楽は風俗を移し易え、礼は上を安んじて民を化する働きがある。楽は、志をのべ精神を和らげようとするものである。礼は、己の欲望をおさえ、身を修めようとする。(貞観政要)
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礼楽(タテヨコ思考)が、なぜ経営者に必要なのか?
唐の時代の太宗・李世民の言葉をまとめた『貞観政要』には、「礼楽」を学ぶことの重要性が書かれています。礼楽は、古くから儒家によって尊重されてきました。礼とは、社会の秩序を定めるもので、祖先や目上の人を大切にすることです。そして上に立つ人は、宇宙の秩序や世界の根本原理をよく知っておくべきだという教えです。楽とは、人心を感化する音楽のことであり、広く理解すれば、風俗や文化を指します。
出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」の中で、礼楽とは、「タテヨコ思考」のことだと述べています。出口氏は、人類の歴史に照らし合わせて考えることを「タテ思考」と言い、世界の人々のさまざまな状況と照らし合わせて考えることを「ヨコ思考」と呼んでいます。タテ軸は、先人の話を聞くことであり、本を読むことです。ヨコ軸は、自らの足で世界を歩き、見聞を広めることです。※タテヨコ思考の記事はこちらから
私もこの出口氏の考え方に賛成です。書を読み、海外に旅することで人は自分の可能性を広げられます。リーダーは忙しいを言い訳にせず、読書と旅に出る時間を確保すべきです。礼楽(タテヨコ思考)が経営者には欠かせないと考え、自分への投資を欠かさないようにしましょう。
問題に直面したら、先人の知恵から学ぼう!
人間はみな一緒(ホモ・サピエンスという同一種)なので、何か解決すべき課題があるなら、昔の人がどうしていたか、また世界の人が すべき課題があるなら、昔の人がどうしていたか、また世界の人がどうしているか、うまくいっている事例を歴史と世界の中から探し出せばいい。
タテとヨコに思考を広げれば広げるほど、正しく素早い判断ができるようになると出口氏は言います。いろいろな人が生きてきた事実を知れば知るほど、多様なものの見方ができ、判断を間違えなくなります。リーダーが書を読み、自分を鍛えることで、企業の生産性がアップするのです。
人間の社会について洞察するときは、過去に起きたことと、世界の人がどうしているのかを知ることが一番です。問題に直面した時には、古今東西の歴史の中から似たようなケースを探し出して、先人たちがどのように対処したかを調べるとよいでしょう。
最近、日本のメディアの記事が日本寄りになり、事実を伝えていないように感じています。そのため、私は海外のメディアやソーシャルメディアから情報収集しています。様々な情報に接することで、多様な視点を持てるようになり、判断を間違えなくなります。また、自分の視座を広げることで、内向き思考になることも防げます。時には時間を作り、海外に出て、自分の目と耳で現地の実態を体験するのもよいでしょう。海外とのギャップを知ることで、斬新なアイデアやビジネスのヒントが見つかります。
現代のように進化が激しい時代には、リーダーも絶えず変化する必要があります。礼と楽、タテとヨコの思考軸を持つことで、経営者は失敗を減らせるようになります。
まとめ
経営者は、礼楽(タテヨコ思考)を備えることで、様々な課題を解決できるようになります。書を読み、先人の知恵を学ぶと同時に、海外に目を向けることで、問題解決の糸口が見つかります。経営者は忙しさを言い訳にせず、時間を作り、海外に出かけるようにしましょう。
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