デイビッド・ハミルトンの親切は脳に効くの書評

習慣化

とにかく人に親切にすることだ。あとは相手にまかせ、相手が自分なりに考えてくれればそれでいい。私の方針はそう決まっている。自分が自己中心的かどうかを考えすぎると何もできなくなる。そんなことを考えてむだにする時間は、他人を助けるのに使える時間なのだ。(デイビッド・ハミルトン)

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親切の驚くべき効果

デイビッド・ハミルトンの親切は脳に効くを読了しましたが、とても面白い本だったので、何回かに分けてブログで紹介していきます。著者のデビッドは親切によって脳が変化すると述べています。親切を習慣にすることで、血管が拡張し、血圧が低下するなど健康に効果があることもわかっています。そればかりか、親切はうつの克服に役立ち、老化を遅らせ、細胞レベルでの老化さえ防ぐのです。

親切は人を幸せにし、心臓によく、老化を遅らせる。親切は人間関係を改善する。そしてどんどん拡散する。親切な行為をすると、この五つが一緒についてくるのだ。

親切の効果は多くの実験で検証されています。まずは、カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授のソニア・リュボミアスキーの研究結果を見てみましょう。ソニアはボランティアの参加者に一週間に5つの親切を6週間続けて行ってもらい、親切な行為を意図的には行わない人々の対照グループと比較しました。献血する、パーキングメーターで他人の駐車料金を支払う、友だちの宿題を手伝う、病気の親戚を訪ねる、お礼状を書くなどの親切を行ったところ、親切を行った人々は幸せな気分になったのです。親切をしなかった人々は幸せな気分をあまり味わえませんでした。もっとも幸福感が高まったのは、同じ日に5つの親切をした場合であることもわかりました。

カナダのブリティッシュ・コロンビア大学では、633人に毎日何にお金を使ったかを1か月間、記録してもらいました。たとえば、買い物やランチ、慈善団体への寄付、他人へのプレゼントまでもれなく記録してもらったところ、一番幸せを感じていたのは他人のためにお金を使った人たちでした。

同じ研究で、ボランティアの参加者に5ドルか20ドルを与え、半数の人にはその日のうちに他人のために使ってもらい、残りの半数には自分のために使ってもらいました。その結果、他人のためにお金を使った人が一番幸せを感じていたのです。

助けることで誰かの役に立つのならまちがいではない、と私は思う。人を助けるのは、自分にも助けが必要だからという理由もある。それなら、あなたと相手の人はおたがいに助けあっていることになる。他人を助けるとき、人とのつながりを強く求めていることもある。そのつながりが幸福感を生むのだ。

『ジャーナル・オブ・ハピネス・スタディーズ』誌に掲載されたレポートを読むと、親切するだけでなく、回数を数えることも有効なことがわかります。日本人女性119人(親切なグループ71人と対照グループ48人)を対象に、親切にした回数と内容をただただ記録してもらいました。親切をした回数を数えたことで、女性たちの気持ちは大きく変化したのです。まず、全員が前よりも幸せだと感じました。21人には(71人の親切グループの約30パーセント)、かなり大きな影響があり、「とても」幸せになったのです。

親切の回数を数えると、自分は思っていたよりもずっと親切な人間だったという結論を出す人が多い。そのとたんに、想像していたよりもほかの人の役に立っている自分に気づくのだ。自尊心を高めるのにこういう後押しが必要な人もいる。その結果、その人の価値観や目的意識が高まることになる。

大きな親切や、目立つことをする必要はありません。小さな親切があなたに幸せを運んできてくれるのです。あとから来る人のためにドアを押さえて開けておく、人の話を聴く、誰かが落としたペンを拾う、誰かに微笑みかけるなどの小さな積み重ねが、あなたを幸せな気持ちにさせてくれます。

 

誰かのためになることをしよう!

作家のアラン・ラックスが健康と幸福、ボランティア習慣について行った大規模な調査を読むと誰かのためにアクションを起こしたくなります。3296人の人が誰かを助けたときにどう感じたかを複数回答で示したものが以下です。
■気分がよかった 95%
■プラスの感情が何時間(何日)も続いた 80%
■自己肯定感が高まった 57%
■すぐにあたたかい気持ちになった 54%
■前より幸せに感じ、気分が前向きになった 53%
■エネルギーが湧いた 29% 
■陶酔感があった 21%
アラン・ラックスは他人を助ける人は風邪やインフルエンザにかかりにくいと述べています。偏頭痛も少なくなり、睡眠の質も高くなり、過食も防げます。親切を習慣にすることで、自分の体の健康も維持できます。

人とのつながりによって、脳に幸せホルモンが生みだされることもわかっています。

気分がよくなるのは、親切の「正しさ」と、親切から生まれる人とのつながりからだ。しかもそれは主観的な感情ではない。親切によって脳内の化学物質に変化が起きるとする研究がある。親切は、プラスの感情にかかわる神経伝達物質「ドーパミン」や「セロトニン」の分泌量を増し、絆のホルモンともいわれる「オキシトシン」も作り出す。さらに親切によって脳内の天然モルヒネやへロインともよべる「エンドルフィン」が作られる。新設は完全に合法な物質と完壁にハイな状況を作り出せるのだ。

親切は高齢者を元気にします。なんとうつの症状にも良い影響を及ぼしているのです。テキサス大学の研究チームは、25歳以上の成人3617人の心の健康とボランティア習慣について調査を行いました。その結果、ボランティア活動を行っている人は、そうでない人よりもうつの症状が少ないことがわかりました。抗うつ効果がもっとも強くあらわれたのは、65歳以上の人だったということです。

ウィスコンシン大学では、1995年の「アメリカにおける中年期研究」という全米調査のデータを使い、65歳から74歳までの373人のボランティア習慣と健康について検証しました。ここでもボランティア活動をしている人は、していない人よりもうつの症状が少なく、プラスの感情を多く感じていることがわかりました。

高齢者を対象としたほかの研究では、利他主義(自分のことは考えず他人の幸福を考えること)と幸福感とのあいだに相関関係があることがわかった。たとえば「私は自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先させます」といった文に対する366人の高齢者の反応を調べたところ、利他的な人ほど幸福感が強く、うつの症状が少ないことがわかった。

親切な気持ちを持って、他者に貢献することで、私たちは幸せになるだけでなく、うつも防げるのです。日々の小さな親切の積み重ねによって、幸せになれるだけでなく、病気やうつのリスクも減らせます。

まとめ

幸せになりたければ、親切を習慣にすべきです。1日に5回の親切をすることで、私たちは幸せになれるのです。そればかりか、親切によって、心と体にも良い影響を及ぼします。利他的な行動をすることで、人とのつながりも強化され、孤独から解放されます。人間らしく生きるために、日々の親切を生活の中に取り入れましょう。

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