クレーマーを今すぐファンにすべきことを「脳科学マーケティング100の心理技術」に学ぶ。

企業が、インターネットのネガティブなレビューにどのように返答するかも、大きな違いを生み出すことがわかった。大手世論調査会社ハリスの調べによると、否定的な書き込みをして相手企業から返事をもらった人の18%が、その会社のロイヤル顧客となり、さらに買い物をしているのだ。さらに返事をもらった消賭の7割近くが、評価を改め、もとの書き込みを削除したり新たにポジティブな書き込みをしたりしている。口コミー特にネガティブな口コミの威力を考えると、それを覆すとはすごい効果だ。(ロジャー・ドゥーリー)

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脳科学マーケティング 100の心理技術
ロジャー・ドゥーリー著)は
脳科学の視点で何をすると効果的かが、徹底的に解説されています。
インターネットが普及して、クレームが口コミとして書き込まれる時代になりましたが
ここでも企業は脳科学的アプローチでファンを獲得できるのです。

ネットにネガティブな書き込みをしたユーザーに対して
企業が真摯に対応すると彼らをファンにできることがわかっています。
なんと、彼らはお金を使うロイヤル顧客に変身してくれるのです!

ですから、FacebookやTwitterの自社サイトなどへの顧客の書き込みには
絶えず注意を払いましょう。
もしも、ネガティブな書き込みがあったら、すぐに対応することが大事です。
多くの他の顧客は、その企業の対応力をチェックしています。
会社がクレーマーに迅速にしっかりと対応しているのを見れば
顧客はその会社に対して、良い評価を下します。

逆に、顧客を無視すれば、憎悪と敵意を生じさせてしまいます。
さらりとかつ誠実に謝ることで、顧客をつなぎとめるだけでなく
多くの閲覧者に自社のサービスの良さをアピールできるのです。

心からの謝罪は、顧客の怒りを収めてくれます。
謝罪もせず、おかいまいなしという態度は、今の時代には命取りです。
顧客が、いつの間にかソーシャルメディアで戦いを仕掛けてきます。
これに気づかずにいるとブランドイメージが低下してしまいます。
そういった意味でも、企業はソーシャルメディアで顧客に真摯に対応して
彼らをファンにすることを考えた方が得策なのです。

また、優良顧客とは、接触時間を長く取ることも大事です。
ソーシャルメディア以外でも、顧客とのコミュニケーションを図るのです。
大口の顧客であれば直接会い、個人の顧客であれば電話やチャットで話しを聞くのです。 
顧客とのコミュニケーションで、お互いの信頼関係をつくれます。
親身になって、顧客の話しを聞くことで、応援者が増えていくのです。

このように本書には、最新のニューロマーケティングの技術が100紹介されていますが
どのテクニックにもヒントが隠されています。
私たちは、脳の働きを理解することで、顧客を味方にし
競争相手との戦いに勝利することができるのです。

レストランのメニューの3つの料金表示うち
一番多く注文が取れたのはどれかという事例も印象的でした。
1、$記号をつけた数字で表示:12$
2、記号をつけない数字表示:12
3、文字のみで説明:twelve dollars
これは、アメリカにあるコーネル大学の研究チームが行った実験ですが
なんと、一番多くお金を使ったのは、2の数字のみの表記だったのです。
商品を購入する前に「お金」に関するイメージを強く持たない方が
かなり多くの金額を費やすことが、この実験からわかったのです。

本書の価格に関するテクニックはどれも面白いのですが
特に、定額料金に関する記述が参考になりました。
Netflixの月額制のサービズなどは、逐一の購入の痛みを顧客から無くしているのです。
一部の顧客は、買い物での痛みを避けるために、割高な定額制のサービスの方を選んでいるのです。
このように、定額制を顧客に提案すると利益率を高められますから
使える業態の場合にはサービスの提供を考えましょう。
また、セット価格を提示することで、売上と利益を高められます。

このほかにも、温かい飲み物が買い物の印象を良くする
甘いお菓子を食べると断りずらくなる
柔らかい椅子に座ると余計にお金を払うなど
本書には面白いケーススタディがたくさん紹介されています。
広告やマーケティング担当者には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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