睡眠の質には食べたものも大きく影響する。食べものを単なる食べものだと思ってはいけない。食べものは情報だ。何かを食べれば自動的に体内で処理され、食べたものがどういう種類のもので、どんな栄養素が含まれている(いない)かによって、身体、健康、睡眠の状態が決まる。それだけではない。良質な睡眠がとれるかどうかは、お腹のなかの環境に左右される。(ショーン・スティーブンソン)
photo credit: Hey Paul Studios Digestive System Anatomical Embroidery Hoop Art. Hand Painted Blue Watercolor. via photopin (license)
セロトニンの95パーセントが消化管に存在する
幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンをご存知でしょうか?
セロトニンは、私たちの体のリズムを整えたり、睡眠に良い影響を与えます。
体温の調整や食欲の制御や消化・吸収に至るまで、多くの体の機能に関わっています。
このセロトニンの95%が私たちの腸で作られています。
そして、セロトニンが体内に分泌されると、腸の運動が活発になるのです。
セロトニンが睡眠に深くかかわっているのは、快眠ホルモンであるメラトニンの原料であることからも明らかだ。とはいえ、消化の働きを助けるという意味でも、セロトニンが脳や睡眠に与える影響は私たちが想像する以上に強力だ。
腸内には脳内と同じ神経伝達物質が30種類存在しています。
腸には約1億個の神経物質があり
脳の松果腺の400倍以上のメラトニンが存在していることから
腸は第2の脳と呼ばれています。
このメラトニンという快眠のためのホルモンは
調子がよければお腹の中に適切な量が生成されるのです。
腸内で作られるセロトニンは、脳の働きに対して大きな意味を持ちます。
腸のセロトニンは、腸クロム親和性細胞という細胞で作られて分泌されています。
実は、この腸内セロトニン濃度の情報が
腸と脳をつないでいる神経系に伝わって、脳の働きに影響を与えているのです。
腸が健康でちゃんと機能することで、良質な睡眠を確保できます。
UCLAの研究結果は驚きです。
迷走神経を通じて運ばれる食物繊維の情報は
約90パーセントが腸から脳へ渡り、その反対はないというのです。
腸内環境と腸の健康は、脳の機能を支配するという重要な役割を果たしています。
腸で起きていることが、私たちの脳で怒っていることなのです。
腸の暴走を止め、環境を整えることで、私たちは初めて脳をコントロールできるのです。
腸と脳の関係を理解して、良質な睡眠を目指しましょう。
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腸内の3つの細菌の役割
UCLAの研究では、腸内に何兆個と存在する細菌が第二の脳で一ある腸神経系と絶えず情報をやりとりしていることも明らかにされ ている。また、カリフォルニア工科大学の研究者は、セロトニンの生成に重要な役割を果たす細菌が腸内に存在すると発表した。私たちの体内には細胞の10倍の数の細菌が生息していて、そのほとんどが腸に住みついている。
このように私たちの腸内には多くの細菌がいます。
この中には「善玉菌」と呼ばれる良い細菌と
「悪玉菌」「日和見菌」と呼ばれるものが存在しています。
善玉菌は健康の維持に大きく貢献します。
善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、お腹の調子を整えてくれるのです。
一方、腸内で有害物質である悪玉菌が増えると
便秘や下痢などお腹の調子が悪くなることもあります。
日和見菌は名前の通り、善玉、悪玉の優勢な方に味方をします。
日和見菌が悪玉菌を助けないようにするために
自分が食べるものには注意が必要です。
私も腸が第2の脳だと気づいてから、食事に気を使うようになりました。
腸内フローラを意識する!
腸内細菌はお花畑のように群れていることから、腸内フローラと呼ばれています。
この腸内フローラは人によって千差万別です。
腸内細菌の種類や数は食事や生活習慣によって変わります。
腸内フローラには。理想的な状態があり
善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割と言われています。
このバランスを良くして、腸内環境を保つことがとても大切です。
そのためには善玉菌の代表格である乳酸菌の摂取が欠かせません。
乳酸菌は悪玉菌の定着・増殖を防ぎ、お腹の働きを正常化してくれます。
睡眠のリズムが不規則になると、腸内フローラのバランスが崩れます。
学術誌「セル」によると、人間の体内時計は細菌のバランスに影響を受けるそうです。
日常生活で普通に起こりうる時差ボケなどによって
腸内毒素症が生じ、代謝異常を招いてしまいます。
10時間のフライトによって時差ボケが生じる前、フライト中、フライト後で
被験者の便を採取して分析したところ、驚くべき結果が出ました。
なんと肥満や糖尿病の人に多く見られる種類の細菌の数が
時差ボケ後に増加していたのです。
また、被験者の睡眠のリズムが通常に戻ったとたんに
その細菌の数は正常値まで下がったのです。
睡眠の質が私たちの腸内環境や脳の状態に影響を及ぼすのです。
腸内細菌に独自の体内時計があり、毎晩決まった時間に「衛兵交代式」を行うことで、腸の管理を信用できるやつに引き継ごうとしていることも明らかになった。だから、徹夜したり、寝不足になったりすれば、日和見菌に腸を(ひいては脳も)のっとられる機会を生むことになるのだ。
腸と脳が繋がっていることを忘れないようにしましょう。
睡眠不足が腸内フローラのバランスを崩し。あなたの脳をダメにします。
徹夜や寝不足が悪玉菌や日和見菌を元気にしてしまい
胃腸や脳の働きを悪くしてしまうのです。
まとめ
腸内環境を改善するためには、善玉菌そのものを含む食品や
善玉菌を増やす働きをする成分を摂取することが大事になります。
ヨーグルトやチーズ、納豆などを積極的に食べましょう。
また、農薬漬けの食べ物や食品添加物や保存料の多い加工食品には注意が必要です。
私は加工食品を減らすことで、体調が良くなりました。
また、ストレスを軽減したり、睡眠をしっかりと確保すると
腸内フローラのバランスが良くなることが分かっています。
第2の脳と言われる腸を大切にすることで、私たちは生産性をあげられます。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
参考書籍 ショーン・スティーブンソンのSLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
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