松岡正剛氏とエバレット・ブラウン氏の日本力の書評

習慣化

ぼくがいつも思っていることに、「分類の知」と「手続きの知」は違うということがあるんですけど、今、日本の多くは「分類の知」ばかりになっている。「分類の知」というのは簡単にいえば「検索の知」ですね。グーグルは取りにいってくれるんです。でも、自分が探している以上のものはやってこない。そうではなくて、「手続きの知」の中に本当はセレンディップな新しいひらめきがあるんです。その「手続き」というのは時間と一緒ですから、時間をかけて、手間暇をかけて、繰り返していないとわからないんですよね。そういうことがとても大事だということは、あらためて強調したほうがいいでしょうね。(松岡正剛)


photo credit: faneitzke Summer in Nantes 2 via photopin (license)

検索に頼らずに考える力を養おう!

知の巨人として活躍する松岡正剛氏と写真家のエバレット・ブラウン氏の対談集日本力を再読しています。長年日本社会を写真で表現してきたエバレット・ブラウンは日本の若者の活力が失われていると危惧します。松岡氏はそれを受け、日本社会をリキッド・ソサエティ(液状化する社会)になっていると指摘します。自分と世界の間に境界線がなくなり、Googleやアマゾンに私たちは頼りきっています。自分の頭で考えなくなり、境界を超えずにGoogleに判断を任せています。検索によって、手間隙かけずに多くの情報が手に入り、だいたいのことができてしまうのです。

体験する前に検索すると自分の頭で思考しなくなり、実際に行動した時にサプライズが起こりません。自分の知識や体験を蓄積するのは面倒なので、Googleで検索すればよいと考えてしまうのです。人から言われた通りの与えられた人生を生きることで、私たちは活力を失ってしまいます。思考をやめることで希望や夢を描けなくなり、自分の未来を暗くしているのです。

日本の教育は問題だらけで、これが考える力を奪っています。エバレット・ブラウンは日本の教育は国民から考える能力を奪うものだと発言しています。エリート層以外は考えるのをやめ、受動的に生きた方が為政者や官僚にとっては都合がよいのです。日本の教育のネガティブな部分と検索によって、私たちは思考力、創造力を失っているのです。時間をかけて考えたり、多くの体験を積み重ねることで、連想力が鍛えられ、ひらめきを得られるようになります。

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ネットを捨て、街に出よう!

これはアメリカの社会学者が話したことですが、90年代、インターネットが普及したときに、アメリカでは保守的になった人がふえたんです。どうしてかというと、情報がありすぎて、ほとんどの人々がそれを受け入れられなかったんです。それで恐怖心を持って、閉鎖的になったわけです。(エバレット・ブラウン)

あまりに情報が多くなると自分の好みの情報ばかりを選ぶようになり、人は閉鎖的になります。ネットから与えられた情報ばかりを信じると自分の頭で考えなくなるのです。ネットの情報を消費することに慣れるとなんでも知っていると思ってしまい、新たな体験をしなくなります。しかし、ネットの情報は誰かの情報でしかなく、自分の体験とは異なります。実際に経験したこととネットの情報には違和感があることも多いはずですから、検索結果を信じるのではなく、自分の頭で考えたり、体験を増やした方がよさそうです。自分の世界を広げるための努力を続けないとセレンディピティが訪れる機会が少なくなり、面白いことが起こらなくなります。

現代人は情報化社会の中で頭でばかり考え、自分の体やハートを感じなくなり、ストレスを抱えています。頭の中に閉じこもるのをやめ、旅をしたり心の拠り所を探すべきなのです。過去の日本人の素晴らしさや伝統を知ることで心を開くことができます。私は日本各地の神社巡りや、海外に定期的に出かけることでバランスをとり、自分を取り戻すようにしています。

自分の目と耳と体と心でリサーチしたり、サーチしないとね。いつもウェブのサーチエンジンに頼っていてはまずい。(松岡正剛)

日常にはないものに向かうことで、日々を楽しくできるようになると松岡氏は述べています。先祖や友達、外国人。知らない街、歴史など日常とは異なることに向かうことで自分の視野を広げ、新たな気づきを得られるのです。「書を捨て、街に出よう」を言い換えて、「ネットを捨て、街に出る」ことを心がけることで、人生をエンジョイできるようになるのです。

まとめ

スマホや検索エンジンは便利ですが、それに頼りすぎると自分の頭で考えなくなります。旅をしたり、文化に触れることで日常から離れて色々なことを発見し、頭が活性化します。自分の五感や脳を活用して、考えたり、体験することで人生をワクワクなものに変えられます。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

       

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