ティク・ナット・ハンの怖れの書評

怖れをもたない人はいません。しかし怖れを深く見つめることができれば、私たちはその束縛から自由になり、喜びに触れることができるのです。怖れは過去に心を縛りつけ、未来への心配を引き起こします。怖れを認めることができれば、その場で問題が消え去ることがわかるでしょう。(ティク・ナット・ハン)

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過去の嫌な記憶に支配されないようにしよう!

私たち人間は生まれた時から、「怖れ」から逃げられません。セーフティゾーンであった母親の子宮から、外界に出た瞬間から、私たちは怖れと絶えず対峙しています。子供の頃の怖れの記憶が、時々、私たちの恐怖感を呼び覚まし、気持ちを落ち込ませてしまうのです。禅僧のティク・ナット・ハンは、書籍怖れの中で過去の記憶に支配されてはいけないと述べています。

今という瞬間に意識を向けない限り、自分の気持ちを取り戻すことはできません。

この瞬間、今日という日に、私たちは事実生きていますし、体も驚くべき働きを続けています。目は美しい空を見ることができ、耳は愛する人たちの声を聞くことができます。

怖れを見つめる最初の一歩は、怖れを何も考えずに受け入れることです。やさしく怖れの存在を認めるだけで、大きな安らぎを得られます。怖れが落ち着きを見せたら、その根源を深く見つめます。心配や怖れの原因を理解することで、それらを手放せるようになります。

恐怖心を引き起こすのは過去の嫌な体験の映像です。怖れを克服するために必要なことは、映像やイメージで過去に戻り続けるのをやめることです。今ここにしっかり集中し、マインドフルになることで、過去を異なった視点で見ることができ、苦しみから解放されるのです。

 

インナーチャイルドをマインドフルネスで解放する!

私たちの心はすぐに過去にとらわれてしまうので、今ここにとどまれるように合図を備えておくといいでしょう。プラムヴィレッジでは、鐘を使います。鐘の音を聴いたなら、マインドフルに息を吸い吐く実践をしながら唱えます。「私はこの鐘の音を聴く。このすばらしい音は、私を本当の家に連れ戻してくれる」本当の家は今ここにあります。それは過去にはありません。ささや心の中の小さな子どもに囁いてあげてもいいでしょう。「過去は私たちの家じゃない。家はここにあるんだ。ここで本当に人生を生きることができる」

自分が今ここにとどまれるように合図を作るとよいと言います。著者は自分の住んでいるフランスのプラムヴィレッジの鐘を活用し、マインドフルネスをしています。マインドフルネスな状態になることで、私たちは必要なすべての豊かさと癒しを手に入れることができます

私たちが経験する多くの怖れ、心配、苦しみは、内なる子ども(インナー・チャイルド)がまだ解放されていない過去にあります。その子は、今この瞬間に出てくるのを怖がっています。ですからあなたのマインドフルネスと呼吸があれば、ここは安全で自由になれるところだよと教えてあげることができるのです。

過去の出来事を再生してしまう癖に戻りそうになったら、ゆっくりできる時に、静かな場所で時間をとって、心の中の苦しんでいる傷ついた子どもに、もう苦しまなくていいよと言ってあげるとよいと著者は言います。

私は車に乗っているときに嫌なことがあると神社のお守りを触り、自分を取り戻しています。神社の森の静けさを思い出し、そこに自分がいることをイメージします。自分のビジョンを思い出すことで、イライラした感情にさよならできることに気づいてから、自分を変えることができました。

この手法で、計画することに振りまわされずに未来に備えることができます。未来とその不確実性を怖れるあまりに、私たちは準備もしないか、あるいはすみずみまで計画するかの両極端の選択をしがちです。

私たちが生きるべきときは、今しかありません。今この瞬間にしっかりと生きていれば、未来への計画を立てるのもずっと楽になるでしょう。マインドフルに今ここに生きることは、先の予定など考えないということではありません。違いは、未来に対する心配や怖れに心を乗っ取られる必要はないと、はっきりと知ることです。今というときにしっかりと意識を置いていれば、心配や不安感にとらわれずに未来を現在に引き戻し、深く見つめることができるようになります。あなたが今ここにたしかに存在し、今の瞬間に力を注いで物事に取り組むすべを知っているなら、すでに未来に対しても最上の取り組みができているのです。

今ここに集中できるようになると、過去や未来を現在に引き戻し、それを深く見つめることができます。今ここにしっかり立ちながら、過去や未来をよく観察することができます。あなたが現在を基盤に生きるとき、最良の方法で過去から学び、未来の計画を立てられるようになります。今ここに意識を向け、マインドフルな状態を維持し、自分の目標を達成するようにしましょう。

まとめ

怖れをもたない人はいません。しかし怖れを深く見つめることができれば、私たちはその束縛から自由になり、喜びに触れることができるのです。過去や未来の怖れに捉われるのをやめ、呼吸に意識を向け、今ここに集中しましょう。その結果、自分のやりたいことができるようになり、幸せな時間を過ごせます。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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