重要です。年長者だからといって教養がなければ、価値がないと若者たちに見抜かれてしまいます。また、チャレンジマインドを失うと人は成長できなくなります。居心地のよい組織に馴染み、ルーチンな仕事を続けるだけでは、未来をつまらなくしてしまうのです。

心理学者のミハイ・チクセントミハイは、実業・文学・音楽・芸術・科学などの領域で類まれな業績を残した91名の人物を対象に詳細なリサーチを行い、彼うの「創造性」がどのような思考様式・行動様式と関連しているのかを調べ、その 結果をクリエイティヴィティフロー体験と創造性の心理学にまとめています。

チクセントミハイによれば、これらの類まれな業績を残した人々は、高齢になっても創造性を維持し続けているという際立った特徴を持っています。彼らには実は挑戦という共通点があったのです。

なぜこうした人々が、私たちが予想するよりも、歳をとることをより肯定的に捉えるのかを理解するのはたやすい。それは、彼ら一人ひとりが、たとえ最終的には到達できないものであったとしても、興味深く、やりがいのある仕事に、未だに深くかかわっているからである。頂上に到達し、驚きとともに壮大な景色を見回した後に、近くにあるより高い山の頂を見て喜ぶ登山家のように、こうした人々は決して刺激的な目標を失うことはないのであ る。

チクセントミハイは「創造的な人々は常に目標を持ち、挑戦を続けている、だからこそ知的パフォーンスを老齢になっても維持し続けられるのではないか」と考えていました。クリエイティブな人たちは常に「人生のアジェンダ」を明確に設定し、それをクリアするために日々、学習を続けていたのです。

一方、現在の日本のオッサンたちは理想を持たず、昨日と同じことを繰り返し、家畜のように生きているだけだと山口氏はオッサンを批判します。かつての私も劣化したオッサンで、日々酒を飲み、会社の愚痴を述べるだけの嫌な存在でした。自己投資をあまりせずにいたために、知的パフォーマンスも低下していました。

ようやく44歳の時に断酒を決め、週一のコーチングを受けることで、自分を変えることができました。ギリギリで劣化を防げ、著者になり、今ではコンサルタントとして独立できたので、著者のアドバイスにはとても共感を覚えました。

 

失敗を恐れず、チャレンジを続けよう!

五十ばかりより、そろそろ仕上げたるがよきなり。その内は諸人の目に立身遅きと思う程なるが、のうち(注:能事=なすべきこと)あるなり。(山本常朝)

40代までのセカンドステージは自己投資を繰り返すべきです。新しいことにチャレンジし、経験を積むことで、50代での飛躍に備えるのです。

人材育成に関する米国の著名な研究機関であるロミンガー社のマイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガーは、個人の能力開発がどのように発生しているのかを長年研究し、結論として「70:20:10の公式」を提唱しました。この公式によれば、個人の能力開発の70%は、実際の生活経験や職業上の経験、仕事上の課題と問題解決(直接学習)によって発生すると言います。

次の20%は間接学習です。職場や学校などで、模範となる人物(ロールモデル)から直に受ける薫陶(対人的学習)や、観察と模倣から起こります。そして、残りの10%が、能力開発で学校や研修などのフォーマルなトレーニングがこれにあたります。研修は効果が薄いのは意外ですが、それだけ直接学習が重要であることがわかります。

成長につながるような「良い業務経験」が重要なのですが、これができていないために、日本の会社は輝きを失ったのです。重要なポジションに年長者が居座り、ポジションが開かないために、若手が成長の機会を奪っています。良いリーダーは良い業務体験によって作られ、その良いリーダーがまた良い業務体験を人に与えてリーダーを育成しますが、これが今の日本ではできておらず、新しい世代の人材がスッカラカンになっています。

しかし、そろそろ年長者の時代も終わりを迎えそうです。モイセス・ナイム権力の終焉にも書かれていますが、世界中のあらゆる場所で権力は弱体化しています。この状況を踏まえれば、劣化したオッサン(無能な経営者、管理職)の終焉も近いはずです。 この劣化を避け、人生100年時代を生き抜くためには、様々なことにチャレンジすることです。何かをやめ、何か新しいことに取り組むことで、人生を豊かなもに変えられます。

オッサンたちのポジションを獲得するために、若手・中堅社員にも知的武装が求められます。本を読み、新たなことにチャレンジし、自分を磨く必要があります。

だからこそ、中堅・若手の世代は知的に武装し、劣化する権力に対してオピニオンを主張し、エグジットすることによって「同じ穴のムジナ」から抜け出ることが必要なのです。

20代から40代までの貴重な時間を意味のあるものに変えてくためには、入社後も学び続けなければなりません。自分の劣化を防ぎ、成長するためには、継続的な自己投資が欠かせないのです。

チクセントミハイは「フローの状態にある」ことが、幸福の条件だと述べています。そのためには、まず 「挑戦レベル」を上げ 、タスクに取り組むことで「スキルレベル」を上げていくしかありません。幸福な「フロー」のゾーンにいたるには、必ずしも居心地の良い状況ではない「不安「や「強い不安」のゾーンを通過しなければなりません。新たなことに挑戦することで、ゾーン体験ができ、幸せになれるのですから、様々な体験を重ねることを自分に課すべきです。

極論すれば、セカンドステージにおける学びの量は失敗の回数にそのまま正相関すると言ってもよいくらいです。アマゾンは創業以来70以上の事業に新規参入していますが、およそその3分の1は失敗して撤退しています。チャレンジして失敗してその学 びを次のチャレンジに活かす、というサイクルを高速で回しているからこそ、新規事業の成功確率をどんどん高めることができるのです。これは個人でも同様に言えることです。

常にチャレンジし、失敗を経験することで良質な結晶性知能が蓄積されれば、そのような知能や経験は、その人が世の中を生き抜いていく上で大きな武器になるはずです。私も日々読書をし、それを10年近くブログでアウトプットすることで、結果を残せるようになりました。書籍のアドバイスを取り入れ、自分の行動を改善したり、新しいビジネスにチャレンジすることで、時代の変化に適応できるようになったのです。

失敗してもそこから学べば良いことに気づきました。 失敗経験から盗めるものはできるだけ盗んで、次のフィールドで活かせばよいのです。新たなことにチャレンジし、フィールドを越境して移動しているからこそ、知識や経験を増やせます。多様な知識や体験を組み合わせることで、やがてユニークな知的成果をアウトプットできるようになります。

人生の終盤で後悔しないためにも、自己投資を続けましょう。人生をエンジョイするためには、同じ領域にい続けるのをやめ、新たなフィールドでチャレンジすることが重要です。劣化したオッサンにならないために、知識や体験を広げることに時間を使いましょう!私も新たなチャレンジを続けたいと思います。

まとめ

劣化するオッサンにならないためには、教養と挑戦が欠かせません。チャレンジマインドを失うと人は成長できなくなります。居心地のよい組織に馴染み、ルーチンな仕事を続けるだけでは、未来をつまらなくしてしまうのです。新たなチャレンジを続けることで結果を残せ、幸福度も増すことがわかっています。

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