スコット・バリー・カウフマンとキャロリン・グレゴワールのFUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~の書評

一年間対話するより、一時間ともに遊んだ方が、相手の人柄はよくわかる。(プラトン)


photo credit: wuestenigel Scrabble Game Board With Words via photopin (license)

遊びが脳を活性化する?

スコット・バリー・カウフマンキャロリン・グレゴワールFUTURE INTELLIGENCEで紹介している10の習慣を身につけると人生をより面白くできそうです。 クリエイティブ思考は好奇心や直感など様々な方法で自分ごと化できますが、そのうちの一つが子どものマインドを忘れずに遊び続けることだと彼らは指摘します。

実際、遊びにはクリエイティブ思考と柔軟な脳の発達を促すことが最近の研究でわかっています。2歳半ころから子どもたちはごっこ遊びを通じて、面白いストーリーを紡ぎ始めます。子どもたちは作家と俳優と監督の役割を担い、物語を創作したり演じることで様々なアイデアを生み出します。子どもたちは複数の視点に立ち、遊びながら、さまざまな感情や発想を操るようになるのです。しかし、彼らの大半は10代でこの遊びをやめ、他のことに時間を置き換えて、クリエイティブ・マインドを失っていきます。

私たちの文化は、遊びを肯定的に見ようとしない傾向があります。子どもの自由な時間は1955年以来、減り続けているのです。勉強など有益な活動に使う時間は増えましたが、遊ぶ時間が少なくなることでクリエイティブ思考に欠かせない多くの重要なスキルを育む機会をも奪っています。遊ばなくなることで現代の子どもたちは以下のスキルを育めなくなっています。
・衝動の制御
・計画性
・組織力
・問題解決能力
・読み書きの能力と言葉の発達
・象徴化
・STEM(科学、技術、工学、数学)の理解
・数学的能力
・好奇心
・拡散的思考(仮に~だったら、と考えること)
・多様な内容を認知的に統合すること
・柔軟性
・ストレス解消
・認知と感情のコントロール
・共感
・配慮
・社会的交渉力
・協調性
・他者に対する寛容
これらはどれも重要なスキルですが、遊ばなくなることでこれらが奪われていきます。遊びの減少によって、子どもたちに弊害が現れています。最近の研究で、幼いうちに勉強を教えるのは逆効果で、子どもの好奇心や、新しい発見をしたり、予想外のつながりを見つけたりする能力を損ねることがわかっています。2012年にニュージーランドで行なわれた研究では、ある程度大きくなってから読み書きを習った子どもの方が、読解力の成績が良いという結果が出たそうです。早期教育は必ずしも有益ではないなら、子どもをもっと遊ばせるべきです。

大人になっても遊び心を忘れないようにする!

大人でも、子どものような遊びの感覚を養っていれば、働き方を変えることができる。わたしたちはどんな内容であれ、とかく仕事を深刻で難しいものと見なしがちだ。もちろん仕事で成功している人は、真剣に考え、仕事に多くの時間と努力を注ぎ込んでいる。しかし傑出した天才たちは、仕事における「真剣さ」と「遊び」のバランスをうまくとっている。(スコット・バリー・カウフマン&キャロリン・グレゴワール)

私たちは大人になっても遊び心を忘れてはいけないのです。仕事で遊ぶことができれば、柔軟な心で新しいアイデアを練ることができます。また、楽しく働くことで、強いストレスを感じたり、自分を消耗せずにすみます。好きなことを仕事にすることで人は活き活きできます。クリエイティブに働くことで、時間を自分の味方にできるようになります。私は会社をやめてから、好きなこと、楽しいことを仕事にしていますが、この結果、遊びと仕事の境界線がなくなりました。以前よりクリエイティブな時間を過ごすことで、結果を残せるようになったのです。遊ぶこと、楽しむことを忌避するのではなく、遠回りに見えても旅に出たり、仲間や家族と遊ぶことで、仕事にも良い影響を及ぼします。

遊びと仕事をきっちり分けるのは、現実的でないばかりか、害さえ及ぼす。研究により、子どもでも大人でも、仕事と遊びを混ぜ合わせた枠組みが、学習と創造性にとって最も望ましい、ということがわかっている。

スーパーベターになろうのジェイン・マクゴ二ガルは『わたしたちがしていることの多くはゲームと同じく「ただ楽しむため」のものであり、それは人生を幸せかつ柔軟に生き、仕事で結果を出すために欠かせない』と語っています。私たちは大人になるにつれて、遊び心と好奇心を忘れてしまいます。好奇心を持って、新たなことにチャレンジをしなければ、面白いことが起こるわけがありません。ワクワクを忘れた脳からは、斬新なアイデアは生まれてこないのです。もしも、あなたが仕事とまじめな事柄だけに人生を支配されていると感じたら、今すぐ自分を取り戻すために遊びに出かけましょう。

人は老いたから遊びをやめるのではない。遊びをやめるから老いるのだ。(ジョージ・バーナード・ショウ)

遊び心を取り戻さなければ、私たちはあっという間に老け込んでしまうのです。最近の調査では、遊ぶことの多い大人はストレスを感じにくく、ストレスをうまく扱い、人生により満足し、より多方面で成功を手にしていることが示唆されました。この調査結果を信じて、遊ぶことをもっともっと意識しましょう!真面目に生きるだけでなく、人生をエンジョイすることを考えることで、私たちは幸せになれるのです。

まとめ

子どものような遊び心を持ち続ければ、何歳になってもクリエイティブ思考とバイタリティを維持できることがわかってきました。仕事やルーチンに自分の時間を支配されているのなら、脳の劣化が始まっていると考えるべきです。この状態を続けていると、脳が退化し、短期間で老化してしまいます。もっと人生を楽しむと決め、自分の好きなことに時間を使いましょう。クリエイティブな時間を過ごすことで、インスピレーションが湧きあがり、面白い人生を送れるようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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