もしあと1年で人生が終わるとしたら?
小澤竹俊
アスコム
本書の要約
人生に締め切りを設け、あと1年で人生が終わると考えると、今の自分にとって本当に必要なもの、自分が本当に望むことだけが、頭に浮かんできます。 「どのように最後を迎えたいか」を真剣に考えれば、必ず「どう生きたいか」「どう生きるべきか」が見えてきます。
人生に大切な4つのこと
人生に締め切りを設けることで、何がやりたいか、何が大切かが明確になるからです。(小澤竹俊)
44歳の時に、「10年後は生きていない可能性が高い」とドクターから言われ、私は大好きだった酒をやめることにしました。ドクターとの対話を通じて、私の時間に対する考え方が大きく変わりました。時間は無限ではなく、有限であり、やりたいことをしないと人生で後悔すると考えたのです。
お酒に関わる時間を読書やアウトプットに置き換えることで、自分のやりたいことが見えてきて、10年前にサラリーマンをやめ、今は経営者のアドバイザーをしています。
著者の小澤氏は終末医療に関わることで、今までに500人を看取り、よりよい人生とは何かを考え続けてきたと言います。「死」を前にした患者は、必ず自分の人生を振り返り、価値観を帰るそうです。
「人生があと1年で終わる」と考えれば、固定観念やしがらみから解き放たれ、もしかしたら、成長の過程で忘れたり、 それまでの価値観が崩れ、自分を縛って見える景色が変わってきます。あきらめたり、我慢させられたりしたものの中に、 あなたが本当にやりたいこと、大事にしたいことを発見できるかもしれません。
人生の最後の日々に人は、少しずつ自分の人生を整理し、多くの人が「良い人生だった」と納得して、穏やかにこの世を去っていくと言います。
著者は患者と接する中で、人生を豊かにし、後悔なく生きるうえで本当に大切な4つのことを見つけます。
・自分で自分を否定しないこと
・いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと
・家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
・今日一日を大切に過ごすこと
私は断酒した際に、家族との時間をできるだけ優先することと今日1日を大切にすることを決め、朝型のライフスタイルを選択しました。
内省の時間を持つことが重要な理由
この世に生きているすべての人に、必ず、何らかのミッションがあり、人はただ生きているだけで、ミッションを果たしています。
人は存在するだけで、すでに価値を持っていて、誰かの支えになっています。生きているだけで、誰かに貢献しているのです。
人生に締め切りを設け、あと1年で人生が終わると考えると、今の自分にとって本当に必要なもの、自分が本当に望むことだけが、頭に浮かんできます。 「どのように最後を迎えたいか」を真剣に考えれば、必ず「どう生きたいか」「どう生きるべきか」が見えてきます。
人生の終わりが近づくとお金や地位や名誉は価値がなくなります。一人称の幸せにこだわることは意味をなさなくなるのです。
一人称の幸せは、多くの人とわかち合うことはできませんし、お金でも地位でも名誉でも、何かを手に入れれば、必ず「失う恐怖」がつきまといます。また、一人称の幸せは、他者との奪い合いになることが多く、常に他人と競争したり、人と比べて優越感に浸ったり落ち込んだりすることになるため、心に平和が訪れることはありません。
一人称の幸せにさよならを告げ、人の幸せや人の喜びを、自分の幸せと感じることを意識すべきです。誰かと競争し、他人と自分を比較しているのをやめることで、心の平和が訪れるようになります。著者は他人の幸せを望むことができれば、心の穏やかさを得ることができると述べています。
「人生があと1年で終わる」と考えると、人生の不要なものに時間を使わなくなります。私は断酒した際に、悪い習慣リストを作り、やらないことを決めました。今でもリストにやらないことを追記し、 自分にとって本当に大事なことに集中するようにしています。
毎朝、私は自分との内省の時間を持つようにし、今日を大切に生きようと誓います。これから始まる1日をプランニングすることで、やるべきことが明確になります。自分との対話を繰り返すことで、やりたくないこと、やりたいことが明確になり、自分の人生を楽しめるようになります。
お酒を飲んでいる時には、朝時間には余裕がなく、自分との対話の時間を持てずにいましたが、朝型にシフトすることで、自分の人生について考える時間が持てるようになりました。自分らしい人生を送りたければ、内省の時間を増やすことが重要なのです。
「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」と考えることが、自分の行動を変えるきっかけになります。
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