10倍思考を実行しよう!シェーン・スノウのSMARTCUTSの書評

10パーセント改善するよりも、10倍いいものを作る方が簡単なんですよ。(アストロ・テラー)

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photo credit: Dawlad Ast Instalaciones SpaceX via photopin (license)

シェーン・スノウは著書のSMARTCUTSの中で
難しいことにチャレンジすることが成功の秘訣だと言っています。
その代表例として2人の「Xプロジェクト」を紹介しています。
一人はGoogle X Labのアストロ・テラー、そして、もう一人がSpaceXのイーロン・マスクです。
彼らの共通点は10倍思考で、大きなビジョンを示し、失敗を恐れないことです。

Googleのアストロ・テラーの言葉は私たちに刺激を与えてくれます。
彼は「Google Driverless Car」などGoogleの新規事業X Labの統括者で
Google内で絶えず新しいプロジェクトにチャレンジしています。
ベンチャー起業家なら小さな改善を目指すのではなく
大きなビジョンを提示して、新たなやり方を模索したほうが
スピーディーに成功できるのです。

アストロ・テラーは昨年の来日時の基調講演でその理由を以下のように語っています。

同じくらいのコストをかけるなら、そこから得られる利益の割合はできるだけ高くした方がいいからです。小さな改善を行いながら少しずつ最適化していくよりも、それまで基本としていた前提を打ち破ることで10倍の改善を目標に頑張れば、たとえ実際に達成できなくても3~4倍は達成できるでしょう。もし10%を目標にしたら、『5%できればいいほうだね』となってしまいます。

大きな目標を掲げれば、より大きなリターンを狙えますが
10パーセント程度の小さな目標では、ほんの数パーセントしか成長できないのです。
また、テラー氏は失敗することが重要だとも語っています。

「学習して早く改善するには、実際に経験することです。オフィスの中で頭をかきながら『世の中はこうだろう』と想像するだけでは無理があります。Google Xが行っている活動で言えば、5~6年前は、自動運転車や空飛ぶ風力発電機、スマートコンタクトレンズのベータテストなどは無理だと思われていました。ところが我々は、すでにこれらを世の中に出して試しています。そして大いに失敗することによって、そこから学べるわけです。学びを活かして、さらに改善する、これを繰り返していくことが大事です。

現場にいち早く出て、失敗したら、次の施策を試し、また失敗する。
この繰り返しの中から成功への道を見つけることが賢い選択なのです。

新しいものやもっといいものを作り出すには、2つの方法があります。まず変化が小さく、意外性のない改良です。いわば10%の向上です。これに対して、本当に大きな改良は、何らかの方法で最初から作り上げる必要があります。常識となっている前提を捨て去らなければなりません。

段階的な進歩は、今の延長線上にありますから、一生懸命努力を続ければよいのです。
マンパワーなどの経営資源を投じて、がむしゃらに取り組めば
ある程度は達成できますが、これを続けていくのは効率的ではありません。
成長するために永遠に経営資源を投下し続けなければなりません。

一方10倍の進歩を一気に達成するためには、勇気と独創性が欠かせません。
10倍の目標の場合には、既存の方法では難しく、新しいアイデアを試すしかないのです。
否が応でもあらゆる方法を考え、チャレンジしなければ答えは見つかりません。
独創性と情熱を持って挑戦することで、競合とは違う道を歩めるようになります。
新しいアプローチから進むことで、10%の改善のときと同じ労力で
本当にすごい解決策にたどり着け、ブルーオーシャーンを見つけられるのです。

一般的に言って、現状より10%改善しようとするなら、営業やマーケティングに相当力を入れなければなりません。価値としてはごくわずかしか増えていないとはいえ、人々に振り向いてもらうには、それなりの力が必要なのです。一方、たくさんの人に向けて、これまでより10倍もいいものを作るなら、黙っていても売れますよ。本当に価値を飛躍的に高めたのなら、儲けないようにするほうが難しいですよ。

自ら面白いマーケットを作ることで、マスメディアやソーシャルメディアが話題にしてくれます。
大きなビジョンに人は共感を覚えますから、10倍を目指すビジネスは一気に認知されるのです。
私の大好きなスペースXのイーロン・マスクがその代表例として紹介されていますが
彼の10倍思考の成功ストーリーは何度読んでも、感動を覚えます。
ぜひ、本書で彼のスピーチをお読みください。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS
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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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