HOW TO THINK LIKE Bill Gates ビル・ゲイツの思考哲学
ダニエル・スミス
文響社
本書の要約
経営者は忙しいという言い訳をやめて、ビル・ゲイツのように読書を習慣化すべきです。本を熟読し、自分との対話の時間を持つことで、情報と情報がつながり、新たなアイデアが浮かぶようになります。読書によって、物事に対して疑問を持つ姿勢がつくられ、物事の本質を見抜く力を養えるようになります。
ビル・ゲイツの読書週間「think weeks」とは何か?
子どもの頃、両親はいつも私たちにたくさん本を読み、自分でものを考えるようにしなさいと言っていました。本のことから政治まで、いろいろなテーマの話に私たちを参加させてくれました。(ビル・ゲイツ)
ビル・ゲイツが読書好きであることは有名で、忙しい時間を割いて年間50冊は読んでいると言います。彼のおすすめ本はGatesNoteで毎年、夏と年末に公開されています。この中からベストセラーが生まれることも多く、リストが発表されると私もチェックし、気になった書籍を購入します。
暴力の人類史、ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由、国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源、人と企業はどこで間違えるのか?、21世紀の資本などがゲイツによって紹介されることで、ベストセラーになっています。
彼の読書歴は幼い頃から始まり、フランクリン・デラノ・ルーズベルトやナポレオン・ボナパルトなどの偉人伝やフィクション・ノンフィクションを問わず科学に関する書籍を読んでいました。
大人になってからも、毎日一時間は読書に充てる時間を作り、週末にはさらに長い時間を読書に使っています。新聞や週刊誌も読んで、時事問題から最新のコンピュータ技術まで幅広いテーマに関する情報も仕入れるようにしています。
彼は年に数回「think weeks(思考週間)」という時間を設けています。この期間、たっぷりの本と「最新情報を把握するために目を通した方がよいと仕事仲間から薦められるその他の資料」を用意して、思考する時間をつくります。あえて思考する1週間をつくり、完全に業務から離れ、自分との対話の自分を持つようにしているのです。
1995年ので、think weeksでビルゲイツは、インターネットをテーマに選ぶことでマイクロソフトを危機から救ったことは有名です。インターネットが未来に与えるインパクトに気づき、その後短期間でインターネット・エクスプローラーを開発し、マイクロソフトの成長に寄与します。
経営者はこのゲイツの習慣を真似て、読書と思考するための時間をあえて取るべきです。年末年始は普段以上に私は本を読みますが、普段読まない歴史書や小説から新たな気づきを得ています。仕事から離れることで英気を養うだけでなく、新たな視点で物事を考えられるようになります。
著者との対話を繰り返すこと、新たな知識が過去の情報や体験とつながることで、ひらめきが生まれてきます。読書によって、物事に対して疑問を持つ姿勢がつくられ、物事の本質を見抜く力を養えるようになるのです。
図書館にも支援を行うビル・ゲイツ
たくさん読むが、ベストセラーの中から選ぶとは限らない。
ゲイツの本の選び方は多様で、さまざまな本が選ばれています。ゲイツは世の中の動きについて知るために積極的にノンフィクションを読むことが多いようです。ゲイツは「読書から一番多くのことを学んだ」と語っていますが、この言葉には共感を覚えます。
今でも最低でも1日1時間ぐらいまとまった時間を読書に費やしているとゲイツは言いますが、この知的好奇心から新たなアイデアが生まれ、世の中に大きな変化を生み出しています。
読書を通じて、自分の力でものを考える習慣をつけることができます。子どものころに読書の楽しさを伝えることも親の重要な役割です。大人が読書な素晴らしさを伝えることで、子どもたちが読書体験を楽しめるようになります。
好奇心や冒険心をかき立てる本を読むことで、人生に刺激をもらえます。さまざまな著者との対話を重ねることで、自分の知らない世界や未来の可能性に気づけます。ビル・ゲイツのおすすめ本を読むことで、私たちは未来を実感できるのです。
最近ではゲイツは社会貢献に時間とお金を使っていますが、その莫大な資産の一部がアメリカの図書館に寄付さています。
子どもの頃から、図書館は私の人生の中で重要な役割を果たしてきました。
本好きで熱心な読書家であるゲイツは、アンドリュー・カーネギー以来最大の図書館支援者になっています。2000年代に慈善活動を積極的に行うようになったゲイツは、疾病や貧困対策だけでなく、アメリカの子どもたちや若者に読書という素晴らしい体験を届ける役割も担っているのです。
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