会社を成功させるためには、バスに乗る人をしっかりと選べ!アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略の書評

「コア・バリュー」とは、会社の「核となる価値観」という意味です。「コア・バリュー経営」では、自分たちの会社が何のために存在しているのかという会社の存在意義(コア・パーパス)を明確にしたうえで、社内の全員が共有すべき「価値観(コア・バリュー)」を定め、価値観に基づいた考え方や行動を習慣化する「仕組み」をつくって、実践していきます。(石塚しのぶ)

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スモール・ジャイアンツという言葉をご存知ですか?
アメリカでも日本でも規模が何百倍もの大企業を
凌駕するベンチャー企業が増えています。
スモール・ジャイアンツと呼ばれるこれらの企業には
顧客や社員に愛されているという共通点があります。
アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略では
石塚しのぶ氏がそのスモール・ジャイアンツのケーススタディをわかりやすく解説してくれます。
今後、このスモール・ジャイアンツがマーケットを牽引していくはずですから
これらの経営スタイルを学ぶことで、私たちも成功者の仲間入りができます。

私は大企業よりもベンチャー企業やとのビジネスが多かったために
このスモール・ジャイアンツと呼ばれるような企業に憧れを持っています。
アメリカであれば有名なZappos、日本であれば長野の中央タクシーなどがその代表例です。

Zapposも中央タクシーもコア・バリュー経営を行ないながら
「大きくなることではなく、偉大な企業になること」を目指しています。
Zapposはサービスを通じて、顧客の心を虜にする「Wow!」の提供を行い 
中央タクシーは、地域社会への貢献や素晴らしい顧客サービスを提供しています。

長野県民にはなくてはならない存在になるため
中央タクシーは常日頃から努力を続けています。
お年寄りや体の不自由な人のためには
300メートルの短い距離でも喜んで車を足らせたり
雨の日にはお客様に傘をさしたりするなど、目先の利益にこだわりません。
多くのタクシー会社が赤字経営の中、顧客に対する丁寧なサービスを実践することで
長野のローカルタクシー会社にも関わらず、中央タクシーは黒字経営を続けています。

経営では「まず人選ありき(ファースト・フー)」。適材をバスに乗せ、適所に座らせ、「不適材」をバスから降ろす。そうすればおのずとバスの行き先は決まります。(ジム・コリンズ)

石塚氏は本書の中で、ジム・コリンズの有名な言葉を紹介しています。
名著ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則には
最初に誰とビジネスをするかを考えることがポイントだと書かれています。
特に中小・ベンチャー企業は人が基軸になりますから、採用には細心の注意を払うべきです。

募集すれば応募者が殺到する大企業とは違い、中小企業の採用は大変です。しかし、焦りをこらえて、価値観を共有できる人を採用していくべきです。「採用」によって従業員に活躍する場を提供しても、価値観が異なっていれば、他の仲間たちと協働していくことが難しくなります。(石塚しのぶ)

価値観を共有でき、企業文化を理解した人でなければ、採用してはいけません。
たとえ、スキルが高くても、適性がマッチしなければ、採用は見送ったほうがよいのです。
中央タクシーでは、業界に染まっていない人を採用すべきとの考え方の下
経験者をあえて採らず、未経験者のみで会社を運営し、顧客の高い満足度を実現しています。

会社の価値観を共有できる「卓越した人材」を雇うことから始まります。ザ・コンテイナー・ストアのコア・バリューの第1条は「1人の卓越した人材は、3人のよい人材に等しい」。卓越した人材は、1人で3人分の働きをする。だから、長い時間と手間をかけても最適な人材を厳選する価値があると考えているのです。

また、ザッポスやザ・コンティナー・ストアなどは
従業員紹介制度を活用し、価値観を共有できる人を社員に選ばせることで
離職率を驚くほど低下させています。
時間をかけてでも、適性の合う社員を採ることが
大事だと経営者も社員も理解しているのです。
顧客と社員を意識した採用戦略が、コアバリュー経営には必須であり
これが顧客や従業員の共感を呼ぶのです。

未来に躍進する企業になるためには、「共に夢を見る」ことが重要です。
会社のメンバー、顧客、そして社会と共に夢を見るためにも
企業のコアバリューを作成することが欠かせなくなっています。

私の好きな本や自分の著書をピックアップしています。
ぜひ、書籍の表紙をクリックしてご一読ください。

    
     

photo credit: IMG_4410 via photopin (license)

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