シン世代マーケティング(原田曜平)の書評 Z世代がマーケティングにおいて重要な2つの理由。

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シン世代マーケティング
原田曜平
ぱる出版

本書の要約

Z世代の発信力を活用することで、2つのマーケットを獲得できます。①Z世代の親世代である団塊ジュニア世代
②8億人に及ぶZ世代のグローバルマーケット。この2つのマーケットを獲得するために、Z世代と距離を置くのではなく、Z世代と積極的に関わるようにしましょう。

Z世代の特性は「チル&ミー」

彼ら最大の特性は「チル&ミー」です。 (原田曜平)

毎週、大学で教えることで、Z世代と会話する時間が増えています。時に彼らの思考や行動に驚かされることもありますが、彼らとの接触回収が増えたことで、理解も進みました。Z世代は情報感度が高く、ネットやSNSを使い倒し、さまざまな知識を得ています。

彼らは競争するよりも協働することを重視しています。私が受け持つケーススタディ、グループワークの授業ではお互いの意見を尊重しながら、ベストな回答を導き出そうとしています。熱く議論をするのではなく、お互いの情報を組み合わせながら、協力することに秀でているように思えます。

芝浦工業大学・教授でマーケティングアナリストの原田曜平氏は、Z世代の特性を「チル&ミー」だと表現します。彼らはチル(chill)=「まったりする」こと、マイペースで居心地良く暮らそうとしています。 世代人口が少ないZ世代は大人たちから大切に育ってられてきました。

2010年代半ば以降の景気回復によって、人手不足が加速し、バイト時給は高くなり、就職でも売り手市場が続いています。彼らはその前の世代のゆとり世代よりも恵まれた時代を過ごしています。Z世代は自分には、必ずニーズがあると考え、入社した会社と相性が悪ければ、すぐに転職します。自分の力を積極的に社会に活かそうと考えているため、社会貢献や起業にも積極的です。

働き口が保証されているZ世代は、人より抜きん出て頑張らなくても、生きていけると考えています。「焦らずマイペースで居心地良く暮らす」ことができると考える彼らは、自分らしく生きることを追求しているのです。

もうひとつ、Z世代の特徴として挙げられるのがミー(me/自分)、つまり自己承認欲求の高さです。 

SNS 世代であるZ世代は「良い発信をした人がスターになる」と考えています。実際、SNSでいいね!されることが当たり前の彼らは、有用な情報などを発信することで評価され、自己承認欲求を日々充実させています。

TikTokで無名の若者が活躍し、影響力を及ぼすことが当たり前になる中で、彼らは発信力を強化しています。ゆとり世代がカリスマインフルエンサーに憧れる世界観なら、Z世代は自分が主役になれると考えています。参加型動画SNSであるTikTokで彼らは情報発信を繰り返し、グローバルなマインドを養っています。

Z世代とともにグローバルマーケットを目指そう!

Z世代は倫理観やセンスが非常にグローバルなのです。

国境を超えて写真や動画が拡散するインスタグラムやTikTokがZ世代のマインドを他の世代と変えています。ドラマや音楽といったエンタメコンテンツ、化粧品や洋服、スマホアプリなども、世界のZ世代で同時に流行るケースが目立ってきていると言います  

世界中の若者が同じ情報、同じコンテンツを同じタイミングで見る、触れることで、グローバルの消費が時差なく起こるのです。日本ではZ世代の人口ボリュームが少なく、マーケットとしてあまり評価されていませんが、グローバルで考えるとまったく様相が変わります。

アメリカもでは白人層では日本と同じように少子高齢化が進んでいますが、移民層の若者人口が増加しています。東南アジアでは20代が世代の中心になり、グローバルで捉えるとZ世代は8億人という巨大マーケットを形成しています。世界的にはZ世代の時代が訪れており、しばらくはZ世代がグローバルマーケットを牽引します

実際、世界ではZ世代トレンドをいち早く取り込んだ企業が成長しています。例えば、日本のZ世代は中国アパレル通販のSHEINを使って、驚きのプライスのセール商品を買っています。私の自宅にも毎週、韓国、中国のD2CからZ世代の娘宛に荷物が届いています。

彼らがグローバルで買い物をすると言うことは、日本企業にとってチャンスロスになります。企業はZ世代の特性を押さえ、彼らを味方にすることを考えるべきです。

異文化を受け入れるにあたって「接する機会が多い」というのは非常に重要です。Z世代はLGBTQと接する機会が多いからこそ、彼らを自然に受け入れ、偏見をもちませんでした。同様に、TikTokでグローバルコンテンツに接する機会が多いからこそ、国籍や出自や国内知名度に左右されることなく、「とにかくおもしろいもの」をフェアに選び抜いているのです。

著者は日本企業がグローバル展開するにあたり、Z世代を橋頭堡として活用すべきだと言います。

Z世代に受け入れられる商品を作れれば、彼らにSNSでマーケティングサポートしてもらえばよいのです。TikTokなりインスタグラムの発信によって、グローバルの巨大なマーケットを獲得できるのです。

実は若者が「先を行っている」と感じている国は、韓国だけに限りません。インスタグラムやTikTokやNetflixや格安越境ECに日々触れる若年層は、商品の良し悪しを国の出自では判断しないからです。面白いと感じたり有用だと実感できたら、それが韓国発だろうが中国発だろうが、アメリカ発だろうがインドネシア発だろうが、関係なく支持します。その結果として、2022年現在は韓国が優勢にあるというだけ。

人口が少ない韓国はいち早くグローバル展開すること、コンテンツを積極的に発信することで、韓国商品のブランディングとマーケット拡大に成功します。

令和の時代、日本もこの韓国の姿勢を真似して、Z世代とともにマーケティングを行うべきです。私も大学生が起業したベンチャーとマーケティングで協業し、彼らのアイデアや発信力を活用することで、顧問先に貢献しています。彼らの感性と発信力でマーケティングをデザインするのです。例えば、若者を採用したい顧問先では、Z世代に動画の企画、撮影やインスタでの発信を任せています。

Z世代やα世代に情報を拡散してもらい、マーケットの中心である団塊ジュニア世代に商品やサービスを買わせることも可能になります。複数の世代同士をセットにして考える商品開発やマーケティングが、令和の時代には必要になりますし、彼らの発信力を活用することで、グローバルマーケットも開拓できるのです。Z世代と距離を置くのではなく、彼らを味方にするために、Z世代と過ごす時間を増やしましょう。



この記事を書いた人

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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