外山滋比古氏のお金の整理学の書評

定年前後に新しいビジネスの種を探したり、どういう仕事が面白いかを考えたりする上で、仲間とクラブを作っておしゃべりする場を持っておくと、思わぬ良いアイディアが浮かぶかもしれない。日本ではとかく、一匹狼がかっこいいと思われているが、一人で考える〈単独英知〉の範囲には限界がある。やはり、複数の人間が群れて〈集合的(コレクティブ)英知〉を目指すのが望ましい。(外山滋比古)


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人生100年時代、孤独になることを防ごう!

人生100年時代、定年後の時間は確実に長くなっています。会社をやめると男性は家にこもりがちで、孤独になる場合が多いと言われています。イギリスでは、「孤独担当大臣」というポストが新設され、老人の孤独を防ごうとしています。イギリスの「孤独委員会」の調査によると、「孤独は1日たばこを15本吸うと同じくらい、健康に害を与える」ことがわかっています。(参考 岡本純子氏の世界一孤独な日本のオジサンの書評

また、米ブリガムヤング大学のホルト=ランスタッド教授は、社会的孤立や孤独感が、喫煙や暴飲暴食、運動不足と同じように、高齢者の死亡リスクを高めることを明らかにしました。孤独が人を不幸にし、最悪の場合、早死の原因になるのです。

外山滋比古氏のお金の整理学を読了しましたが、このイギリスの孤独を防ぐ取り組みを思い出しました。2017年の内閣府の調査によると、65歳以上の一人暮らしの高齢者は2015年には592万人(男性約192万人、女性約400万人)となり、日本でも老人の孤独が問題になっています。

これを避けるために、定年退職する前にサードプレイス(第3のコミュニティ)に参加すると良いかもしれません。新たな仲間を作ることで、孤独も避けられますし、ブレストを重ねるうちに新しいアイデアが浮かびます。そこから、新しいビジネスがスタートすることもあります。孤独にならないようにグループをつくることで、全く異なる人生を送れるようになります。

その際、似たような経歴の人間が集まらないようにしたほうがよいと外山氏は言います。全員違う仕事をしてきたメンバーが最低でも3人、理想は5、6人集まるとよいアイデアが生まれるようになります。

新しいアイディアは、同質な人間同士では生まれづらいのである。 何も、話題は仕事やお金の話に限らなくてもいい。食事をしながらだったり、酒を飲みながらだったりしても結構だ。むしろ、関係のないような雑談のなかに、予想外のヒントがあったりするものだ。それぞれ異なった視点から出てくる様々な話題や、ふとした気づきを、思いつくままに皆で話し合う。そうした雑談に参加することで、個人では到達できなかった発想や考えに辿り着けるかもしれない。

実は、歴史的な発見や発明がこういったコミュニティから生まれたことも少なからずあります。孤独になるのをやめ、家族や会社とは異なるグループに属することで、人生をエンジョイできるようになります。会社をやめてから、新しいグループを作るのではなく、定年前から準備を始めるようにしましょう。私もサードプレイスラボというコミュニティに参加していますが、メンバーの話から、毎月刺激を受けています。

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仲間を増やす「乗数効果」を活用する

イギリスのゴルフクラブは社交の場として使われるだけでなく、それ以上に、そのクラブに属すことが「社会的信用」に直結している。それゆえに、イギリス人は自分が属するクラブに誇りを持ち、モラルも高い。クラブ的な議論による成果も積み重ねられてきた。

外山氏は、日本人は一人きりで考えることが得意で、クラブを作って持続させることが苦手だと指摘します。イギリスではクラブは人格を担保する役割があり、この考え方を日本人も取り入れたほうが良さそうです。

1780年代のイギリスのバーミンガムに月光会(ルナー・ソサエティ)というコミュニティがあったそうです。毎月、満月の夜、化学者や牧師、技術者など数人が集まり、とくにテーマを決めずに雑談を繰り返しました。この月光会での会話が新たな発想を生み、ここからジェイムズ・ワットが蒸気機関、プリーストリーが酸素を発見したと言われています。

私の考えでは、一人ひとりが持っている〈偶然の発見=セレンディピティ〉の確率は、人数が増えることで指数関数的に高まる。3人いると3倍ではなく3乗、5人なら5乗になる。

コミュニティに属し、議論を重ねることで、指数関数的によいアイデアを作れるようになるのです。どの分野でも独学には限界があるのですから、人との会話を習慣にし、自分の可能性を引き出しましょう。メンバーの乗数効果を活用し、人生をエンジョイするのです。

クラブの雑談〈偶然の知恵〉が、ヨーロッパの歴史に数々の発明と発見をもたらしてきました。 定年後に定期的に人と集まることで、新たなビジネスチャンスが生まれ、お金を稼げるようになるかもしれません。打ち解けて話し合える異分野の友人を仲間にすることで、人生の後半戦の可能性を広げられます。

まとめ

定年後、孤独になる日本人が増えています。孤独が人を不幸にし、死亡リスクを高めることがわかっています。これを避けるためにコミュニティに参加するようにしましょう。多様な人たちの会話が乗数効果を生み、良いアイデアを生み出せるようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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