amazonが勝者でいるために必要なことを企業理念から考えてみる!

20世紀的な利益独占を目指す企業が生き残れる時代ではありません。高い倫理性と利益を還元する仕組みを持った企業、つまり「私たちは公器である」という公共的な意識をもった企業が、21世紀半ばから主流になるのではないかと思っています。(江上隆夫)

Technology photo created by freepik – www.freepik.com

amazonはなぜ強者でいられるのか?

生活者の企業に対する目は年々きびしくなっています。ただ儲かれば良いと考えている企業は、今後生き残れなくなると江上隆夫氏はTHE VISION あの企業が世界で急成長を遂げる理由の中で指摘します。企業は公器であり、世の中の問題解決によって収益を得ている存在です。

企業理念やビジョンが明確でなけば、生活者からの支持を得られません。今、時価総額が世界一のamazonも企業理念を積極的に発信しています。彼らは企業理念を「私たちのDNA」と表現しています。“amazon.comは1995年の創業時から「地球上で最もお客様を大事にする企業」であることを使命としました。その後、amazonはこの理念のもと次々にサービスをリリースし、先進国でシェアを拡大し、圧倒的な存在になったのです。

私たちの熱いパイオニア精神は、幅狭き道でも探求へと導きます。時には前の見えない道筋もあります。しかし、それらの幅狭き道が幸運にも大きな道へと発展する時もあるのです。(ジェフ・ベゾス)

彼らは絶えずチャレンジを続け、どんどん事業領域を広げています。熱いパイオニア精神によって、失敗を重ねながらも、それにめげず確実に事業領域を拡大しています。ECだけでなく、amazon goのリリースやWhole Foods MarketsのMAを通じて、お客さまを喜ばせています。ベゾスが生み出した企業理念を社員全員で共有し、アクションを起こすことで、amazonは成功を手に入れたのです。

アマゾンのリーダシッププリンシプル

amazonは企業理念を実現するために、「リーダーシッププリンシプル」を設けています。このリーダーシップの原則がamazonを強者にしていると私は最近考えるようになりました。以下14の原則を紹介します。

Customer Obsession
リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。

Ownership
リーダーにはオーナーシップが必要です。リーダーは長期的な視野で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。

Invent and Simplify
リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、常にシンプルな方法を模索します。リーダーは状況の変化に注意を払い、あらゆるところから新しいアイディアを探しだします。それは、自分たちが生み出したものだけには限りません。私たちは新しいアイディアを実行する上で、長期間にわたり外部に誤解されうることも受け入れます。

Are Right, A Lot
リーダーは多くの場合正しい判断を行います。 強い判断力を持ち、経験に裏打ちされた直感を備えています。リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。

Learn and Be Curious
リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち実際に追求します。

Hire and Develop The Best
リーダーは全ての採用や昇進において、パフォーマンスの基準を引き上げます。優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために進んで人材を活用します。リーダーはリーダーを育成し、コーチングに真剣に取り組みます。私たちは全てのメンバーのために新しい成長のメカニズム(例:Career Choice 参照)を創り出します。

Insist on the Highest Standards
リーダーは常に高い水準を追求します。この水準は高すぎると感じられるかもしれません。リーダーは継続的に求める水準を引き上げていき、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進します。リーダーは不良を下流に流さず、問題を確実に解決し、再び同じ問題が起きないように改善策を講じます。

Think Big
狭い視野で考えてしまうと、大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性をつくり、示すことによって成果を導きます。リーダーはお客様に貢献するために従来と異なる新たな視点をもち、あらゆる可能性を模索します。

Bias for Action
ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すこともできるため、大がかりな分析や検討を必要としません。計算されたリスクをとることも大切です。

Frugality
私たちはより少ないリソースでより多くのことを実現します。倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。スタッフの人数、予算、固定費は多ければよいというものではありません。

Earn Trust
リーダーは、注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをする事があったとしても間違いは素直に認め、自分やチームの間違いを正しいと言ったりしません。 リーダーは常に自分たちを最高水準と比較、評価します。

Dive Deep
リーダーは常に各業務に気を配り詳細も認識します。頻繁に現状を確認し、メトリクスと個別の事例が合致していない時には疑問を呈します。リーダーが関わるに値しない業務はありません。

Have Backbone; Disagree and Commit
リーダーは、賛成できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても例外ではありません。リーダーは、信念をもち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。

Deliver Results
リーダーは、ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速にそれを実行します。たとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。

これからamazonが経営理念を実現するためには、グローバルで勝者になる必要があります。失敗している中国や巨大なマーケットのインドは当然として、今後は発展途上国を意識しなければ、理念を達成できません。まだamazonの顧客にもなれてない貧しい人々に対してサービスを提供できて初めて、彼らは評価される存在になります。発展途上国の人たちの幸福をサポートすることが、これからのいamazonに求められるのです。

企業の利益は未来の人類から負託されている、人類幸福ための資金なのです。 公共の夢をビジョンに取り込んだ企業は、取り込んだがゆえに、世の中から応援のパワーをもらってビジネスを大きくし、利益を獲得する権利を得ます。つまり、世の中からビジネスを拡大してよいという権利を、そうしたビジョンを掲げることができたがゆえに、得られるのです。つまり、その裏には社会に対する大きな責任が生じています。その責任を引き受ける気概がないなら、その企業にビジョンを掲げる資格はありません。

自社の拡大のためには、公共な存在となり、世界中の人から応援されるようにならなければなりません。amazonの企業理念とリーダーシッププリンシプルを全社員に共有し、それを実行することで、世界中のお客さんに喜んでもらえるようになります。絶えざる成長のために、amazonは今後、発展途上国でのチャレンジをスタートする必要があるのです。

まとめ

amazonは企業理念とリーダーシッププリンシプルによって、大きな成長を遂げてきました。自社の利益を追求するのではなく、社会から認められる公器になることで、人々から応援されるようになります。amazonは次のステージに行くために発展途上国へのアプローチが求められています。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
セレクト習慣化書評ブログアイデアクリエイティビティマーケティングライフハック
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました