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OODA LOOP(ウーダループ)
著者:チェット・リチャーズ
出版社:東洋経済新報社
本書の要約
OODAループは、ビジネスを加速させ、結果を出すためのフレームワークです。観察(Observe)→情勢判断(Orient)→意思決定(Decide)→行動(Act) のOODAループを高速に回すことで、メンバーはわずかな時間で正しい判断をくだせ、結果を出せるようになります。
OODAループとは何か?
ビジネスは激戦である。リーダーとしての仕事は、敵を出し抜くことにある。だからこそ、傑出した戦闘機パイロットであった「40秒のボイド」(ボイドの渾名)が生み出したOODAループが、戦争やビジネスの世界で今日、最強のツールの1つになっているのだ。(チェット・リチャーズ)
ジョン・ボイドをご存知でしょうか?ボイドは、アメリカの戦闘機操縦士・航空戦術家で、今話題のOODAループの生みの親です。彼はどんなピンチに陥っても、40秒あれば形勢を逆転できる意思決定をすることで、40秒ボイドと呼ばれていました。
ボイドは、OODAループを高速で回す組織は、
OODAループの4つのステップは以下で、このループを繰り返すことで、結果を出せるようになります。
①観察(Observe)
外部情勢や状況変化などをしっかりと観察します。
②情勢判断(Orient)
観察したものすべてが何を意味するのかについて情勢判断し、自らが方向づけを行います。
③意思決定(Decide)
できるだけ正しい決定を行います。
④行動(Act)
その決定を実行に移し、結果を出すまでループに繰り返し、行動を続けます。
OODAループにビジョンが欠かせない理由
必要なのは、人間の性質に根差した高潔で魅力に満ちたビジョンである。それによってまだ参加していない者を惹きつけ、支持者の精神力を高めることができるばかりか、競争相手や敵の献身や決意を蝕むこともできる。さらに、そのように統合された概念は、有無を言わせぬ説得力を伴うため、集合体や有機的全体を質的に進化させる触媒や標識として機能する。この質的向上によって、それらは名声を高めることができるのだ。(ジョン・ボイド)
ビジョンを明確にすることで、ビジネスでも結果を出せるようになります。1984年のスーパーボウルで流れたアップルの史上最も有名なMacの広告は、ビジョンを提示することで熱狂的なファンを獲得しました。何年もの間、アップルの製品はデルやHPあるいはIBMのPCと比較して処理スピードが遅く、価格も高かったのですが、この広告によって、アップルは自社を長期に応援するロイヤル顧客を獲得し、売上をアップさせたのです。
サウスウエスト航空も「お客様第二主義、従業員第一主義」と言うビジョンを掲げることで、従業員と顧客を変えることに成功します。同社は従業員エンゲージメントを強化することで、社員がワクワク動けるようになり、顧客体験を高めています。サウスウエスト航空は顧客をファンに変えることで、売上と利益を向上させました。
説得力あるビジョンは、社目を動機づけ、高揚させるだけでなく、顧客を惹きつけ、維持し、熱狂的な支持者へと変えていくことも多いということだ。このことは、「自ら望むように生き残る」ということを含意する。人々は他者のためにこれほどの努力と情熱を注ぐことはない。そのため、戦略の最初のタスクは、「自ら望むように」 とは実際には何を意味するのかについて定義し、同意を勝ちとることになる。
OODAループにとってもビジョンを示すことが重要です。スピーディな意志判断のためには、社員が共感し、自ら行動できる強力なビジョンをつくる必要があります。
PDCAサイクルでは、プランに時間をかけますが、OODAループではスピードを重視します。その場の状況を元に、仮説を立てて、即実行するOODAループの方が結果を伴います。ゴールを明確に示し、現場に権限移譲ことで、スピーディに正しい判断ができ、よい結果を得られるようになります。ビジョンによって、メンバーがスピーディに判断し、自走できるようになると組織は間違いなく強くなります。
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