ジム・ロジャーズの「お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する」の書評

重要なのは、「歴史は韻を踏む」ということである。これは作家マーク・トウェインの言葉だ。世界の出来事のほとんどは、以前にも起きている。まったく同じ出来事が起きるわけではないが、何かしら似た形の出来事が、何度も繰り返されている。戦争、飢餓、不況、外国人迫害、(貿易戦争、移民問題。これらの問題は、形を変えて何度も起きているのだ。(ジム・ロジャーズ)


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歴史は韻を踏む!

ジム・ロジャーズお金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見するの中で歴史を学ぶことの重要性を述べています。投資家は歴史が韻を踏むことを覚え、過去から学ぶ必要があります。現在と類似した問題が以前どのようにして起きたのかを理解すれば、現状をある程度把握できます。そこから未来を予測し、何に投資をすればよいかを考えれば良いのです。

よく「歴史は繰り返す」と言うが、まったく同じことを繰り返すのではない。韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復をし続けるのだ。

アメリカ全体がバブル景気で盛り上がっていたさなかは、「ウォールストリート・ジャーナル」でさえも、「経済が新時代に突入した」と景気を煽った報道をしていました。「ザ・ニューエコノミー」という言葉が使われ、バブルを否定しました。この時、私も「ザ・ニューエコノミー」という言葉を信じ、アメリカ株に投資をしていましたが、歴史を学ばなかったために痛い目に会いました。歴史を学んだ人には、前回のバブル崩壊と同じ兆候があることがわかっていましたが、悲しいことに私にはその知識が足りなかったのです。

「今度は違う」というセリフは、危険な兆候である。投資の世界では、すこぶる注意しなければならない。歴史上、「今度は違う」ということは絶対にないのだから。「今度は違う」というのは、歴史の知識がない人が使う言葉である。

投資においては、今度は違うという言葉を信じてはいけません。この言葉を使う人は歴史を学んでいない人だと考えるべきです。歴史を学び、人とは同じ思考をしないことが投資においては重要なのです。

 

人と同じ思考をするな、変化に対応せよ!

人と異なる考え方をすれば、他の人には見えないものが見えてくる。それが成功への第一歩だ。もし、周りから自分の考えを馬鹿にされたり、笑われたりしたら、大チャンスだと考えればいい。人と同じことをして成功した人は、いままでいないのだから。そして最も重要なのは、そうして韻を踏みながら変化を続ける時代の流れに合わせ、自分も変化できるようにしておくことである。

本書を読むと、なぜジム。ロジャーズが、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と呼ばれているかを理解できます。彼は時代がどう変遷しているかを肌で感じ、それに順応しています。私が投資を始めた頃、私は彼の著作冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行をなんども読み返しました。彼は世界中を動き回り、現地での体験を重視し、投資先を考えていました。変化に対応するためには、実際にその変化を体験することが必要です。若い頃の私は体験への投資をためらってましたが、最近は考え方が変わりました。

この数年、私も積極的に海外に出かけ、世の中の変化を肌で感じるようにしています。ジム・ロジャーズの思考と行動を真似ることで、人とは違うアイデアを出せるようになりました。海外に行き、異なる世界を見ることで、視点を変えたり、視座を高めることができます。20年前に冒険投資家ジム・ロジャーズをクレイジーな男だと思っていましたが、今では彼の行動を真似、自分を変えることができました。

人は体験を重ねることで、変化に適応できうようになります。「人は歳を重ねるごとに、変化に順応するのが難しくなる」とジム・ロジャーズは指摘します。変化を拒んでいれば、世の中の変化についていけなくなり、やがては職を失うことになるかもしれません。

私も時々は正しいことを言う。でも私が正しい時、人は私を「クレイジー」だと思っているのだ。本当に成功したければ、人とは異なる考え方をしなければならない。人と同じように考えている限り、大きな成功を収めることは恐らくないだろう。「投資を成功させるためには歴史に学べ」というのが、私のポリシーである。歴史は、世界が常に変化しているということを教えてくれる。

予想を覆すような出来事が、世界では常に起こり続けています。未来を確実に予測することは難しいですが、歴史は韻を踏むことを覚えておけば、ある程度のトレンドはつかめます。歴史上のどの年を見ても、その年から15年後を見ると世界はまるっきり変わってしまっています。どんな人にとっても、変化は避けられないものなのです。いま自分がいる状態を理解しなければ、投資でリターンを得ることはできません。歴史を学び、世界の変化を肌で感じることが、投資家だけでなく、ビジネスマンにも求められています。

ジム・ロジャーズは、日本への投資をネガティブに評価し、北朝鮮に対してはポジティブな見解を示しています。歴史を学べば、アジアの時代であることがわかります。ジムは自分が10才の日本人だったら、ただちに日本を脱出し、韓国・中国・ベトナム・コロンビアを移住すると述べています。理由を知りたい方は、ぜひ本書をお読みください。

まとめ

「歴史は繰り返す」とよく言いますがが、まったく同じことを繰り返すのではありません。韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復を続けます。投資をする際にはこの韻を踏むことを覚え、自分の頭で考え、投資先やタイミングを選択すべきです。変化に対応するために、新たな体験を重ねるようにしましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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