成功するコミュニティを作る鍵はMTP(Massive Transformative Purpose)にあり。


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本書の要約

コミュニティの力を活用することで、テクノロジーの進化を加速させたり、新たなアイデアを生み出せます。 コミュニティの時間と知力を惜しみなく与える情熱を持った人々の力によって、MTP(世界に途方もない変化をもたらす目標)を実現できるようになります。

MTPがコミュニティにパワーをもたらす! 

DIYコミュニティーとは「世界に途方もない変化をもたらす目標(MTP=Massive Transformative Purpose)」の下に集う人々、心から支持するプロジェクトのために時間と知力を惜しみなく与える情熱を持った人々の集まりだ。(ピーター・H・ディアマンディス&スティーブン・コトラー)

ピーター・H・ディアマンディス&スティーブン・コトラーのボールド 突き抜ける力を再読していますが、その中にコミュニティー戦略が紹介されています。2人は「コミュニティー」と「クラウド」は違うと言います。クラウドとはネットユーザーすべてを指しますが、コミュニティはその一部でしかありません。

コミュニティは企業が協力関係を持つべき全ての人たちになります。主なコミュニティとして、「DIYコミュニティー」と「エクスポネンシャル・コミュニティー」の2つの型を押えておきましょう。

■DIYコミュニティー
「世界に途方もない変化をもたらす目標(MTP=Massive Transformative Purpose)」の下に集う人々、心から支持するプロジェクトのために時間と知力を惜しみなく与える情熱を持った人々の集まりです。このコミュニティに集まる人々は、無報酬で長時間働きます。彼はMTPがあるが故に、パッションを失わないと言います。

著者の1人であるピーター・ディアマンディスが創設したシンギュラリティ大学では、このMTPを教育の柱にしています。世の中をよくするという壮大な変革を実現したいというMTPが、そのワクワク感を人々にもたらします。コミュニティの核となる組織の壮大な目標を作ることで、優秀な人たちが引き寄せられ、それを実現するスピードを高めます。シリコンバレーのユニコーン企業の多くは、このMTPを作成していると言います。

■エクスポネンシャル・コミュニティー
特定のエクスポネンシャル技術(機械学習、3Dプリンティング、合成生物学など)に強い情熱を抱き、スキルや経験を共有するために結束した人々の集団です。

人は誰かのために貢献したいものですが、そのためには旗を鮮明にする必要があります。コミュニティに集まる理由(MTP)をつくることが、よいコミュニティづくりの第一歩になります。

良質なコミュニティのための9つのステップ

地球上で最も優秀な人々は、たいてい誰か他の人のために働いている。(ビル・ジョイ)

インターネットによって、物理的距離はなくなり、世界中の熱意ある優秀な人たちの力を活用できるようになりました。クリエイティビティーとは〝再結合〟ですが、世界中の才能が出会い、結合することで、新たなアイデアが生まれます。コミュニティーの内部で新たなアイデアが増幅することででイノベーションが加速していきます。

イノベーションの加速に加えて、世界中の専門家の協力を得られるようになったこと、新事業に資金をもたらすクラウドファンディングの威力があいまって、取り組むことのできるプロジェクトのスケールが飛躍的に拡大します。インターネット時代のコミュニティーは、過去とは比較にならないほど広範かつ大規模な課題に取り組む力を持つようになったのです。

たとえば、ネット上で同好の士が集まった「DIYドローンズ」は、軍用機並みの無人機の開発に成功しました。また「ローカルモーターズ」は完全にカスタマイズ可能な自動車を開発しています。コミュニティーを正しい形で立ち上げ、メンバーの活発な対話を促進することで、途方もない目標を実現できるようになるのです。

人がコミュニティーに参加するのはそれによってアイデンティティーを確認するためだが、コミュニティーにとどまるのは対話をしたいためである、ということだ。最も成功しているコミュニティーがメンバー同士を交流させているのはこのためだ。コミュニティーが対話を促している。あなたが新たなコミュニティーを組織するなら、相互作用を活発にすることが最大の仕事になる。

良質なコミュニティーをつくりたければ、以下の9ステップを実践するようにしましょう!
①アイデンティティー MTP(世界に途方もない変化をもたらす目標)は何か
②コミュニティー・ポータルの設計
③コミュニティーづくりのリソース
④コミュニティーづくりの初期段階
⑤コミュニティー・コンテンツの制作
⑥エンゲージメントとエンゲージメント戦略
⑦コミュニティーのマネジメント
⑧成長を促す
⑨収益化

MTPを作り出すことに加え、初期のメンバー集めにも注意を払うべきです。研究によると、最初に製品・サービスを採用した人は、最も熱心なサポーターになる傾向があると言います。最初の10~15人のメンバーはあなたが自ら選ぶことで、コミュニティーを軌道に乗せるようにしましょう。コミュニティー立ち上げのプロセスには必ずメンバーを参加させ、彼らにアドバイスを求め、そのインプットを反映するようにすることで、よいコミュニティの型をつくれます。

コミュニティづくりのための7つの戦略

人はみな誰かと話をするのが好きだ。そのように進化したのだ。だから部族を成長させるのに最も効果的な方法は、人と人とを結びつけることだ。ただそれだけならコーヒーショップをつくればいいだけの話だ。それに加えてリーダーであるあなたからのメッセージが必要だ。どこに向かおうとしているのか、世界にどんな変化をもたらそうとしているのか。みなが実現したいと思うようなミッション、運動、場所を掲げよう。(セス・ゴディン)

コミュニティづくりに重要なことは、明確に定義されたMTPと、それを実現するために人々が集う場所をつくることです。著者達はこの基本を押さえたうえで、7つの戦略を実行することで、よいコミュニティをつくれます。

①啓蒙する
コミュニティーを成長させるために、最も効果的な方法はロコミです。重要なのは旗幟を鮮明にして、自分が何をしようとしているかを世の中に伝えることなのです。

②仲間と協力する
周囲の組織と手を組み、そこからコミュニティを大きくしていきます。

③競争人はみな競争が好きだ。
スコアボードやレーティングシステム、賞金付きコンテストなど競争の場を提供します。人を集めるために、何かしらの競争を取り入れるようにしましょう。

④戦う相手を選ぶ
コミュニティーを強化する一番良い方法のひとつが、共通のライバルとの戦いを始めることです。

⑤バズ・マーケティング
新たなテクノロジー、製品、アイデアの先端的なデモンストレーションは話題を呼び、フォロワーを惹きつけます。

⑥イベントを主催する
人々の心をまとめる一番効果的な方法は、実際に同じ場所に集まることです。

⑦技術面の最適化
検索エンジン最適化(SEO)、アドワーズやフェイスブックを使った広告活動で、ネット上での存在感を高めましょう。

悲観主義は人類の知力によって、打ち破れることは歴史が証明しています。MTP(世界に途方もない変化をもたらす目標)を明確にすることで、悲観主義を打破でき、自分の力を信じられるようになります。コミュニティの力を活用することで、テクノロジーの進化を加速したり、新たなアイデアを生み出せます。 コミュニティに集う優秀な人たちの力を結合することで、MTPを実現できるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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